広告 考察記事

なぜLOLで停滞感を感じ、内言が悪化するのか?【LOLでみんながメンタル連呼する理由】

ここ数年というもの、
私は意識的に他のゲームを遠ざけ、
LOLの世界に没頭してきた。

理由は単純明快、
他のゲームに費やす時間がないからである。

こういった文章執筆など、
LOL以外のこともするからだ。

しかし、かつての私を知る人は、
私が様々なゲーム遍歴を持つことを知っているだろう。

中でも格闘ゲームには並々ならぬ情熱を注ぎ込み、
今でもそのコミュニティでは、
それなりの存在感を示していると自負している。

ゲームの世界において、精神的な強さ、
いわゆる

「メンタル」

が重要な要素であることは言うまでもない。

だが、LOLにおける

「メンタル」

という言葉の使われ方には、
どうも他のゲームとは一線を画す、
独特のニュアンスがあるように感じられてならない。

LOLのゲームシステムは、
一部の例外的なチャンピオンを除けば、
操作自体は比較的シンプルだ。

それ故に、技術的な差がつきにくく、
勝敗を分ける鍵は、プレイヤーの精神面、
すなわち

「メンタル」

に大きく依存することになる。

加えて、一試合に要する時間の長さ、
そして、たった一度のミスが命取りになりかねないという緊張感が、
プレイヤーに重い精神的プレッシャーとしてのしかかる。

最終盤にマルファイトのRを受けて、
そのまま試合が終わってしまった時の後味の悪さ。

LOLプレイヤーなら誰しも経験したことがあるだろう。

この記事はパッチ25.04の時に執筆されました。

人狼ゲームとの比較で浮き彫りになるLOLの特性

ここで、LOLの特性をより深く理解するために、
「人狼ゲーム」を例に考えてみたい。

人狼ゲームは、1ゲームあたり1~2時間という長丁場でありながら、
興味深いことに、どんなに経験の浅いプレイヤーであっても、
勝率はおおよそ50%程度に落ち着く。

※ 厳密には、村人陣営の人数が多いため、勝率はもう少し高くなる。

この現象は、人狼ゲームが多分に運の要素を含み、
さらに、チーム全体の勝敗が、
必ずしも個々のプレイヤーの能力にのみ左右されるわけではない、
という性質に起因する。

LOLもまた、チーム戦である以上、
個人の力だけで勝利を掴み取ることは困難だ。

しかし、人狼ゲームとは決定的に異なる点がある。

仮に、熟練したLOLプレイヤーがサブアカウントを使い、
ランク戦をプレイしたとしよう。

その場合、勝率が60%に達しただけでも、
そのプレイヤーは自身の圧倒的な強さを実感するはずだ。

※ 私はいつもする。勝率60%は150回やって90回も勝ってるからだ。

この事実が示すのは、LOLにおいては、
勝率のわずかな差、それこそ数パーセントの違いが、
プレイヤー間の実力差を如実に、
そして大きく反映するということである。

人狼ゲームは勝っても負けても運というか、周りにカッコいい態度を見せたり、ウケを狙うのがメインのゲームである。

LOLにおける「メンタル」とは何か?

では、LOLプレイヤーが頻繁に口にする「メンタル」とは、一体何を指すのだろうか?

それは、単なる精神的な強さ、根性論といった言葉では括れない、より多面的で複合的な能力を意味している。

彼らが言う「メンタル」には、少なくとも以下の要素が含まれていると言えるだろう。

  • 不確実性への耐性: 試合中に起こる予想外の展開、味方のミス、あるいは圧倒的に不利な状況…。そういった、あらゆる不確実な要素を受け入れ、それでもなお冷静さを保ち続ける力。
  • 感情のコントロール: 怒り、焦り、絶望といったネガティブな感情に飲み込まれることなく、常に最善の行動を選択し続ける力。
  • 自己分析と改善: 自分のプレイを客観的に、そして批判的に評価し、そこから学びを得て、成長へと繋げる力。
  • コミュニケーション能力: 味方と緊密に連携し、必要な情報を的確に共有し、チーム全体を勝利へと導く力。

これらの要素を、より包括的な言葉で表現するならば、
「プレイマナー」という言葉に集約されるかもしれない。

そして、これら全てが複雑に絡み合い、
相互に作用しあって初めて、「強いメンタル」が形成される。

LOLは、まさにこの「メンタル」を極限まで試される、
過酷な競技場なのだ。

ところで、どうすればメンタルが強くなるのか?

