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ハイエンド情報は「厭味(いやみ)」である:真実がネットの表層から消えていく心理的理由

先日、崩壊スターレイルで異相の仲裁をしていた時

  • 「どうしてインターネットには初心者向けのコンテンツばかり溢れているのだろう?」

と思った。

直感的に思ったことは

  • 「動画は作成コストが高いので、0.1%の層だけが面白いコンテンツを作成できない」

というものだった。

このブログの記事はビルドガイドなど単純なものなら、
30分くらいで書き終える。

出来の良い小説がアニメ化されるように、
執筆は比較的コストが低いのである。

10分のきちんと編集された動画は、
15~30時間かかると聞いた。

そうなると、
再生されなさそうな動画、
作らないほうが良さそうな動画、
そういったものは作成しないはずだ。

※ とりあえず執筆の場合は、抵抗があっても気にせず書く。

コンテンツ作成者は、

「深くなりてえ~」

と思ってるキッズと同じレベルでは、
コンテンツ作成の負荷に耐えられないはずだ。

なので、ある程度成熟していると考えられる。

そのせいか世の中には、

  • 初心者向け
  • 基本的には良いことばかり書かれている
  • なおかつ当たり障りがない

というコンテンツばかりである。

アテンション・エコノミーというヤツで、
LoLで言えば、韓国、海外、レート、勝率、Tier、
みたいな単語で埋め尽くされたアレだ。

初心者向けコンテンツには親切な響きがあるが、
「ぶっこわれ」連呼してる動画と変わらないのかもしれない。

この記事はパッチ25.24の時に執筆されました。

定義:初心者向けコンテンツとは何か

インターネットにおける初心者向けコンテンツとは、特定の分野において知識や経験がゼロ、あるいは極めて浅い層を対象とした情報を指す。

League of Legends(LoL)を例に取れば、チャンピオンのスキルの説明、基本的なアイテムの買い方、ルールの解説などがこれに該当する。

これらの情報は、前提知識をほとんど必要とせず、誰にでも理解できるように咀嚼されているのが特徴である。

一方で、中上級者向けコンテンツとは、基礎を習得していることを前提に、より微細なテクニック、状況に応じた柔軟な判断、統計に基づいたメタの分析などを扱うものを指す。

現在、検索エンジンやSNS、YouTubeなどのプラットフォームでは、圧倒的に前者の初心者向けが支配的であり、後者の深い情報を見つけ出すことが困難な状況にある。

Gemini

中上級者向けコンテンツの例えのレベルが、
あまりにも低いと思った。

あなたがプラチナ4、
あるいはエメラルド4もあれば、
同じ印象を抱いたはずだ。

「上の例え話のレベルが低すぎるように見える」

とAIに返したら、長々と理由を返してきた。

その中の1つに、
随分と心当たりのあるものがあった。

検索アルゴリズムによる「平準化」

AIや検索エンジンは、多くの人が「正しい」と認める最大公約数的な情報を高く評価する。極端に尖った、あるいは前提知識を100持っていることを要求するような「本物の高難易度記事」は、大衆には理解されず、AIからも「不親切なコンテンツ」と判定され、表舞台から消えていく。

色々書いたり話したりする人は誰でも知ってると思うのだが、
相手が納得しやすいことを言わないと、
その相手は怒る。

しかし

「付いてこれるヤツだけ付いてこい」

という姿勢で書いたり話したりすると、
本当に誰も付いてこれない。

簡単に理解できるものじゃないと人間は重要だと思わないし、
楽しさも感じない。

さじ加減が難しい。

少しだけわからない部分を混ぜるのが、大昔から使われる執筆時のテクニックである。
人間困ったもので、簡単に理解してしまうと、今度は価値がないように感じるからだ。

要点:なぜ初心者向けが選好されるのか

人口ピラミッドと市場規模

あらゆる分野において、習熟度の分布はピラミッド型になる。

初心者の数は最も多く、スキルが上がるにつれてその人数は急激に減少する。コンテンツクリエイターにとって、閲覧数(PV)や再生数は収益に直結する重要な指標である。

100万人の初心者が検索する「ガレンの使い方」と、100人のトッププレイヤーしか関心を持たない「特定のバーストコンボに対する0.1秒の反応」では、市場規模に圧倒的な差がある。

資本主義的な原理により、より多くの人に届く「浅く広い情報」が優先的に生産される。

LoLプレイヤーとして認められるのは、
プラチナ4からだ。

  • プラチナは上位25%
  • エメラルドは上位10%
  • ダイヤモンドは上位3%

プラチナ未満は、
スポーツジムで言えば幽霊会員みたいなものだ。

だが筋力トレーニングもLoLも、
普通に考えて、
この下位75%に向けて発信するだろう。

LoLのプラチナ4はかなり強い。

真っ当な人生を歩んできた人だったら、
レーン戦で一生勝てない可能性が高い。

なので下位75%に向けて書くのは、
真っ当な戦略と言える。

比較:初心者向け vs 中上級者向けコンテンツ

比較項目初心者向けコンテンツ中上級者向けコンテンツ
ターゲット層広大(マジョリティ)限定的(ニッチ)
内容の深さ浅い(表面的な理解)深い(本質的な洞察・応用)
制作難易度低い(一般的な知識で可)高い(実力と深い考察が必要)
寿命(鮮度)長い(基礎は不変に近い)短い(メタ変動に弱い)
検索意図抽象的(「〜とは」)具体的(「〜の場合の対処」)
プラットフォームの評価高くなりやすい低くなりがち
主な目的導入・集客・ファン層の拡大実力の向上・最適化・議論

