上位1%未満の試合、
つまり99%の試合では、
- チャンピオンのピック率は強さと全く関係ない
という話を書きます。
アイテムのバランスなどもありますが、
今回はチャンピオンのバランスだけ書きます。
この記事はパッチ12.15の時に執筆されました。
昔のバランス調整
- プラチナ以上のプレイヤー向けに調整していた
- 新チャンピオンは強めに調整していた
1 実際は他の理由でも調整していたので、
運営チーム内で
「なんか一貫性ないよね」
みたいになったらしい。
2 習熟曲線(LOL用語)といって、
最初は下手だけど、
プレイするうちに上手になる。
というデータのことです。
つまり
「最初はうまく動かせないから強く調整しよう」
というわけですが、
データは所詮データ。
上手なプレイヤーはすぐに覚える
次の2種類のチャンピオンがいたとします。
- 刺し身の上にタンポポを乗せるチャンピオン
- 実際に難しいチャンピオン
実際に100回使うと上手になる、
というデータがあるチャンピオンがいたとします。
しかし
- 上手な人は2回で覚える
もっと簡単に言うと
「俺がどれだけLOL上手いと思ってんだよ、一般人とは積み重ねが違うンだわ」
というわけで、
- 上位0.1%の試合
- プロの試合
だと
- 新しく実装されたチャンピオンが毎回ピック or バン
「ソレってゲーム的にどうなの?」
となります。
今のバランス調整
- 4つのプレイヤー層、全てでバランスを取っている
- 新チャンピオンは長期的にバランスが取れるように調整
1 このブログの記事もそうなんですが、
初心者向けすぎるのもアレだけど、
初心者をほったらかしにしすぎても良くないでしょう。
バランス良く調整するには、
- プレイヤー層を4つに分ける
- 基準を決める
という風にしたそうです。
2 新チャンピオンを強く実装するのは、
あまりにも話にならないアプローチだったので、
なくなりました。
「ソシャゲの新ガチャじゃねーんだぞ」
とね。
4つのプレイヤー層
平均的なプレイヤー
平均的なプレイヤーとは、
- 上位10%未満の全プレイヤー
のことです。
ここでは
- バン率の低い、勝率54.5%のチャンピオンをナーフ
- バン率の高い、勝率52.5%のチャンピオンをナーフ
- 勝率49%のチャンピオンをバフ
- 強すぎるチャンピオンの定義は緩い
ずっとほったらかしにされていたLOLのガン、
マスター・イーが延々とナーフされているのも、
このせいでしょう。
最近だとベル=ヴェスが思ったより平均レートで強く、
ナーフされていました。
仕組み的に開発チームの腕前が平均なわけがないので、定義はやはり緩くなる。
高スキルプレイヤー
- バン率の低い、勝率54%のチャンピオンをナーフ
- バン率の高い、勝率52%のチャンピオンをナーフ
- 勝率49%のチャンピオンをバフ
- 強すぎるチャンピオンの定義は厳密
平均プレイヤー層と似たような調整の仕方です。
ただこのレートで強すぎるチャンピオンは、
必ず調整が入るのが違いです。
エリートプレイヤー
ソロキュー上位0.1%のプレイヤーを、
エリートプレイヤーと呼びます
あるいは上位0.1%の試合を、
エリート層の試合と呼びます。
サンプルデータが少ないので、
プレゼンス(Presence、登場率)という概念を使います。
プレゼンスは、
ピック率とバン率を足したものだそうです。
凄く重要な文章を引用しておきます。
データの有無にかかわらず、これらのプレイヤーはゲームを隅々までマスターしているために、各チャンピオンのパワーレベルはチャンピオン選択に正確に反映されると考えられます。
/dev:チャンピオンバランスの基本的な枠組み
そのため、パワーレベルを判断するにあたっては、バン率に加えてピック率を参照します。
逆に、ソロキューの他のティアではピック率を強さの指標としては用いていません。
- バン率45%をナーフ
- プレゼンス5%をバフ
いっぱいバンされるとナーフされる。
全然使われないとバフされる。
プロプレイヤー
上位5リーグなので、
日本は含まれてないそうです。
- 現状のパッチでプレゼンス90%をナーフ
- 複数のパッチで連続してプレゼンス80%をナーフ