逆に強い必要はあるのだろうか?

私が考えるのは

  • メンタルは悪かったり弱かったり、マイナスになってなければいい

ということだ。

私はコーチングを有料でしているが、
何を教えているか知っているだろうか?

LOLに限らず、物事に勝つ方法だ。

負けると内言が悪化するからである。

LOLの試合に負けるのは問題ではない。他人に負けるのが問題だ。

LOLで内言が悪化しやすい理由

LOLに熱中するあまり、
ついネガティブな独り言が増えてしまう…。

覚えのあるプレイヤーも少なくないだろう。

なぜ、LOLはこれほどまでに、
私たちの内なる言葉を蝕んでしまうのか?

その理由として、主に以下の点が挙げられる。

LOLというゲームの特性

身体への悪影響:

LOLに限らず、eスポーツ全般に言えることだが、
長時間座りっぱなしの姿勢は、どうしたって体に良いわけがない。

動画編集や文章執筆といった、
他の知的生産活動と同様に、健康上のリスクを伴う。

高レート帯における対戦の過酷さ

LOLの操作自体は比較的シンプルである。

しかし、一定以上のレベル、特に高レート帯に到達すると、
対戦相手も当然のように基本操作を完璧にこなしてくる。

技術的な差がつきにくい状況下で、
勝利をもぎ取るためには、
精神的な消耗が避けられない。

空間把握能力およびその他の要求

LOLを含む多くのスポーツ、
あるいは競技においては、
俯瞰的な視点、いわゆる

「空間把握能力」

が勝敗を大きく左右する。

ところが、悲しいことに、
アイテムやルーンの効果すら
まともに理解していないプレイヤーも存在する。

そういったプレイヤーは、ランクマッチにおいて、味方の足を引っ張る存在となり、
結果として、心無い暴言を浴びせられ続ける。

敗北が引き起こす心理的メカニズム

連敗、あるいは不本意な負け方をした時、
私たちの内面では、以下のような心理的メカニズムが複合的に作用し、
ネガティブな内言を生み出しやすくする。

自己評価の低下

  • 自己肯定感の喪失:「自分はダメな人間だ」
  • 有能感の喪失:「どうせ自分にはできない」
  • 自己効力感の低下:「やっても無駄だ」

感情の乱れ

  • フラストレーション:「なんでうまくいかないんだ!」
  • 失望:「やっぱりダメだった…」
  • 不安:「また失敗するのではないか…」
  • 悲しみ:「もうどうしようもない…」

認知の歪み

  • 過度の一般化:「いつもこうだ」「どうせ次も…」
  • 拡大解釈と過小評価:「自分には良いところが何もない」
  • 個人的帰属:「全て自分のせいだ」
  • 白黒思考:「完璧にできなければ意味がない」

防衛機制

  • 合理化:「今回は運が悪かっただけ」
  • 投影:「味方が悪い」「敵が強すぎる」
  • 逃避:「もうLOLなんてやりたくない」

学習性無力感

過去の失敗経験から「何をしても無駄」と諦めてしまう。

教えるのが1番難しいのは、学習性無力感があるタイプの人間だ。

平日の昼間のLOLは「地獄」

LOLに限らず、あらゆる物事において、
成果を左右するのは「集中力」である。

研ぎ澄まされた集中状態は、我々を精神的な不調から守る、
一種の防壁としての役割さえ果たしてくれる。

しかしながら、世間一般のゲーマーに対するイメージは、
残念ながら芳しいものとは言えない。

「口を開け、半ば放心状態でゲームに没頭するドーパミン中毒者」

―――そういったステレオタイプな見方が、
未だに根強く残っていることも事実だ。

ただ、ひとくちに「ゲームに熱中する」と言っても、
そこにはいくつかの種類がある。

例えば、学校や仕事で十分に頭と体を使った後、
その日の疲れを癒やすために、
リラックスしてゲームを楽しむ。

これは、健全な余暇の過ごし方と言えるだろう。

問題は、特に他にやるべきこともなく、平日の昼間から、
ただぼんやりとゲームに時間を費やしてしまうケースだ。

こうした時間の使い方は、
よほど特殊な価値観を持つ人でもない限り、
自己肯定感を低下させ、
ネガティブな内言を増幅させる要因となりやすい。

強いて肯定的な側面を挙げるならば、LOLの日本サーバーにおいて、平日の昼間はマッチングに時間がかかる傾向がある。
大半の人間は「昼間のゲームは体に悪い」ということを知っているのかもしれない。

