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【パッチ15.10】リーグ・オブ・レジェンド「開放の魔導書」深掘り:歴史に見るユニークな戦略的価値【パッチ15.10で大幅にバフされた】

リーグ・オブ・レジェンドにおけるキーストーン「開放の魔導書」は、
その登場以来、
常に特別な存在であった。

サモナースペルをゲーム中に交換可能とするそのユニークな能力は、
他のあらゆるルーンとは一線を画している。

しかし、その真価を発揮するには高度な理解と状況判断が必要であり、
またメタにおけるその立ち位置は、
度重なるバランス調整を経て大きく変動してきたのである。

本稿は、この「開放の魔導書」が辿ってきた歴史を詳細に追うことを目的とする。

パッチ7.22での誕生から、
画期的なリワーク、プロシーンでの隆盛と衰退、
そして直近のパッチでの変更点に至るまで、その変遷を明らかにする。

さらに、このルーンがゲームバランス、
特に競技シーンのマクロ戦略にいかに影響を与えてきたかについても分析を加える。

「開放の魔導書」は、単なるパワーの増加ではなく、
プレイヤーの知略と適応能力を問う存在である。

その複雑かつ魅力的な軌跡を追体験することは、
LoLというゲームシステムそのものへの理解を深める一助となるであろう。

この記事はパッチ15.10の時に執筆されました。

1. 序論:変幻自在のキーストーン「開放の魔導書」

A. 「開放の魔導書」のユニークな提案

リーグ・オブ・レジェンド(LoL)のルーンシステムにおける
「天啓」パスのキーストーン、
「解放の魔導書」(以下、魔導書)は、
サモナースペルを交換できるという比類なき柔軟性を
提供する点で、他の多くのキーストーンとは
一線を画す存在である。

他のキーストーンが直接的な戦闘能力の強化や
一貫した効果を提供するのに対し、
魔導書は状況に応じた多様な戦略的選択を可能にする。

その性質上、「何でも屋(Jack of all trades)」と
評されることもある。

魔導書のメタにおける存在感は、
その時々のバランス調整や個々のサモナースペルの強さに
大きく左右され、常に変動してきた。

時には、他に最適なキーストーンを持たないチャンピオンのための
選択肢と見なされることもあれば、
高度な戦略眼を要するピックとして評価されることもあった。

魔導書の価値は、それが提供するサモナースペル自体の影響力と
密接に結びついている。

例えば、テレポート、フラッシュ、ヒール、イグゾーストといった
主要なサモナースペルの価値が低下すれば、
魔導書自体のメカニズムに関わらず、その評価も相対的に低下する。

実際に、「サモナースペル(フラッシュを除く)が
以前ほど影響力がなくなったため、このキーストーンは役に立たない」
との意見も見られた。

これは、魔導書のバランスと人気を左右する根本的な制約であり、
特定のクールダウンや交換ルールを超えた問題である。

また、魔導書は柔軟性と純粋なパワーのバランスを取るという、
ユニークなデザイン上の課題を開発者にもたらしてきた。

パッチ8.9での大幅なリワークや、パッチ8.3、8.13、10.15、
そして将来的なパッチ25.10に至るまで、数多くの調整が行われてきた歴史は、
ライアットゲームズがこのルーンを安定したニッチなピックとして、
かつ過度に支配的にもならず、完全に無意味にもならない状態に
調整するのに苦労してきたことを示唆している。

これは全てのキーストーンに共通する現象ではなく、
魔導書のユニークなメカニズムが広範なゲームエコシステムの中で
バランスを取るのがより困難であることを物語っている。

B. レポートの目的と構成

本レポートは、魔導書の歴史、パッチによるメカニズムの変遷、
そしてプロフェッショナルシーン(プロシーン)における
チャンピオンによる使用状況を記録することを目的とする。

2. 黎明期:ルーンリフォージドと魔導書の誕生(パッチ7.22~8.8)

A. ルーンリフォージドによる導入(パッチ7.22 - 2017年11月7日)

魔導書は、2017年11月7日に実施された
「ルーンリフォージド」システムアップデートの一環として、
「天啓」パスの新たなキーストーンとして登場した。
この新システムは、より影響力があり、
プレイスタイルを決定づける選択肢を提供することを目的としていた。

