LOLの戦略は、シーズンごとに変化し続ける。
特に序盤のマップコントロールにおいて、
かつてはリフトヘラルドとドレイク(ドラゴン)が主な目標だった。
※ 昔は8分で出現していた。2体目も沸く可能性があった。
しかし、パッチ14.1でヴォイドグラブが登場したことで、
ジャングラーやチーム全体の戦略に新たな選択肢が生まれた。
- 「序盤にドレイクを2体確保してドラゴンソウルへの道を切り開くか?」
- 「それとも、タワー破壊と序盤の有利を加速させるヴォイドグラブを6体狩り尽くすか?」
ソロキューをプレイしていると、
この二つの選択肢の間で悩む場面は少なくない。
単純なバフの効果だけを見れば、
それぞれのメリット・デメリットが見えてくる。
しかし、LoLはそれほど単純なゲームではない。
特に、連携が不安定になりがちなソロキュー環境においては、
「理論上の正解」が勝利に結びつくとは限らない。
※ 味方に文句を言われた場合、その試合だけで見れば、同意をするか謝るかしたほうがいいのと似ている(これは迎合という)。
この記事では、「ドラゴン2体 vs ヴォイドグラブ6体」というテーマについて、
それぞれのメリットを比較しつつ、
なぜ実際の試合では理論通りにいかないのか、
そしてソロキューにおける真の「正解」とは何かを、
少し変わった視点も交えながら考察していく。
単なる戦略論に留まらず、
プレイヤー間のコミュニケーションや暗黙の了解といった側面にも触れながら、
この興味深い問いを探求してみよう。
この記事はパッチ15.06の時に執筆されました。
ドラゴン2のメリット
- ドラゴン4(ドラゴンソウル)という、一般的な試合の勝利条件を満たしやすい
- ドラゴン2の後に劣勢だとしても、試合時間を伸ばせる
1 「4つ目のドラゴンはネクサスよりも大事」
LOLはそう考えてプレイしたほうが勝てる。
実際はどのレートでも
「25分のバロンを倒して、インヒビターを全部割り、リコールしてアイテムを揃えて、ネクサスを割りに行く」
という流れで勝ちたい。
しかし実際のソロキューでは低いレートほど試合が長引くし、
部屋の全員がマスター以上でも、
25分バロンで試合を決めるのは難しい。
全員文脈がわかっていても、
何故かスムーズに終わらせられない。
2 味方にケイル、ナサス、カサディン、ブラッドミア、オレリオン・ソル、ジンクス。
などがいたとしよう。
上に挙げたのは試合が長引けば無双のチャンピオン達だが、
ストレートで4ドラゴン取られては、
サレンダー以外にすることはない。
しかしお互いのチームのドラゴンが3:3だった場合は、
相手にドラゴンソウルを取られても試合に勝つことができる。
ドラゴンソウルの種類によって強い弱いがあるけれど、どのソウルでも、取得した試合に負けることのほうが珍しい強さである。
ヴォイドグラブ6のメリット
- 基本的にドラゴンより経験値が多い
- 狩っている最中にレベル5からレベル6になることもある
- ドラゴンよりも効果が速い段階で現れる
- 得られるゴールドはヴォイドグラブ6のほうがドラゴン2よりも圧倒的に多い
1と2


表を見てもよくわからないのが普通だろう。
私もよくわからないが、
以前から体感的にヴォイドグラブのほうが経験値が多いように感じていた。
特にレベル5で狩ってる時にレベル6になると、
敵チームを迎え撃つのが簡単だ。
3と4
ドラゴンはソウルまで行かないと、
正直恩恵を感じられない。
体感的にわかるのは、
序盤のオーシャンぐらいだろうか?
グラブはタワーさえ殴れれば、
取った瞬間からポジティビティが高く、
ドラゴンよりも戦いの偉業を達成しやすい。
トップとミッドのセカンドタワーは妙にゴールドが多いのだけど、
20分(アタカン)や25分(バロン)までに折りやすくなる。
ドラゴンソウルを無視すれば、ヴォイドグラブのほうが何もかも優れている。
実際のLOLの試合ではドラゴン2のほうが強く感じる
ヴォイドグラブ6のほうがソウルを無視すれば、
あらゆる点で優れている。
ドラゴン2の良いところは、
ドラゴンソウルが近くなることだけだ。
しかし実際の試合では、
ドラゴン2のほうが体感圧倒的に勝ちやすいはずである。
大半のプレイヤーがそう感じるはずだ。
なぜだろう?