トップとミッドは同じレートの他ロールに比べて上手

LOLのトップレーンやミッドレーンで、
高い技量を持つプレイヤーに目を向けてみよう。

彼らに共通するのは、
無謀なプレイを避け、
常に「負け方」を意識しているという点だ。

つまり、リスクを計算し、
最悪の事態を想定した上で、戦略的にゲームを進めているのである。

どういうことかというと

  • 有利不利があるので、勝ち方だけでなく、負け方を考えることも多い

ジャングラーはダイヤモンドになっても、
人数差のあるヴォイドグラブ戦に突っ込んでいく。

あるいは、いきなり一人で殴りだして、
ノクターンのRを食らう。

とても同じ部屋のプレイヤーとは思えない。

ジャングラーが下手な理由は他にもあるのだけど、
やはり

「仕組み的に負け方を考えることがない」

というのが大きいと思う。

「私の私生活と一緒だな」

と思った。

失敗した1日を考えなければ、
成功した1日もわからないはずだ。

だから上達しない。

LOLはバックヤード

多くのプレイヤーにとって、
LOLは一種の「バックヤード」。

言い換えれば、普段は人目に触れない、
自分だけの秘密の空間なのだ。

そこでは、社会的な仮面を脱ぎ捨て、
普段は抑圧している感情や本能を、思う存分に解放することができる。

だからこそ、ゲーム内のチャットやプレイは、
時に過剰なまでに攻撃的、あるいは好戦的になるのだろう。

現実世界では決して見せることのない、
剥き出しの闘争心が、そこには渦巻いている。

「私は普段、こんな言葉遣いをし、こんな風にゲームをプレイしています」

と、胸を張って他人に公開できるプレイヤーが、
果たしてどれだけいるだろうか?

おそらく、そう多くはないはずだ。

私がアカウントを人に見せない主な理由でもある。

「肉蝮伝説の肉蝮みたいにプレイしている」

と書くことは多いが、
実際には見せられない。

スポーツ全般は、人間が根源的に持つ「戦い」の本能を満たすための、代替手段である。

「適正レート」の罠

一般的に「適正レート」という言葉に、負の響きはない。

しかし、この言葉の裏には、見過ごせない現実が潜んでいる。

レーティングシステムにおける「適正」とは、
裏を返せば、それ以上の上昇が見込めず、
停滞している状態を指すことも多い。

そして、そういった「適正レート」に甘んじているプレイヤーは、
意図せずして、
毎試合のように味方の足を引っ張ってしまっている可能性があるのだ。

平均的なプレイヤーであれば、遅かれ早かれ、
どこかのレート帯で成長が止まる。

そして、勝てない、
あるいは勝っても喜びを感じられない…
常に「負けている」という感覚に苛まれることになる。

こうしたプレイヤーに共通してみられる特徴は、
その「試合回数の多さ」だ。

MMORPGのようなジャンルであれば、
プレイ時間は長ければ長いほどいい。

しかし、ことスポーツ、
あるいはeスポーツの世界においては、
「量」よりも「質」が圧倒的に重要となる。

仮に、1日にLOLを10試合もこなしているプレイヤーがいるとしよう。

それは、裏を返せば、
10試合を消化できる程度の負荷、
つまり、無意識のうちに、成長に繋がらない、
楽なプレイを選択している可能性を示唆している。

真の上達を目指すのであれば、
その時間を、
他の活動に振り分けた方が賢明である場合も少なくない。

あなたが男性でも女性でも、
私のおすすめは体を鍛えることだ。

オリンピックの金メダリストのようなトッププロでも「集中して練習できるのは5時間まで」と言われている。

LOLにおける停滞感の根本原因

突き詰めれば、LOLにおける停滞感の根本原因は、
LOLそのものにあるのではないだろうか。

少なくとも、プロゲーマーとして生計を立てているのでもない限り、
多くのプレイヤーにとって、それは当てはまるはずだ。

最初は誰もが、より高いランク、
より華麗なプレイを目指し、夢中でLOLに取り組む。

しかし、ある程度のレベルに到達すると、どうだろう?