当初の魔導書のメカニズムは、戦闘中でない時に装備中の
サモナースペルの一つを、一度だけ使用可能な新しいサモナースペルに
交換できるというものだった。

最初の交換はゲーム開始後6分から可能で、
交換の初期クールダウンは300秒(5分)であった。

そして、ユニークなサモナースペルを選択するごとに、
この交換クールダウンが25秒短縮される仕様だった。

※ パッチ25.10(2025/05/14)と同じ。

さらに、この時期の魔導書の大きな魅力の一つは、
全てのサモナースペルのクールダウンを一律で短縮する
パッシブ効果(例:初期には25%)があったことである。

※ 1回もサモナースペルを交換しなくても強すぎた。

PBE(公開テスト環境)での議論やプロプレイヤーの初期の反応は、
特にこのサモナースペルクールダウン短縮効果に対して
高い関心を示していた。

例えば、ブラッドミアのようなチャンピオンのプレイヤーは、
より頻繁にフラッシュを使用できる点を評価していた。

この初期デザインは、
意図せずしてパッシブなクールダウン短縮効果が、
能動的なスペル交換メカニズムよりも
重視される状況を生み出した。

ライアットゲームズ自身もパッチ8.3のノートで

  • 「サモナースペルのクールダウン短縮効果が、全く交換しなくても強力すぎることが判明した」

と述べており、
プレイヤーが魔導書をそのCDR目的で選択していたことを示している。

これはデザインの意図とプレイヤーによる最適化の間に
ズレが生じた典型例であり、LoLのバランス調整の歴史において
散見されるテーマである。

レーナーはガンクを回避しやすくなるし、ジャングラーはファームが爆速だった。

B. 初期のバランス調整とプロシーンへの登場

パッチ8.3(2018年2月):

パッシブのサモナースペルクールダウン短縮効果が
25%から10%に減少された。

ライアットゲームズはこの変更について、
「魔導書はサモナースペルを交換し、ゲームの状況に応じて
能力を変化させたいプレイヤーのためのキーストーンであるべきだ。
しかし、現状では交換を全く行わなくても
サモナースペルのクールダウン短縮効果があまりにも強力すぎるため、
その部分を削減する」

と説明している。

surrenderat20.net/2018/02/patch-83-notes

この調整は、パッシブな恩恵から能動的な交換メカニズムへと
ルーンの価値をシフトさせることを目的としていた。

魔法の靴とパーフェクトタイミング(時計効果のアイテム)が違う場所にあったので、全員両方入れていた(金銭効率が高すぎたので)。
パッチ8.3はそれが修正されたパッチでもある。

パッチ8.4(2018年2月 - PBEサイクル):

PBEではさらなる微調整が議論された。

あるPBEアップデートでは、サモナースペルクールダウン短縮が
10%から15%に増加すると記載されていたが、
最終的なライブパッチ8.3のノートでは25%から10%への減少が確認されている。

これはPBEでのバランス調整が反復的な性質を持つことを示している。

初期のプロシーンでの採用(2018年初頭 - パッチ8.9以前):

クールダウン短縮効果のナーフにもかかわらず、
他の戦闘用サモナースペルを維持しつつテレポートにアクセスできる能力や、
単純にフラッシュのクールダウンを短縮できる点が評価され、人気を博した。

LCK Spring 2018の初期には、
ミッドレーナー(55%)、トップレーナー(30%)で最も人気のある
キーストーンとなり、サポートでも2番人気(14%)となった。

ガングプランクやエズリアルのようなチャンピオン(ねこばばを悪用できた)は、
ねこばばが理想的でない場合に、
サモナースペルCDRによってレーンへの早期帰還が可能になる魔導書を
代替案として検討することがあった。

※ ねこばば=Kleptomancy

サポートはテレポートへのアクセスを得て、
マップ全体への影響力を高めるために魔導書を使用し始めた。

サポートの大半はCCが強力なのでテレポート自体は強いのだけど、タンクが効果の高いバリアやヒールを入れないのと同じように、普通は入れていけない。

当時のメタはゲーム時間が長くなる傾向にあり、
これはストップウォッチや魔導書のようなルーンが
より安全なレーニングとスケーリングを可能にしたことが一因であった。

SKT T1のFaker選手はLCK Spring 2018で
カサディンに魔導書を使用している。

パッチ25.10

クラリティが使える。
2018年時に使えたかどうかは覚えてないが、カサディンならクラリティを有効に使える場面は多そうだ。

魔導書が大幅なリワークを受ける前からプロプレイヤーの間で
人気があったという事実は、
サモナースペルの選択とタイミングに関する
戦略的柔軟性への強い渇望を示していた。