主な3パターンの勝利方法
- どちらかのチームにトロールが出現する
- 上手なプレイヤーがスノーボールして勝つ
- 上手なプレイヤーにドラゴンソウルが付いて勝つ
1 最も一般的な勝ちパターンだ。
その部屋に似つかわしくないヘタクソも、
トロールに入れることにする。
サブアカウントで元気に挨拶しながら10デスするミッドヤスオ。
みたいなイメージだろうか。
2 理想的な勝ちパターンだ。
3 2と似ている。
わかりやすいのは、
バロンと4つ目のドラゴンだろうか?
バロンは全員に300ゴールドずつ入るし、
経験値も大量に入る。
しかしあなたがゴールド4あればわかるとおり、
4ドラゴン目(ドラゴンソウル)のほうが価値が高い。
つまり
「25分過ぎたブリッツクランクに300ゴールド入って何ができんだよ」
というわけなのである。
ブリッツクランクは後半弱すぎるので仕方がないのだけど、
ダイヤモンド9人の部屋にシルバージンクスが1人いた場合、
最後半でもブリッツクランクより活躍しない可能性が高い。
こういうプレイヤーがチームに1人でもいると負ける
例えば一般的なLOLプレイヤーの間で
「ドラゴン2のほうがヴォイドグラブ6より強い」
あるいは
「ヴォイドグラブ6のほうがドラゴン2より強い」
となったとしよう。
LOLの試合で味方にいると1番困る人種は
- 文脈を無視してヴォイドグラブ6(あるいはドラゴン2)を優先させるヤツ
である。
そういう人は初心者か発達障害のどちらかだ。
発達障害にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。主なものとしては以下の3つが挙げられます。
- 自閉スペクトラム症 (ASD: Autism Spectrum Disorder)
- 対人関係やコミュニケーションの困難さ:
- 場の空気を読むことや、相手の気持ちを推測することが苦手。
- 比喩や皮肉を文字通り受け取ってしまうことがある。
- 視線を合わせるのが苦手、または合わせすぎる。
- 一方的に話してしまう、または会話のキャッチボールが難しい。
- 特定のものごとへの強いこだわり、限定された興味:
- 決まった手順やルールにこだわる。
- 興味の対象が非常に限定されており、そのことについて膨大な知識を持っていることがある。
- 急な予定変更が苦手。
- 感覚の過敏さまたは鈍感さ:
- 特定の音、光、匂い、味、触感などに非常に敏感、または鈍感。
- 注意欠如・多動症 (ADHD: Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
- 不注意:
- 集中力が続かない、気が散りやすい。
- 忘れ物や物をなくすことが多い。
- 話を聞いていないように見えることがある。
- 順序立てて作業するのが苦手。
- 多動性:
- じっとしているのが苦手で、そわそわしてしまう。
- 座っていても手足を動かしてしまう。
- しゃべりすぎてしまう。
- 衝動性:
- 思いついたことをよく考えずに行動してしまう。
- 順番を待てない。
- 他の人の会話や活動を遮ってしまう。
- ※ 不注意が目立つタイプ、多動性・衝動性が目立つタイプ、両方が混在するタイプがあります。
- 学習障害 (LD: Learning Disabilities) / 限局性学習症 (SLD: Specific Learning Disorder)
- 全般的な知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の能力の習得や使用に著しい困難がある状態。
- 例えば、文字は読めるが意味が理解できない(読字障害)、文字を正確に書くことが難しい(書字表出障害)、基本的な計算や推論が難しい(算数障害)などがあります。
重要な点:
- これらの特性の現れ方は人それぞれで、非常に個人差が大きいです。同じ診断名でも、困りごとや得意なことは異なります。
- 複数の発達障害を併せ持つこともあります (例: ASDとADHD)。
- 発達障害は「スペクトラム(連続体)」として捉えられ、特性の強弱には幅があります。
- 困難を抱える一方で、特定の分野で優れた能力を発揮することもあります。
- 発達障害は病気ではなく、その人の特性です。大切なのは、本人の特性を理解し、その人に合ったサポートや環境調整を行うことです。
どういうことかというと、
冒頭の
「ヴォイドグラブ6とドラゴン2はどちらが良いの?」
という話自体が、
「ソロキューじゃどっち取るかは文脈で決まるよねー」
「まずオブジェクトへのアプローチ方法がソロキューじゃ少ないだろ」
「だからこの議論って、ほとんど意味ないよな」
という大前提で会話されるからだ。
プラチナ4以上の健常発達ならわかるのだけど、
初心者だったり重度のASDだったりすると、
これがわからないのである。
私は人数差のあるヴォイドグラブに突っ込んでいくジャングラーを、あらゆるレートで見たことがある。
ドラゴンやバロンは1体だけなのだけど、ヴォイドグラブは3体いるのでスティールできない。
なので、どうして突っ込んだのか説明責任が果たせないわけだ。
どうして健常発達はそんな会話をするのか?
