- 苦手なことを話そうとしない消極的な態度が、物事を理解できない原因の1つ
この事象を上手に説明できる話を思いついたので、
その話を書く。
中国武術的ファンタジー作品を「武侠」と呼ぶ。
五等爵がわからないと、
なろう小説が読めないのと同じで、
まずは武侠の簡単な設定から説明する。
この記事はパッチ13.24の時に執筆されました。
武侠作品ってなに?
- 中国武術的ファンタジー作品
日本人は中世ヨーロッパ的な世界が好きなので、
面白そうな漫画のタイトルを見て開いたら
「うわっ、武侠だ」
ってなって閉じる。
私も「笑傲江湖」は読んだけれど、
面白いと感じたのは最近になってからだ。
※ あの有名な「東方不敗」は笑傲江湖で1番強いキャラクター。
面白いと思ったきっかけは、
武侠の世界観を理解したからである。
武侠グランドセオリーとでもいうだろうか。
グランドセオリー=あらゆる領域に適応できる理論
武侠用語
- 武林
- 正派=白道
- 邪派=黒道=魔教
1 武術界という意味。
2 倫理観を大切にする武術界の人達のこと。
基本的に正派と呼ばれることが多い。
3 倫理観を気にしない武術界の人達のこと。
邪派よりは魔教と呼ばれることが多い。
用語は他にもあるけれど、今回の記事では2と3だけ覚えれば読める。
正派と魔教
結局武功や陣法の違いってのは、世とどう対峙するかっていう姿勢の違いからくる。
世を広い心で受け入れようとするのは概ね正派、世に背いたらそれが魔教だ。
つまり正派の武人は己の体を「世を受け入れる器」にするために精進し、魔教人は己の体が「世を裂く爪」になるよう磨く。
死して生きるSSS級ハンター 61話
死して生きるSSS級ハンターは武侠作品ではない。
「俺だけレベルアップな件」に近い。
物語の途中で、
武侠小説の世界に入るシーンがある。
そこでこういった説明を、
物語序盤から主人公に取り憑いている、
”剣帝”と呼ばれる幽霊から受ける。
正派「世を受け入れる器」
簡単に言えばこうだ。
上から下への上段斬り。
これは正派のある流派では虎が飛びかかる姿を模したとして「虎勢の剣撃」と呼ぶ。
まあ実際は虎だろうが牛だろうがどうでもいい。
武功の創始者開派祖師がどんな悟りを得たかによって招式なんて千差万別だからな。
とにかく虎か牛を少しでも「真似る」ってことが重要になる。
死して生きるSSS級ハンター 61話
現代の虎とはなんだろう?
おそらくメインストリームのことだ。
メインストリームとは主流という意味で、
例えば現代社会だと
- クラスで人気者になる
- テストで良い成績を出し続ける
- 大学まで教育を受けて、ボーナスが出る企業に就職する
こういったことだ。
正派とは、このようなものである。
人間は
- メインストリームに はまっていると感じると元気になる
- メインストリームから外れていると感じると元気がなくなる
立派な本を引用するまでもなく、
誰でもわかることだ。
人間は社会的な生き物である。
魔教「世を裂く爪」
だが魔功ってもんは違う。
魔教では招式を教える時こう説明する。
盗賊に斬られた時の怒りを思い出せ。
どっかの偉い奴に妹を連れ去られたとして、その時の感情を呼び起こせ。
為す術もなかった己の無力さを片時も忘れるな。
役場の前で一晩待つも、遺体となって帰った妹の死に顔を頭に刻み込め。
その遺体を1人で葬った時の状況を思い出せ。
そう 冬だった地面が凍てつき、さぞ掘りづらかっただろう。
硬く凍った地面を、なんとか掘り進めたではないか。
爪が割れ、血が流れ、一尺にもならない穴に妹を横たえ土をかぶせた。
あの土の感触を思い出せ。
血まみれになった手で剣を握れ。
己の無力さを嘆き、世の残酷さを怨め。
死して生きるSSS級ハンター 61話
私は上のシーンを見た時、
「なんてかっけぇんだ魔教」
と思ったと同時に、
武侠の世界観を理解した。
「正派と魔教は世の中に対する姿勢で、現代社会の人と同じだな」
って。
- 自分が正派か魔教どっち寄りか?