LCK Spring 2018での複数ロールにおける高いピック率は、
ルーンがやや扱いにくいものであったにもかかわらず、
サモナースペルを適応させる能力
(主にテレポートアクセスやフラッシュCDRのためであっても)が
競技メタにおいて高く評価されていたことを示唆している。

この適応性への欲求が、後のパッチ8.9でのより大幅なリワークの決定に
影響を与えた可能性は高い。

さらに、ストップウォッチと魔導書の初期のメタにおける相互作用は、
より長く、より受動的な序盤戦に寄与した。

ストップウォッチと(サポートによるテレポート使用を含む)魔導書が、
ファーストブラッドの遅延や序盤でのリード獲得の困難化に
繋がっているという指摘がある。

これはフィードバックループを生み出し、
ストップウォッチと魔導書のユーティリティによる安全なレーニングが
ゲーム時間の長期化を招き、スケーリングへの重視を高め、
結果としてレーン維持/スケーリングのための魔導書の
サモナースペルCDRがさらに価値を持つようになった。

3. 大変革とプロシーンでの隆盛(パッチ8.9~10.14)

A. パッチ8.9の画期的なリワーク(2018年5月1日)

ライアットゲームズは、従来の魔導書があまりにも事前の計画を必要とし、
プレイヤーを長期間選択に縛り付け、
多くのプレイヤーがフラッシュのクールダウン短縮のためだけに
選択している状況を認識していた。

このリワークは、より反応的で頻繁な交換を可能にすることを目的としていた。

主な変更点:

新しい交換メカニズム:

「装備中のサモナースペルの一つを、
一度だけ使用可能な新しいサモナースペルに交換する。
その一度きりのサモナースペルを使用した後は、
元のサモナースペルが元に戻る」

これは、スペルを恒久的に変更するのではなく、
一時的な戦術的選択へと根本的にシフトさせるものだった。

※ 今の形と同じ。

  • 最初の交換可能時間:

6分(PBEでは5分とされていた時期もあったが、
ライブパッチでは6分となった)。

※ パッチ25.10と同じ。

  • 初期交換クールダウン

4分(240秒)。

※ パッチ25.10同じ

  • ユニーク交換クールダウン短縮

これまで交換したことのないサモナースペルに交換するたびに、
交換クールダウンが恒久的に15秒短縮される。

パッチノート25.10

交換クールダウン上限は8だったはず。

そうなると最大で2分。

パッチ25.10でのバフのほうが強そうだ。

  • 交換場所

戦闘中でなければ、マップ上のどこでもサモナースペルを交換可能になった。

  • 元のスペルのクールダウンは継続

交換されている間も、元のサモナースペルはバックグラウンドで
クールダウンが進行する。

  • 制限

「既に使用したサモナースペルに戻るには、
3種類の異なるサモナースペルに交換する必要がある。」
これは、同じ最適な交換を連続して使用することを防ぐための
重要なルールだった。

パッチ8.9のリワーク

特に
「一度きりの使用で元のスペルに戻る」仕様と
「戦闘中でなければどこでも交換可能」という変更は、
魔導書がプロシーンで頂点を極める主要な触媒となった。

これにより、交換の機会費用が劇的に低下した。
8.9以前は、交換はより永続的でリスクの高い決断だったが、
変更後は一時的な戦術的選択肢となった。

プロプレイヤーは、例えば序盤にリコールした後に
テレポートでレーンに戻り、
その後すぐに次のガンクに備えてイグゾーストに交換するといった動きを、
主要なフラッシュを長期間失うことなく行えるようになった。

この適応性はプロシーンのハイステークスな環境において非常に価値があり、
異なるゲーム段階で異なるサモナースペルを活用できるチャンピオンへの
広範な採用につながった。

今とほとんど同じ性能や使用感になった。

B. 微調整と人気のピーク(パッチ8.13 - Worlds 2018)

パッチ8.13(2018年6月27日):