健常発達の特徴というか、
不思議な点は
- 遠回しな会話で誰が偉いとかカッコいいとか、悪いとか良いとかを決める
ところである。
※ あとは人からの称賛(いいね)を求めまくる。
あなたは大昔の村人で、
人口100人ぐらいの村に住んでるとしよう。
その時に誰を排除するか(こ◯すか)をどうやって決めるかというと、
- なんとなくみんなとの日常的な会話の中で、そういった流れに持っていく
のである。
突然嫌いなヤツを排除すると、
今度は自分が危険人物として排除されるからだ。
なので普段から悪役令嬢バトルをしているわけだ。
大半の人間が噂話に敏感なのは、
- 噂話にまったく興味がない場合、自分が排除されそうになってることに気づかないから
である。
健常発達特有の不思議な癖がわからないと、
先ほど書いた
人数差のあるヴォイドグラブに突っ込んでいくジャングラーになってしまう。
健常発達は嘘しかつかないと決めつけていい。
あと、まだ来てもないパッチの話をするのが好き。
ASDでも人の話を聞かなければLOLはわかる
例えばLOLのソロキューでは
- 自分が失敗するたびにサレンダーを押す
- GGとかFF15とかチャットする
- 味方に不要なピンを連打する
こういう社会化されてないような、
機能しない人間みたいなことをするプレイヤーは、
まったく珍しくない。
「毎試合いるだろ」
というのが一般的な感想だ。
しかし彼らがカスタムで友人たちと遊んだ場合、
そんなことはしないのである。
なぜしないのか?
- グループ内での地位が1番低くなるから
と知っているからだ。
「じゃあ普段からそういうことするなよ」
となるのだけど、
醜い振る舞いを知っているからこそ、
上品な振る舞いもわかるのである。
健常発達の言葉は、
あまり真剣に聞いてはいけない。
健常発達者同士の場合、
話半分で聞いてるのが普通の姿勢だ。
私は人狼ゲームをしているから知っているのだけど、
発達障害の人は、
人の話を真剣に聴きすぎる。
専門的な人の間では、
人狼ゲームは健常発達しかプレイできないと言われているし、
私もそう思う。
ゲームに参加してプレイ自体はできるのだけど、
めちゃくちゃ浮くのである。
LOLはASDやADHD的な気質のバランスが良いほうが、
上手にプレイできるだろう。
つまり、みんなの「いいね」に反応しすぎる人は、
熱心にLOLをしないからだ。
1人でプレイするLOLはバックヤード、みんなでプレイするLOLは表舞台である。
流石に「毎試合敵味方の誰にも名誉を送らない」とかいうレベルだと、バックヤードでも許されないのだけど。
終わりに
- パッチ14.1でヴォイドグラブが実装され、序盤のドラゴン(ドレイク)に加えて新たな戦略的選択肢が生まれました。
- ドラゴンを2体確保することは、強力な勝利条件であるドラゴンソウル獲得への重要な布石となります。
- ヴォイドグラブを6体確保することは、ドラゴン2体と比較して、序盤の経験値、ゴールド、タワー破壊能力において即時的なメリットを提供します。
- ドラゴンソウルを考慮しない場合、ヴォイドグラブ6体の方が多くの点で優れていると分析されています。
- しかし、実際のソロキューの試合では、理論上の有利不利よりもドラゴンを2体確保する方が勝ちに繋がりやすいと体感される傾向があります。
- ソロキューで勝利するためには、オブジェクト(ドラゴンやヴォイドグラブ)の絶対的な優劣を議論するよりも、その場の試合状況(文脈)に応じた判断が最も重要になります。
- 試合の文脈を読まずに特定の戦術(例:ヴォイドグラブ6体絶対優先)に固執するプレイヤーは、チームにとって不利益をもたらす可能性があります。
- ドラゴンソウルは試合後半において非常に強力であり、その獲得はバロンバフ以上に勝敗を決定づけることがあります。
- 「ドラゴン対ヴォイドグラブ」のような議論は、単なる戦略比較だけでなく、プレイヤー間の暗黙知や状況判断能力を確認するコミュニケーションの側面も持ちます。
- プレイヤーは匿名性の高いソロキューと友人とのプレイでは、社会的な影響の違いから異なる振る舞いをすることがあり、コミュニケーションは常に額面通りに受け取るべきではありません。
さて、「ドラゴン2体 vs ヴォイドグラブ6体、ソロキューではどちらが強いのか?」という、一見すると単純な戦略比較から始まった今回の話。