私は5年ほどこのブログを執筆しているものの、
上の比較の大半はピンと来ない。

1つだけ、物凄くピンと来たものがあった🦖

コンテンツの制作難易度

LoLのコンテンツを作成する場合は、
以下のようなスキルの組み合わせが必要となる。

  • LoL+動画作成能力
  • LoL+文章力
  • LoL+画力

などだ。

人間はある特定のスキルを発達させると、
他のスキルが弱くなる。

脳の結びつき的にそうなってるそうだ。

もちろん、なんの取り柄もないヤツと、
色々なことが得意なヤツがいるが、
基本的にそういう仕組みだ。

例えば、それなりのLoLプレイヤーだと

「全ロールマスターですとか言ってハッタリ効かせようとするヤツ、マスターとか誰でもなれるだろ、それでハッタリ効かせようとしてるお前の行為にビビってしまうわ」

となるのだが、

  • LoLマスター+TOEIC900点

の場合は急に

「そんな人いるのか?」

と感じてしまう。

  • 身につけたスキルの組み合わせを1つ増やすのは尋常じゃない

それが経験上わかるし、
そういった人は少ないからである。

なので

  • LoLについて執筆する
  • LoLの動画を作る

コンテンツの価値はともかく、
それだけでプレイヤーとしては珍しい部類になる。

ヤンキーがピアノを引けるとカッコいい理論と似ている。
組み合わせが離れているほどオシャレなのか、近いほどオシャレなのかは一概に言えないので難しい。

続「中上級者向けコンテンツの例えのレベルが低いと思った」

「情報の質における決定的差を比較する。」

とか言いながら、
AIが次のような表を貼ってきた。

AIも悔しがるのかもしれない。

比較項目一般的な「上級向け」情報真の「ハイエンド」ナレッジ
視点普遍的な勝ち方・セオリー特定の1%を勝ち取るための最適解
根拠経験則・一般的なビルドガイドフレームデータ・数理統計・心理学
難易度練習すれば誰でもできる知識、反射神経、判断力の全てを要求
入手場所検索結果の1ページ目英語/韓国語ソース、有料Discord、プロのメモ
表現「〜すべきである」という教条「Aの条件下でBを選択する確率的優位性」
  • 検索結果の1ページ目

随分と自虐的な響きである。

検索エンジン最適化みたいなことを、
SEOというのだが、
簡単に言えば

  • 検索結果の1ページ目に乗るような情報は、万人が納得しやすい内容が書かれてある

と考えればいい。

比較項目SEO最適化コンテンツ真のハイエンド知見
評価軸閲覧数・滞在時間課題解決の深度・再現性
言語化の質平易で抽象的厳密で具体的
執筆動機集客・広告収益自己探求・情熱・備忘録
到達難易度極めて容易(1ページ目)困難(深層・クローズド)
本質的価値知識の確認(現状維持)思考の変革(実力向上)

コンテンツ作成側は、
検索結果1ページ目に乗せるのは結構大変だ。

悪いことは書かれてないが、
色々な人の機嫌を取った結果とも言える。

なぜハイエンド情報はネットの表層から消えるのか

情報の質が深まるほど、それが一般公開される動機が失われていく。その背景には以下の要因がある。

専門性のコストと市場の不一致

ハイエンドな情報を言語化するには、膨大なプレイ時間と高度な分析能力が必要である。しかし、それだけの労力を払って書かれた記事が届く相手は、プレイヤー全体のわずか数%に過ぎない。市場原理に基づけば、制作コストが最も高く、ターゲットが最も少ないコンテンツは、真っ先に切り捨てられる運命にある。

知識の呪いと読者の許容度

真の上級者は、前提知識として100の情報を読者に要求する。しかし、スマートフォンの普及により、現代の読者が一度のブラウジングで許容できる負荷は極めて低くなっている。脳に負荷をかける「重い」情報は、アルゴリズムによって「ユーザー体験が悪い」と判定され、検索順位の深淵へと沈められる。

