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「教えすぎ」が招く停滞感:インナーゲーム理論で解き明かす「セルフ1」と「セルフ2」

なぜ、練習すればするほど、
あるいは教えられれば教えられるほど、
かえって上手くいかなくなることがあるのだろうか。

スポーツ、学習、仕事、あるいはゲームに至るまで、
私たちはしばしばこのようなジレンマに直面する。

良かれと思ってのアドバイスや、
自己分析が逆に自分を縛り付け、
パフォーマンスを低下させてしまう——。

この

「オーバーインストラクション(教えすぎ、教わりすぎ)問題」

とも言える現象は、
多くの人が一度は経験したことがあるのではないだろうか。

この記事では、そんな私たちの内側で起こっている目に見えない戦い、
すなわち

「インナーゲーム」

という概念に焦点を当てる。

インナーゲームとは、私たちの中に存在する

「思考する自己(セルフ1)」

「行動する自己(セルフ2)」

の葛藤であり、不安や自己批判といった

「内的妨害」

がいかにして私たちの持つ本来の力を損なっているのかを
解き明かすものである。

「どうしてそうなるのか?」

という根源的な問いから出発し、
パフォーマンス向上の鍵となる

  • 「P=p-i」の公式

そして内的妨害を減らし、
より自然体で高いパフォーマンスを発揮するための
具体的なテクニックや考え方を探求する。

LOL(リーグ・オブ・レジェンド)の例えを交えながら、
インナーゲームを理解し、
それに打ち勝つことで、
あなた自身の可能性を最大限に引き出すヒントを見つけていく。

1. インナーゲームとは? - 起源と背景

教えれば教えるほどパフォーマンスが低下する、
これは

  • 「オーバーインストラクション(教えすぎ、教わりすぎ)問題」

というヤツだ。

人に教わったり何かを独学した人も、
同じような経験をしたことがあるはずだ。

  • 「どうしてそうなるのか」

これがインナーゲームの始まりである。

2. 核心的原則 - セルフ1、セルフ2、内的妨害

  • 外なるゲーム(アウターゲーム) 試合、あるいは対面に勝つ
  • 内なるゲーム(インナーゲーム) 自己不信との戦い

アウターゲームに勝つためには、
インナーゲームに勝たないといけない。

LOLで例えてみよう。

昔コーチングして欲しいと言われた時の話だ。

彼は試合開始3分くらいで、

「どっちのチームが勝ちますか?」

「この試合は勝てますか?」

と、30秒起きに言ってきた。

私はそういう彼の姿を見て、

「なんて悩みの深いヤツなんだ……」

と、頭抱えたのを覚えている。

当たり前だがLoLは、こういうプレイヤーがチームに1人いるだけで負ける。

セルフ1とセルフ2の関係性

  • セルフ1 思考する自己
  • セルフ2 行動する自己

というイメージだ。

ただし思考する自己は、
ピンチになると物凄くカッコ悪くなる。

文句言う時しかチャット使わない、
ゴミプレイヤーと同じだ。

マスターのゴミプレイヤーよりも、
黙っているプラチナ4のほうが
チームからすると助かるように

  • セルフ1の指示や批判は、セルフ2のパフォーマンスを阻害するだけ

である。

内的妨害

1周目のフルクリアが終わる前に、
味方のレーナーが4人ともキルを取られている(ガンク無しで)。

そういう時の選択肢は2つ

  • ティルトする(セルフ1が騒がしくなる)
  • Youtubeを見る(セルフ2に任せる)

なぜ2が機能するのかというと、

  • プラチナ4もあれば、高いレベルでLoLの試合に慣れているから

である。

試合中に手順を確かめながらプレイする必要がないというか、そのレベルでは良くてシルバー4だ。

3. P=p-i の公式 - パフォーマンスの鍵

最近一週間に1度くらいTwitchで配信をしているのだけど、
その時に

  • 「LoLで勝とうとするのは良くない。むしろ負けあげるくらいの気持ちでプレイしよう」

みたいなことを言った。

というのも、
LoLの試合で勝たりレートで自尊心云々は、

  • 「他で勝ててないからそういうことを考える」

人間はどこかで勝利しないと行けないのだけど、
LoL以外で勝利したほうがいい。

こういう気持ちを持っていると、
i (interference)がゼロに近くなるわけだ。

先ほどの30秒の彼は、p (potential)よりもi (interference)のほうが高かったはずだ。
たまに昼間っからLoLしたりするのだけど、その時間帯は、そういう人ばかりである。

