認知バイアスという言葉を知っているだろうか? 我々の脳のバグや、考え方の癖と呼ばれるものだ。
そのうちの一つに、スプリッティングと呼ばれる認知バイアスがある。LOLだと4:1で別れてプッシュすることを、スプリットプッシュと呼ぶ。
つまり何かを2つに分けることを表す言葉がスプリット。
我々は、敵か味方か、勝っているか負けているか、良いか悪いか、直感的に決めつけてしまう癖があるのだ。
知的とは程遠い癖なのだけど、コレは原始時代の癖なので仕方がない。
例えば茂みからガレンが出てきた場合、このガレンは味方なのか? それとも敵なのか? ストライドブレーカーを持っているのか? など、じっくり判断してる余裕がなかった。
もし敵だった場合、デマーシアされてしまう。
今の状況は悪いと思っていたけど、実際は別に悪くなかった、むしろ良かったみたいなことはLOL中や私生活でも良くある。
なのでスプリッティングは、スピードとコストに優れるが、全然知的じゃない方法だ。
しかしLOLやTFTでダイヤになる程度ならば、このスピードとコストに優れる方法を使うべきだろう。
まずスプリッティングの例をどんどん上げていくことにする。この処理スピードと手軽さに驚いて欲しい。
レーンでの先出しと後出し
- 先出し時は大人しくファーム
- 後出し時はボコる
だって基本的に先出し時はカウンターを当てられて、後出し時はカウンターを当てるのだから、自分が同じチャンピオンしか使わないとしても、この判断で間違っていないはずだ。
同じチャンピオンしか使わない人であれば、自分が後出しした場合に不利くらいはわかるからだ。なので基本的に何も考えず、表の判断通りで良いことになる。
TFTでの最初のアイテム数
- 3個以上なら普通にプレイ
- 2個ならばゴールドを溜める
最初の対人ステージまでに平均3個手に入るのだけど、2個しか出ない時もある。
その時は、代わりにゴールドが多く手に入っている場合が多い。
アイテムが2個しかないので、よっぽど引きが良くないと勝てない。ゴールドを溜めて次のドラフトラウンドで欲しいアイテムを手に入れたほうが良い。
私はTFTダイヤ前くらいの実力しかなかったが、この選択肢を覚えてからは、随分上手になった。
試合を続けるかどうかの選択肢
- AFKやトロールが湧いたらAFK回避しつつAFK
- 特に何もなければ続行
LOLの負けパターンで最も多いのは、先出しゼドにソロキルされまくるゴミが出現するからである。
基本的にはそういったプレイヤーが出現すれば負けるのだけど、いつ自分がAFKをするのか判断するのは疲れる。
なので私は0/6/0の人がいても、トロールが湧いていない限りAFKしない。
私生活でも決断疲れというものがある。敏腕CEOが毎日同じ服を着る、フェイカーがスキンを使わないアレだ。
朝起きるかどうか
- 起床時間が近ければ起きる
- 起床時間まで2時間以上あるなら二度寝
朝起きる時、イチイチ起きる理由を探して起きる人は、多分病気になってしまうだろう。
サモナーズリフトでは、何も考えずとも時間通りにレーンに出ることができる。これは全てのプレイヤーができることだ。
3分たってまだベースにいる人がいたら、プレイ回数1回目、体調が悪い、トロールしている、デバイスが壊れた、家が火事、のような特別な理由がある時だけである。
イフゼンプランニングとの違い
「Aの時はBをする」と決めておくと、決断せず実行できる。これがイフゼンプランニングだ。
スプリッティングも似たようなものであるが、明確な違いがある。
選択肢を2つに分けた場合、何故かコントロール感や自信が湧いてくるのだ。
世界をなんでも2つに分けて理解するとは、つまりTwitterの過激な人みたいな思考なわけで、単純に言うとバカなのだけど、自信が湧いてくる。
私はあなたがレーン戦やTFTや朝起きることについて、どれくらい得意かわからない。しかし先程の文章を見た時、何故か達人になったような気分がしなかっただろうか?
私はなった。
別に誰かに口論をふっかけるわけでも、詳細を説明するわけでもないのだから、自分がある程度わかっていればそれで良い。
少し難しい記憶術の話
- 問い1 アダプティブがADのレンジチャンピオンを全て答えなさい。
- 答え1 面倒臭い
こうなるのが普通だ。
これは列挙といって、最悪の記憶方法である。具体的に言うと、3つまでしか列挙では覚えられない。
4つ以上覚えたい場合は順列といって、答えに番号を割り振らなければいけない。これも順列よりマシなだけで、こんな覚え方は誰もしたくない。
我々が順列で覚えているのは、ジョジョの奇妙な冒険くらいである。
つまり選択肢が4つ以上あると、選択にかかるコストが一気に跳ね上がる。
3つ覚えるのは列挙になるのでコストが高い、4つ以上覚えるのは大変な努力が必要。
表の択と裏の択のように対立した要素で覚える場合、スプリッティングは非常にコストが低く覚えられる。
なのでよほど精通した事柄じゃない限り、メインとサブ、表と裏、プランAとプランBのような覚え方をするのが良い。
終わりに
スプリッティングは全然賢そうな方法じゃないが、我々の脳の癖なので
- 情報の処理スピードが速い
- 情報の処理コストが低い
すなわち面倒くささを感じることがない。
マインドマップのような特殊な思考ツールを広げて熟考した情報以外は、なんでもスプリッティング(2つに分ける)で処理していくのが良いかもしれない。
最も手軽に意味を理解できる方法だ。