それがわからないと、
武侠作品を楽しむことができないのだと。
SSS級ハンターでは「魔教のほうが内功の出力の関係で少し強い」と言っていた。
笑傲江湖でも東方不敗が最強だ。
実際の正派と魔教 LOL編
メインストリームの観点から言えば、
LOLに限定すると
- 正派 上位10%以上(エメラルド3以上)の人
- 魔教 上位10%未満(エメラルド3未満)の人
になる。
理由は
「たくさんのプレイヤーを観察して、そう思ったから」
というだけだ。
LOLを何年もしているのに下手な人の共通点は、
- 自分の考えを他人に述べる機会がない人
この場合はLOLが下手なので、
つまり
- 自分のLOL観を他人(普通は友人)に述べる機会がない人
となる。
LOLのシルバー4は実際そこまで下手じゃない
私がこの間、Adobe Premiere Proという
動画作成ソフトのチュートリアルをした時の話をする。
チュートリアルとは、
初心者入門部分を指す。
仕組み的に実際に何かを動かしながら覚えていく、
そういう手法だ。
※ そうじゃないと初心者は覚えられない。
チュートリアルの仕方がわかるまで、
1時間30分かかった。
私のPremiere Proに比べれば、
シルバー4は自分の考えを人に述べられるレベルのはずだ。
とりあえず心理的な問題、
あるいは友人や機会に恵まれないのだろう。
能力的な問題でLOLが語れない人は、なかなか存在しない。
レベル30になるだけでも、長いプレイ時間が必要だからだ。
正派と魔教 現代社会編
私は男性なので、
女性視点はわからない。
なので男性視点の話をしよう。
男性の場合
- 正派 日々の生活に過度な不満がなく、収入があること
- 魔教 日々の生活に過度な不満があり、収入がないこと
収入がなくても不満がない賢者もいるのだけど、
一般的に こういった傾向がある。
なぜこうなっているのかは、
先程のLOLと同じだろう。
- 人に語る機会がない、あるいは少ないから
世の中にはライフハックというものがあるが、
アレ自体は実際どうでもいいことだ。
何を真似しても大した効果は出ない(断言)。
ただライフハックの話を誰かとする機会がある人は、
どんどん人生が上向きになりやすい。
そういう話をする機会がない人とは、
LOLでいうと
- ルーンとアイテムを全てオススメから買う人
対戦ゲームなので当然ボコられる。
人生も対戦ゲームなので、
同じようにボコられるわけだ。
「ルーンとアイテムを全てオススメから買う人」に対して手練のプレイヤーが思うことは、
どちらかというと「そんなヤツに負けるわけねえ」ではなく「それで上達するヤツいたら凄いよ」である。
LOLの正派は、私生活では魔教である
- LOLの魔教は、私生活では正派である
と言ったほうが、
人によってはわかりやすいだろう。
それにこちらのほうが、
大勢の人に対して失礼がない言い方だ。
- それなりの生活をしてきて、大人になってからLOLを初めた
こういう人は意外と多い。
家庭での育て方によって、
その後の学校生活は馴染むことができた。
しかしLOLには馴染むことができない。
理由はいくつか考えられるけれど
- LOLはレートの低い試合ほど苛烈に感じる
- LOLは慣れてないプレイヤーほど1試合のコストが高い
- LOLプレイヤーの大半は正派じゃない
こういった理由が挙げられる。
世を裂く爪になろう
共通の問題点は
- 人間は自分の苦手なことは、他人に話そうとしない
この傾向だ。
この傾向が強いほど、
新しいことは覚えられないことになる。
今の世の中、
「新しいことを覚える必要はない」
という人は少ないだろう。
新しいことを覚えたり、
得意なことを増やすには爪っぽさが必要だ。
ちなみに一般的な男性の会話は、お互い一方的に話したいこと話すだけ。
終わりに
- 正派はメインストリームに はまっている人
- 魔教はメインストリームから外れている人
- 正派の武人は己の体を「世を受け入れる器」にするために精進する
- 魔教人は己の体が「世を裂く爪」になるよう磨く
- 苦手なことを話さない消極的な態度は、「世を裂く爪」っぽくない
人生のあらゆることは闘争であるらしい。
人間はメインストリームから外れていると感じると、
元気がなくなるのだが、
- メインストリームから外れている
- 己の体が「世を裂く爪」になるよう磨く
1よりも2の解釈のほうが、
ずっと楽しめるだろう。
とりあえず正派でも魔教でも、
人間関係と良い食事は大切だ。