4. 実践テクニック - 内的妨害を減らす方法

いくつか例を書いてみよう。

観察と非判断的認識

瞑想と似ている。

LoLの試合中は、
あらゆることを判断しない。

動画なので

「ここでの判断はー

とか言ってるヤツ。

あれはシャングリラ・フロンティアと一緒で、
そうしないとコンテンツにならないから。

手練れのプレイヤーは、
試合中に漫画のメガネキャラみたいなことを考えたりはしないし、
そんなヤツはプレイヤーとして最低のレベルである。

人間は理解できないことを重要だと思わないので、解説的なものが必要になる。
プレイヤーの判断基準解説とか、シャングリラ・フロンティアとかは、実際のゲームやスポーツと全然違うのは仕方がない。

「役割を演じる」アプローチ

インナーゲームの本に書いてあったのだけど、
大抵のプレイヤーは、
同じ役割しかしないらしい。

※ LoLでいうロールとかチャンピオンとかじゃなくって。

たまには肉蝮のようにプレイしたり、
わがままお嬢様の執事みたいなプレイをしたりする。

そういうことをすると良いそうだ。

単純な試合内だけで言えば、
いつも消極的な人は積極的に、
いつも積極的な人は消極的に、
たまにそういったプレイをするのが良い。

私が良くコーチングで教えるのは、このドラマツルギー的なアプローチだ。

フロー状態

私のLoLは何も考えなくとも勝手に動き、
常に自分で思ったより上手に動く。

なので

  • セルフ1もセルフ2も自分ではない

という感覚がある。

大半の人間にとって、
同じような感覚を得られる行為と言えば

  • 気の合う友人との会話

だろうか?

  • コミュニケーション(喋る)という行為に慣れている
  • 結果を気にする必要がない

今書いている文章も同じような条件が揃っているので、
何年も書いていられるのだろう。

問題が1つ。
何事も会話ほど慣れるレベルまで行くのは大変である。

終わりに

  • インナーゲームの概念は、過度な指導が逆にパフォーマンスを低下させる「オーバーインストラクション問題」への問いから生まれました。
  • インナーゲームとは自己内部の葛藤や疑念との戦いを指し、これに勝利することが対外的な試合や目標達成(アウターゲーム)の成功に不可欠です。
  • 人間には、指示や批判をする「セルフ1(思考する自己)」と、実際に行動する「セルフ2(行動する自己)」という2つの側面が存在します。
  • セルフ1による過剰な指示や内的な批判は、セルフ2の自然な能力発揮を妨げ、パフォーマンスを低下させる主要な原因となります。
  • 「内的妨害」とは、セルフ1が過度に活動し、不安や自己批判、混乱などを引き起こすことで、これがパフォーマンス低下に直結します。
  • パフォーマンスは「P = p - i」という公式で表現できます。ここでPは実際のパフォーマンス、pは潜在能力、iは内的妨害を意味します。
  • 高いパフォーマンスを達成するためには、潜在能力を高めること以上に、内的妨害(i)を最小限に抑えることが重要です。
  • 内的妨害を減らすテクニックの一つに「観察と非判断的認識」があり、これは瞑想のように出来事や自分自身の状態を評価せずに客観的に捉えることを目指します。
  • 普段とは異なる役割や振る舞いを意識的に試みる「役割を演じる」アプローチも、固定化された思考パターンを破り、内的妨害を減らすのに有効です。
  • フロー状態とは、セルフ1の干渉が極めて少なく、セルフ2が自然かつ最大限に能力を発揮している状態であり、あたかも自動的に最適な行動がとれるような感覚を伴います。

得意なことは内的妨害が少ない。

遺伝子や環境的に、
内的妨害が少ない設定になっているのだろう。

苦手なことは反対に、
内的妨害が多いと決めつけていいはずだ。

セルフ1がうるさくなりすぎるのは、
内的妨害の1つに過ぎない。

内的妨害に気づくことが多ければ、
苦手なこともできるようになる可能性が高い。

おまけ ゲームが上手な人

  • 夏休みの宿題をやっていなくても、そのことを一切気にせずに遊べるタイプ

こういう人だ。

終わってない夏休みの宿題は、
本来は友人と遊ぶ時の内的妨害となるはずである。

しかし彼らはそういった感覚や、
機会費用みたいな言葉を
全部無視するような人生観を持っている。

このような価値観ならば、
確かに内的妨害は少ないだろう。

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