- プレゼンス5%をバフ
パッチ12.15だと、
カリスタが一生プロリーグに出てくるので、
ADが3も下がりました。
強すぎるチャンピオンの定義
- 平均
- 高スキル
- エリート
- プロ
で、1つでも上限を越えているチャンピオン。
弱すぎるチャンピオンの定義
- 平均
- 高スキル
- エリート
- プロ
で、1つでも下限を下回っているチャンピオン。
チャンピオンバランス調整から学ぶもの
フレームワーク
- チャンピオンバランスのフレームワークを作成する
- それに当てはめて調整する
やはりこういった考えが、
場当たり的な対応をしなくていいので、
認知コストが低くて済むし、
ノウハウを積み重ねられる。
となります。
GTDなどのタスク管理も、
こういった考えです。
私もLOLの試合やブログ記事も、作成したフレームワークに当てはめています。
上位0.1%未満の試合のピック率は無視する
- エズリアルとリーシンは面白い
- みんながやっていることは正しいと思う本能がある
1 エズリアル面白すぎる。
2 高名なロバート・チャルディーニによると、
実際に正しい可能性が高いからです。
しかしLOLは対戦ゲームなので、
最強戦法みたいなのは特に存在しません。
※ 存在するのであれば、人気のある対戦ゲームになってない。
問題は
- ピック率が高い=強いと思っている場合
LOLだと5時間ぐらいDiscordで説教されます。
このみんながやってるから正しい、
という発想が悪くない場合とは、
「オフ会で着ていく服を持ってない人が、新しく服を選ぶ場合」
こういった場合でしょう。
特別にオシャレじゃないのであれば、
とにかく無難であれば良い。
※ 勝つ必要がない。
しかしLOLの場合だと、
- ピック率が高い=強いは、プレイヤーとしての基準を満たしていない
となります。
ちなみに
- エズリアルはレートの低い試合ほど勝てる
- リーシンはレートの低い試合ほど勝てない
なかなか面白いところです。
実際の統計ではリーシンほどじゃないけれど、エズリアルの勝率も低い。
平均プレイヤー層は緩い
- 全然ゲームを理解していない=平均プレイヤー
- ある程度ゲームを理解している=高スキル
特別に知的な訓練を受けていない人の場合、
全然わからないけれど、
心の底から理解したつもりになってしまう。
それ自体は全然悪いことではないですが、
とりあえず人間には、
そういった習性があります。
終わりに
- 開発チームは4つのプレイヤー層を作った
- 上位1%未満でのピック率は、強さの記号として認識されていない
- 上位1%未満では、BAN率の低いチャンピオンは強い(かもしれない)
ハイマーディンガーはBAN率が低いので、
この勝率でもパッチが当たっていない。
マスターイーはシルバー帯では常に最強なので、
よくパッチが当たる。
ブランド、ザイラ、ゼラス辺りは、
中々良い調整っぽい。
色々なことがよくわかるでしょう。
ハイマーディンガーが強いのは、
ジャングラーが最初にスマイト当てないのもあるけれど、
レーナーがどんなに不利でも
スマイトやテレポートを持っていかないから。
- みんながやっていることは正しい
というバイアス(思い込み)は
- みんながやってないことは間違い
というバイアスに等しいです。
関連記事など
公式の読み物は結構面白いですが、
検索しにくいので、
あんまり読まれてないように思われます。
おまけ【ハイスキルという単語について】
公式のページでは、
高スキルをハイスキルと翻訳してるページがありました。
英語だと高スキルの部分は、
skilledとなっていました。
日本語だとハイスキルと言うと、
レベルが高いようなニュアンスがありますよね?
次の例はハイスキルではなく
ハイレベルですが、
実際の英語だと
- ハイレベル=マクロ的(大まか)な
- ローレベル=ミクロ的(細か)な
という意味合いでも使われるそうです。
このブログでいうと、
ビルドガイドは初心者向けですが、
ハイレベルな記事とも言えます。
マッチアップの記事は、
上級者向けですが、
ローレベルな記事とも言えます。
ハイスキルというと、
レベルが高いではなく、
大まかなスキルとなるかもしれません。