クールダウン短縮のためのユニークサモナースペル上限:
8から6に減少。

ユニークサモナースペルごとのクールダウン短縮:
15秒から20秒に増加。

最大クールダウン短縮量は変更なし:
(ユニークな交換6回 * 20秒 = 120秒短縮)。
初期交換クールダウン240秒 - 120秒 = 最小クールダウン120秒(2分)。
ライアットゲームズは、このルーンが弱いと認識されており、
プレイヤーがより迅速に最大クールダウン短縮に到達できるようにするための
変更であると述べている。

このパッチ8.13の変更は、プレイヤーが多種多様なサモナースペルを
活用しなくても魔導書がペナルティを感じにくくすることを目的としており、
実質的に最大クールダウン短縮ポテンシャルに到達しやすくした。

8つのユニークな交換を要求するのは高いハードルだった。

それを6つに減らしつつ、合計の最大CDRを同じに保つことで、
プレイヤーは交換サイクルの早い段階で、より少ない「繋ぎ」の交換で
ピーク効率を達成できるようになり、ルーンはよりアクセスしやすく、
一貫して強力になった。

さらにバフされて、人気のピークになった。

メタへの影響(LCK Spring/Summer 2018, MSI 2018, Worlds 2018):

この期間は、魔導書のプロシーンでの利用が頂点に達した時期である。
その柔軟性は高く評価された。

LCK Spring 2018:
8.9以前から既に人気があったが、
リワークによりその地位は確固たるものになったと考えられる。
Faker選手のカサディンでの使用が注目された。

LCK Summer 2018:
引き続き使用された。
Gol.ggのマッチデータによると、SKT対KZの試合では、
あるプレイヤーが魔導書を使用し、16回交換している。

別の試合ではライズが魔導書を使用している様子が見られる。

ブラッドミアも使用者の一人であった。

MSI 2018

ツイステッド・フェイト、ブラッドミア、そしてサポートなどが活用した。

サポートはオムニストーン(昔あったキーストーン)みたいな、ユーティリティが好まれることが多い気がする。

Dopa氏の分析では、魔導書テレポートを持つツイステッド・フェイトの
攻撃的なレーニングが強調されている。

Gol.ggではガングプランクが魔導書を使用した試合が記録されている。

ダメージトレードした後にレーンをプッシュして、自分だけテレポートで復帰するアレ。

Worlds 2018

依然として有力な選択肢であった。

サイオンのようなタンクがしばしば採用し、
ライズも魔導書と共に登場した。

レーンの安全性とスケーリングを可能にするという点で、
一般的な評価は高かった。

パッチ8.9以降の魔導書の成功は、プロプレイヤーが、
ルーン自体が直接的な戦闘力を提供しなくても、
進化するゲーム状況への動的な適応を可能にするツールを
高く評価していることを示した。

これにより、一部のパワーが事前のルーン選択から
ゲーム中の意思決定へとシフトした。
一貫したダメージや耐久力を提供するキーストーンとは異なり、
魔導書のパワーバジェットはその柔軟性にあった。

メイジ、タンク、サポートといった多様なチャンピオンでの人気は、
適切なタイミングで適切なサモナースペルを持つという戦略的利点が、
より単純な戦闘キーストーンをしばしば上回ったことを示している。

これは、プロのメタにおける戦略的深さへの嗜好を示唆している。

この時には、不死者の握撃にHP増加効果が付いていたはず。

C. 脚光を浴びたチャンピオンたち(2018年頃)

この時代、特に以下のチャンピオンたちが魔導書を効果的に活用した。

ツイステッド・フェイト:

おそらく最も象徴的な使用者。

魔導書により、グローバルなプレッシャーを与えるテレポートを持ちつつ、
ガンクや自己防衛のためにゴーストやイグゾーストといった
戦闘用サモナースペルにアクセスできた。

序盤弱く後半強い(序盤弱い必要はないのだけど、ゲームデザイン的なバランスでそうなる)。
これはレーナーが開放の魔導書を使う時の適正の1つである。

オーン:

スケーリングとレーンの安全性が評価された。

魔導書により、厳しい序盤のマッチアップを防御的なサモナースペルや
テレポートで乗り切りつつ、レベル6でのイグナイトによる
キルプレッシャーも得られた。

オーンは特にファームするだけでスケールする点が強みだった。

オーンには華麗なコンボがあったり、意外と序盤から強かったりする。
しかし、求められるのは集団戦時のRと、終盤の装備強化だ。

カサディン:

より安全なレーニングとスケーリングのために使用された。

防御的なサモナースペルでスタートし、テレポートに交換したり、
イグナイトでキルプレッシャーをかけたりすることができた。

Faker選手の使用は特筆すべきである。

カサディンはライズやブラッドミアと違って機動性が高いので、フラッシュ+テレポート固定でもあまり困らない。

ライズ:

TFと同様に、テレポートと戦闘用サモナースペルの柔軟性を高く評価した。

ライズはフラッシュ+ゴーストがないと集団戦がきつい。
しかし、テレポートにしないと序盤のマナもきつい。

サイオン:

レーンでの柔軟性(序盤のイグゾースト)と、
終盤のスプリットプッシュや集団戦でのテレポート/ゴーストの活用が
可能だった。

トップレーンをしていると、「どうしてこの対面のタンクは、発動しない不死者の握撃を入れてるんだろう?」と思うことが多い。
しかし、エアリー、秘儀の彗星、フェイズラッシュは大体使いにくい。
そこで開放の魔導書というのは、悪くない思う。

ウラジミール:

序盤の防御的サモナースペルからテレポートへ、
あるいは集団戦でのゴーストといった恩恵を受けた。

ライズと似ている。
ブラッドミアが頑なにテレポートを入れないのは、集団戦で支障が出るからだ。
魔導書ならばテレポートを入れてても、なんの問題もない。

サポート(例:タム・ケンチ、ブラウム):

レーンでの防御的サモナースペル(ヒール、イグゾースト)を持ちつつ、
マップへの影響力を高めるテレポートや、
オブジェクト管理のためのスマイトを持つことができた。

この2人はオムニストーンを入れていたり、やたらテクニカルなイメージがある。
ワーデンはソロキューでも強いのだけど、強さの割りに全然人気がないクラスとして有名だ。

その他状況に応じた使用者:

ナサス、バード、タリヤ、ガレン、カシオペア。

アーゴット、ジャングルフィドルスティックス。

ガレンは苦手なケイルやクインに対してはフェイズラッシュが基本だ。
しかし、フェイズラッシュにしても、メレーなのでテレポートは入れにくい。
魔導書にすれば、もしかしたらクイン相手も行けるかもしれない(時間使って考えたことはないです)。

「3つのユニークな交換をするまで再選択不可」というルールは、
単一の最適な交換の乱用を防ぐ一方で、プレイヤーに数手先を読み、
ゲーム全体を通して戦略的に「スペルの在庫」を管理することを強いた。

このルールは、プレイヤーがテレポートをUSB経由でクールダウンごとに
スパムできないことを意味した。

彼らは、ゴーストやバリアといった、すぐには最適ではないかもしれない
他のサモナースペルを循環させる必要があった。

これはリソース管理と先見性のレイヤーを追加し、
将来のニーズを予測できるプレイヤー

  • (例:「次の次の集団戦でクレンズが必要になるから、今はゴーストを取り、次にバリア、そしてクレンズを取ろう」)

に報酬を与えた。

この複雑さは、やりがいがある一方で、スキルの上限を高める要因ともなった。

ブラッドミアを使っていると、リサンドラ相手にクレンズが欲しくなることがある。
普通にやってもブラッドミア有利なのだけど、バフされた開放の魔導書を使えば、もっと勝てそうな気がしてならない。

D. 表:2018年プロシーンにおける「開放の魔導書」主要使用チャンピオンと採用理由

チャンピオンロール主な採用理由主要なサモナースペルシナジー
ツイステッド・フェイトミッドグローバルプレッシャー + レーン適応性テレポート(主)、ゴースト、イグゾースト、クレンズ
オーントップレーンの安全性 + スケーリング + Lv6でのキル圧力テレポート(主)、イグナイト、イグゾースト、バリア
カサディンミッド安全なスケーリング + 中盤のマップでの存在感テレポート、イグナイト、バリア、イグゾースト
ライズミッド/トップマップ存在感 + 戦闘の柔軟性テレポート、ゴースト、クレンズ
サイオントップレーニングフェイズ適応 + スプリット/集団戦ユーティリティテレポート、イグゾースト、ゴースト、スマイト
ブラッドミアミッド/トップ序盤の安全性 + 終盤の集団戦/マッププレッシャーテレポート、ゴースト、イグナイト、イグゾースト
サポート(汎用)サポートレーンユーティリティ + オブジェクト管理/ローテーションイグゾースト、ヒール、イグナイト、テレポート、スマイト

