ラインホルド・ニーバー(Reinhold Niebuhr, 1892年~1971年)というプロテスタントの神学者をご存知だろうか?
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
Wikipedia ニーバーの祈り より引用
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。
まず最初にプロテスタントとカトリックの違いを、簡単に説明させていただこう。
聖書を独自に解釈するのがプロテスタントで、カトリックは共通の解釈がある。つまりカトリックはみんなで聖書を読んで、プロテスタントは1人で読む。
LOL風に言えば
- 何も考えずに統計サイトのビルドを使う人 カトリック
- 統計サイトのデータを見て考える人 プロテスタント
プロテスタントはオタクであるという認識という解釈でよい。
プロテスタントのほうが努力家で知的だが、そのぶん傲慢になりやすく、自ら命を絶つ確率は圧倒的にカトリックより高くなる傾向があったりする。
ニーバーの仕分けは我々の日常でも良く使われるテクニックで、ストア哲学の考え方や、大ベストセラー嫌われる勇気にも基本となる考え方だ。
ストア哲学の考えは
「変えることのできるものは自分の意思のみ。それ以外は全て諦める」
嫌われる勇気、つまりアドラー心理学では
「課題の分離。自分の課題(変えられるもの)と他者の課題(変えられないもの)を区別する」
となっている。
私もLOLでは非常に良く使うというか、身に染み付いており、こういった考えができると非常にプレイが楽。具体的に言えば余計な認知力(エネルギー)を使わなくなるので、非常に上達が早くなるのだ。
では早速手順を説明していこう。前回に引き続きリニア(一方向)な問題解決方法。
大雑把な手順
実際にLOLの問題を考えて、表を作成してみることにする。
LOLなニーバーの仕分け表

上の図は、グーグルスプレッドシートで5分くらいで作成した。画像にしたら見にくかったので、色や幅を調整して2回ほど取り直してたら、合計20分かかったのは内緒だ。
作ってみて思ったのは、表の良いところは1つの検討にあまり時間をかけずに済むところである。
他に思ったことは、可変度の根拠はパッと思いついたものを書いており、実際に克服した経験者じゃないと書けないものが多い。
別に可変度の根拠が正解である必要はなく、大体あってそうならばソレで良いのが救いだろうか。
最初は大きく間違っているのが普通だからだ。
可変度の根拠は難しい
私は自分のADCが上手だと思ったことがない。しかし実際にADCをすると、大半のダイヤよりずっと上手だ。
原因はハッキリわかっていて
- 相手のスキルを知っている
- 操作に慣れている
- アタックムーブを多用している
AA一発の差で勝敗が決まるギリギリの戦い、いわゆるタイトロープを制するのは苦手なのだけど、それ以外は全く問題ない。
プロのADCはアタックムーブをあまり使わない。キルを逃す場合が多いからだ。私はハリケーンを持っていなくともアタックムーブをするので、普通にミニオンやワードも殴る。
しかし引き撃ち(引き撃ち=Kite=カイト)は完璧に近いし、相手を追いながら殴るのも得意。
オーブウォーキング(AA>移動>AA>移動)と撃つこと、当たり前過ぎてゲーム中では使わない言葉だ)の時もタイムロスがなく、ほぼ完璧にスキルの合間にAAを挟むことができる。
私の体感だと、9割のプレイヤーはアタックムーブを全く使っていないように感じる。しかしアタックムーブ無しだと、相当高い操作技術や判断力が必要なので、初心者ほど多用するべきだろう。
※ オーブウォーキングもカイトも、普通のプレイヤーにとって操作は一緒で、同じアタックムーブです。だからオーブウォーキングなんて単語は使われない。アイアンのケインじゃなければ、Wで打ち上げた後に歩いてAAをしてからQを撃つのが当たり前である。
しかし初心者だと、いつ使うのか? そもそもアタックムーブってなんですか? となるだろう。
単語自体がわからなければ、解決策として思い浮かばないし、検索をすることもないという話だ。
問題を認知するのが大事
トロールの出現は、可変度が0。なのでトロールをコントロールしようとしてはならない。
上級者、つまり私がアドバイスできるのは
「敵のタワーに突っ込みたくなったら、アカウントがもったいないので、1度だけ突っ込むに留めておいたほうがいい」
くらいである。
本当にトロールを問題としているならば、LOL自体を辞めるしかない。しかし初心者ほどAFKをするデザインなのか、LOLをプレイすること自体が人生におけるトロールと自覚しているのか、暴言で辞めた人は聞いたことがあるけれど、味方のトロールが原因で辞めた人は聞いたことがない。
トロールが出現した時の、負け試合のストレスが問題なのだ。
人間はなんでもコントロールしていると思える全能感が大事らしい、大事というのはストレス的な話である。
コントロール感が、人間にはある程度必要というわけだ。
どのくらいコントロール感があればいいのか?