結論として「その議論自体にあまり意味はない、なぜなら文脈が全てだから」という、少々禅問答のようなところに落ち着きました。ヴォイドグラブがもたらす序盤のテンポとゴールド、タワー破壊力。ドラゴンが繋ぐ先にある、試合を決定づけうるドラゴンソウルという終着点。どちらも魅力的であり、どちらを選択すべきかは、その試合の構成、流れ、そして敵味方の動きによって刻一刻と変化します。
本文で少し触れたように、この「どちらが絶対的に正しいか」という思考停止こそが、ソロキューのランクを上げる上での障害になりがちです。そして、そうした思考の硬直性や、遠回しなコミュニケーションの機微を読み取れないことが、時にゲームプレイにおける大きな溝を生むのかもしれません。
結局のところ、LoLは対人ゲームです。統計データやセオリーはもちろん重要ですが、それ以上に「今、この状況で、味方と敵は何を考え、どう動くのか」を読み解き、最適解を導き出す能力が求められます。それは、単なるオブジェクトの選択を超えた、より深いゲーム理解と言えるでしょう。
この話が、あなたのLoLライフにおいて、オブジェクト選択や味方との連携について、ほんの少しでも新たな視点をもたらすきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
LoLでドラゴンとヴォイドグラブのどちらが良いかといった議論。
これは、しばしば客観的な戦略比較というよりも、
「自分はLOLをよく理解している」
と示したい欲求の表れに過ぎないことがある。
一種の「わかってる感バトル」と言えるだろう。
※ もちろん健常発達は、このわかってる感バトルが大好きで、一生こういうことをしている。
趣味の社会学では、
このような集団内での暗黙の価値観
- ――何がカッコよくて、何がそうでないか――
を「場」と呼ぶことがある。
初心者は、定義上、
この「場」の空気を読むことができない。
もし読めているなら、
それはもう初心者ではない。
そして問題なのは、この
「わかってる感バトル」
を、文字通りの真剣な戦略議論だと
受け取ってしまう人々がいることだ。
初心者や、(場の空気を読むことに困難を抱える)発達障害のある人などが、
そうした傾向にある。
彼らは、その議論が持つパフォーマンス的な側面や、
暗黙の了解といった「場」のニュアンスを捉えるのが難しいため、
言葉を額面通りに受け取ってしまうのだ。
結果として、こうした議論は「場」を理解しているかどうかで
人々を線引きしてしまうことにも繋がる。
そして健常発達は、
この線引き行為が大好きなのである。
例えばLOLの場合、
「自分のランクよりも1つ下のプレイヤーは何もわかってない」
みたいな論調で話すプレイヤーを、
私は何千人と見てきた。
自分がマスターだったら、
「ダイヤモンドのプレイヤーってヘタクソすぎるわ」
という感じである。
おまけ わかってる感バトルの一例
終わりに書いた「ランク線引き」の話の続きを書く。
この場合に基準となるのは
- 自分のいる位置の1歩下に線を引く=健常発達特有の線引き
である。
とりあえず、上と同じパターンは避けたい。
デフォルト健常発達の動きなのだけど、
若干の芋臭さが出てしまうからである。
私の場合は
- 「プラチナ4あったら上手」
- 「それだけあればLOLプレイヤーを名乗っても誰も文句は言わないだろう」
という感じにしている。
シルバーやゴールドだと、
ちょっと狙いすぎな感じが出てしまうので、
昔のゴールド4と同じプラチナ4を基準にしてるわけだ。
APEXと違って、
プレイ初日にゴールドになれるゲームでもないし。
ベンチプレスでも似たような話がある。
普通体型の男性が自己流でやる場合、
MAX70~80キロで止まるそうだ。
※ プロのトレーナーが言ってる。
なのに
- 「100キロ上がったら初心者卒業」
とか言っちゃう人が多いのは、
やはり健常発達特有の
- 「自分は100キロ上がるんだぞ」
ということを、
遠回しにアピールしたいだけなのである。
もちろん目の前でそういうことを言う相手がいたら、
なるべく褒めてあげるようにしよう。
LOLのソロキュー時なら、
延々こきおろして構わない。
相手をボコボコにして優越感に浸る。
それが対戦ゲームの基本であるからだ。