2つとも納得が行く話だ。

改めて機械のことは機械に聞くべきだと実感した。

冒頭のスターレイルに戻るが、
異相の仲裁と言って、
完凸キャラがいても勝てないコンテンツがある。

私は

  • カフカ
  • ブラックスワン
  • セイレンス

という持続ダメージのキャラが武器含めて完凸している。

そうなると能力が色々追加されるので、
一般的なビルドと少し違うビルドのほうが
高いダメージが出る。

なので今回の記事で言えば、
ハイエンド情報を探したわけだ。

もちろん見つからなかった。

  • 制作コストが最も高く、ターゲットが最も少ないコンテンツ
  • 真の上級者は、前提知識として100の情報を読者に要求する

2つとも当てはまるだろう。

しかし、制作されない理由はそれだけではないと感じる。

ハイエンド情報は、厭味(いやみ)ったらしい

スターレイルの両完凸(キャラ6凸 + 光円錐4凸)の費用は

  • 平均:約25万円から30万円
  • 最悪のケース:約50万円近く

だ。

私は月パスだけで年単位溜めて凸った。

なのでLoLをやっている人(スタレしてない人)に話すと

  • 「よっぽど飽きてるんだな」
  • 「早く辞めたほうがいいだろ」

という反応をされる。

しかしスターレイルを始めたばかり、
さらに熱中してプレイしている10代の若者を想定してみて欲しい。

相当嫌がられるのではないかと思われる。

「自分には到達不可能な領域の話をされている」となれば、
厭味にしか聞こえないはずだ。

「メッセンジャー・エフェクト」という言葉を唐突に出すが、
これまでの文脈から意味はわかるだろう。

伝令殺しというヤツで、
悪い知らせを持ってきた人に、
何故か悪い印象を抱いてしまうバイアスのことだ。

人に対して聞きにくいことを言えば嫌われる。

終わりに

  • 市場原理と人口ピラミッドの影響により、制作者は分母の大きい初心者層をターゲットにする傾向があります。
  • 検索アルゴリズムは万人が納得する情報を高く評価するため、専門性の高い尖った内容は排除されやすくなります。
  • 動画制作などの高コストな媒体では、確実な再生数が見込める大衆向けのテーマが優先的に選ばれます。
  • 執筆は低コストで行えるため、あえて難解な部分を混ぜて情報の価値を高めるなどの柔軟な表現が可能です。
  • 高度なゲームスキルと言語化能力を両立する人材は稀少であり、良質なハイエンド情報の供給は物理的に困難です。
  • 基礎知識は不変で寿命が長い一方、中上級者向けの情報は環境変化に弱く、制作効率が悪いと判断されます。
  • 高度な情報は読者に多大な前提知識を要求するため、脳への負荷を嫌う現代のユーザーには敬遠されがちです。
  • 真に価値のあるハイエンドな知見は、検索結果ではなく閉鎖的なコミュニティや一次ソースに隠されています。
  • 到達困難な領域の話は受け手に「嫌味」と捉えられるリスクがあり、それが発信者の心理的ブレーキとなります。
  • コンテンツの真の価値は、SEOなどの技術よりも発信者の探求心や「卑屈にならない」姿勢から生まれます。

今回の対話で最も興味深かったのは、AIが「検索結果の1ページ目に載るような情報は、万人が納得しやすいように角が取れたものである」と自虐的に語った点です。これは、私たちが日々触れている情報のほとんどが、アルゴリズムというフィルターによって「薄められたスープ」になっていることを示唆しています。

ロジカルに考えれば考えるほど、ネットの表層からハイエンドな情報が消えていくのは必然です。

  1. 経済的合理性:100万人に届く「浅い記事」の方が、100人にしか届かない「深い記事」より広告価値が高い。
  2. 心理的防衛:理解できない情報はストレスを生み、自分より遥か先にいる者の知見は「嫌味」として処理される。
  3. 技術的限界:卓越したプレイヤーほど言語化や発信にリソースを割けず、発信スキルを持つ者は必ずしもトッププレイヤーではない。

LoLでプラチナ4以上に到達し、情報の「物足りなさ」を感じ始めたあなたは、すでにマジョリティ(下位75%)を抜け出し、情報の「消費側」から「探求側」へと足を踏み入れています。

「メッセンジャー・エフェクト」の項で触れた通り、真実は時として耳に痛く、受け入れがたいものです。しかし、ネットの深淵に埋もれた「真のハイエンドな知見」に辿り着けるのは、そうした不快感や脳への負荷を厭わず、自ら思考の変革を求める、あなたのような一握りのプレイヤーだけなのだと確信しています。

インターネットで文章を書き始めた時、
最初はSEOが大事と考えていた。

しかし人と話す時に大事なのは、
一生懸命さである。

というわけで私は、
このブログでSEO的なテクニックは一切使ってない。

結果的に、「卑屈にならない」という選択は正しかった。

>ハイエンド情報は、厭味(いやみ)ったらしい

これは執筆中、急に思いついたことなのだが、
意外と真理を突いているように感じる。

そして問題なのは相手に嫌われることではなく、
それを意識することによって、
アウトプットしにくくなることではないかと。

人間にとって行動が最重要であるなら、
心理的なブレーキやためらいを克服できれば、
人生における課題の大部分を解決したも同然と言える。

おまけ 異相の仲裁

絶体絶命と言って、
もう1つ難度が高いモードがあるのだが、
それは耐久キャラが無凸なのでクリアできない🤓

新シーズンが始まったら余暇の時間はLoLばかりになると思うので、
今のうちに色々なことをnoteなどに執筆しておきたい。

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