4対6でも試合に勝とうとするのは、歪んでいる。
ポジティブすぎて現実が見えていない、アーゴットでラヴァナスハイドラを持ってエフェクトを見て、「W中にも発動してる!!」と、パッチ10.23初日に言っていた友人を思い出す。
※ W中には1度しか発動しない。ラヴァナスのテキストにもそう書いてある。
腕が良ければ相性が悪くても勝てるとか、何事も努力次第とか、ポジティブであっても極端な考えは避けたほうがいい。
何故避けたほうが良いのかというと、なんでもコントロールできると思ってしまう傲慢な考えは、ストレスも大きいからだ。
4対6の状況で試合をコントロールしようとするのは、ストレスが大きい。また私は長くLOLをしてきたが、2人AFKして勝った試合は1度も見たことがない。
試合をコントロールするのは無理だけど、自分の時間はコントロールできる。部屋の掃除やソシャゲのデイリーをするくらいのコントロール感に留めておくのが懸命だ。
課題を細かく分けるのが重要かもしれない
我々は基本的に課題を先延ばしをする。
なので当然世の中には、先延ばしを防ぐ、ぐずぐず主義克服シートのような認知療法もたくさんあるのだ。
山のように課題があるのと、10個課題があるのでは、感じ方が違うからだ。前者はウンザリしてしまうが、後者は頑張れば達成できそうに感じるだろう。
終わりに
ニーバーの仕分け自体はかなり簡単な方法で、実際に私は書くだけなら5分くらいで、形になるものが書けた。
しかし大体苦手なことはほぼ例外なく、自分自身を見つめるのが苦痛だ。
今朝、私が夢で見たセリフに、「虫嫌いに虫取りを教えることはできない」というものがあった。
※ カブトムシやクワガタ以外の虫を取ろうとするのは、一般的に子供くらいなので、変な言葉だ。私に釣りの趣味があれば魚だったはず。魚は釣りといって大人の趣味なので、こちらだと自然。
似たような名言はたくさんありそうだが、ググっても出てこないので私のオリジナルということになる。
ニーバーの仕分けは、言ってしまえば問題や課題を探す、つまり自分の欠点を探す方法だ。
プラチナやダイヤになれば、ほとんどのことが出来ているので、欠点を探すのは難しい。どちらかというとニーバーの仕分けはポジティブなゲームになるだろう。
私がプラチナやダイヤにコーチングするとしたら、次のようになる。
- 1つ欠点を指摘する
- 1つ改善する
全然効果が無いかと言えば多分そんなことはない。出来ていないことのほうが少ないからだ。
同じことをシルバーにしたら、欠点が1つどころの騒ぎではないので、欠点を1つ改善したところで効果が低く(といっても、1つずつ改善する以外に方法などないが)、たくさん指摘すればもう暴言と一緒だ。
200個も出来てない部分を指摘されれば、普通はやる気がなくなる。コーチングというより、やり込めるとか、詰めるとか、そういった表現が近くなってしまう。
あなたが何か改善したいと思って、ニーバーの仕分けに抵抗がなければ、多分それは好きなことなので未来は明るい。
参考図書
このストア派の本は読みやすい上に、内容も本格的でかなりオススメしたい。