それまでのような熱意を持って、
日々の練習や研究に時間を割けなくなる。

そして、気づけば、成長曲線は停滞し、
いつしか、それが当たり前になってしまう。

考えてみてほしい。

一般プレイヤーにとって、
LOLをプレイすることで得られるものは、
一体何だろうか?

確かに、気の合う仲間との出会いや、
一時的な達成感はあるかもしれない。

しかし、それ以上の何か―—例えば、金銭的な報酬や、
社会的な名声といった、目に見える形でのインセンティブは、
ほとんど存在しない。

それどころか、むしろ、敗北による劣等感、
思うように上達しないことへの焦り、
そして、ネガティブな内言の増幅……。

そういった、負の感情に苛まれることの方が、
はるかに多いのではないだろうか?

これは、本当に「成長の壁」なのだろうか?

それとも、LOLというゲームが持つ、ある種の限界、
あるいは、私たち自身のLOLとの向き合い方に、
問題があるのだろうか?

終わりに

  • LOLの「メンタル」の特殊性: LOLにおける「メンタル」は、単なる精神的強さではなく、不確実性への耐性、感情コントロール、自己分析と改善、コミュニケーション能力を含む複合的な能力を指します。
  • LOLの競技性の高さ: LOLでは、勝率のわずかな差がプレイヤー間の実力差を大きく反映するため、精神的なプレッシャーが大きいゲームです。
  • LOLにおける内言悪化のメカニズム: LOLは、ゲームの特性(身体への悪影響、高レート帯の対戦の過酷さ、空間把握能力の必要性)と、敗北が引き起こす心理的メカニズム(自己評価の低下、感情の乱れ、認知の歪み、防衛機制、学習性無力感)により、内言が悪化しやすいです。
  • 不健全なゲームプレイの問題点: 特に目的もなく平日の昼間からLOLをプレイすることは、自己肯定感を低下させ、ネガティブな内言を増幅させる要因となります。
  • トップレベルのプレイヤーの思考: トップやミッドの熟練プレイヤーは、無謀なプレイを避け、「負け方」を意識し、リスクを計算して戦略的にゲームを進めています。
  • LOLの「バックヤード」的側面: LOLは多くのプレイヤーにとって、普段抑圧している感情や本能を解放できる、秘密の空間(バックヤード)としての側面を持っています。
  • 「適正レート」の罠: 「適正レート」という言葉は、成長の停滞を意味し、毎試合のように味方の足を引っ張っている可能性があるという問題を内包しています。
  • 量より質の重要性: LOLの上達には、プレイ時間の「量」よりも、練習の「質」が重要であり、1日に何試合もこなすのは、成長につながらない可能性があることを意識することが大切です。
  • LOLにおける停滞感の根本原因: 多くのプレイヤーにとって、停滞感の原因はLOLそのもの、あるいはLOLとの向き合い方にある可能性が高いです。
  • LOLとの健全な向き合い方の必要性: LOLで真に上達し、健全な精神状態を保つためには、ゲームの構造や自身のモチベーションを理解し、LOLとの適切な距離感を見つけることが重要です。

今回の記事で個人的に1番良かったのは、

「トップとミッドは負け方を考える機会が多い」

という点だろう。

人生が不調な時、

最近は不調だし全然人生が面白くないから、私生活ではコレとコレをするぐらいにしておこう」

みたいに考えたことが、
一度でもいいからあっただろうか?

最後に、LOLのランク戦で勝ちたいと願うあなたに、
とっておきのアドバイスを授けよう。

  • ランク戦で2連敗したら、まずはプレイを中断し、部屋を見渡してみる
  • もし散らかっているようなら、迷わず掃除を始める

理由はわかるはずだ。

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