基本的にイグナイトは、
ソロキルを取るためではなく、

  • 味方のガンクが来た時にイグナイトをかけると強い

のである。

これは直感に反するが、基本的なことだ。

あなたがプラチナ4以上ならば、
覚えたほうがいい。

なのでオーンでイグナイトに変えて、
味方が来た時にRと一緒に撃つと強い。

不死者の握撃が発動しにくい相手の時は、
エアリー、秘儀の彗星、アフターショック、グレイシャルオーグメント、
など色々考えられるが、
開放の魔導書が簡単で見た目も良く
発動回数も悪くない。

ヘクスフラッシュが用意しやすいことを考えると、グレイシャルオーグメントはガンク用なのだろう。

4. 衰退と再評価の時代
(パッチ10.15~現在/パッチ25.10の展望)

A. 大幅なナーフと衰退(パッチ10.15 - 2020年7月22日)

パッチノート10.15

とんでもないナーフ。

パッチ10.15の変更点:

  • 初期交換クールダウン:

240秒(4分)から300秒(5分)に増加。

最大交換時のクールダウン(最大ユニーク交換時の最小クールダウン):
120秒(2分)から150秒(2.5分)に増加。

  • ユニーク交換ごとのクールダウン短縮:

20秒から25秒に増加。
(これにより、依然として6回のユニークな交換で(より高くなった)
上限に達することになった。
300秒初期 - (X交換 * 25秒) = 150秒。
つまり(300-150)/25 = 6回のユニーク交換が必要で、
パッチ8.13と一致)。

これらの変更は魔導書の利用可能になるタイミングを大幅に遅らせ、
使用頻度を減少させ、より一貫して利用可能な他のキーストーンと
比較して魅力の薄いものにした。

このパッチ10.15のナーフ、特にクールダウンの増加は、
魔導書の核となる強み、すなわちサモナースペルへの
頻繁で適応的なアクセスを直接的に攻撃し、その有用性を著しく低下させた。

初期クールダウンが4/5分からより長い時間に、
最小クールダウンが2分から2.5分に増加したことは、
ゲームごとの交換回数が減少し、重要なスペルを待つ時間が長くなることを意味した。

これにより、反応性が低下し、より長期的な投資となり、
プレイヤーはより即時的または一貫した利益をもたらすキーストーンへと移行した。

結果として、このルーンは大幅に弱体化したとの評価が一般的だった。

B. パッチ10.15以降の衰退要因

  • サモナースペルのナーフ:

言及されているように、ヒール、バリア、ゴーストへのナーフ、
およびテレポートのリワークにより、
サモナースペル全般の影響力が低下し、
それらを交換する価値も減少した。

  • 他のキーストーンの台頭:

多くのチャンピオンが、自身のキットや現行メタにより適した、
より一貫性のある、あるいは強力な他のキーストーンを見出した。

例えば、タンクは生存性のために
アフターショックを好むようになったかもしれない。

  • チャンピオン固有のニーズ:

以前魔導書を使用していた一部のチャンピオンは、
プレイスタイルやアイテムビルドの進化に伴い、
新たな最適(BiS)キーストーンを見出した。
元使用者であったバードやTFは、
ダメージオプションへと移行した。

  • 精神的労力と複雑さ:

魔導書は、より単純な「設定して忘れる」タイプのキーストーンと比較して、
積極的な精神的努力、事前の計画、そして紛らわしいルールの理解を必要とするため、
多くのプレイヤーにとって障壁となり得る。

99%のプレイヤーにとっては、他に覚えるべきことが山程ある。
本当に開放の魔導書を覚えたいのであれば、信頼できる手練れのトップ or ミッドレーナーに(お金払って)教わるのがいいだろう。

ゲーム終了時のステータス画面で
その影響を定量化する明確な指標がないことも、
その価値を曖昧に感じさせる一因である。

魔導書の衰退は、個々のチャンピオンのパワーと、
ダメージ指向または高度に専門化された防御的キーストーンとのシナジーが、
多くのロールで一般的なユーティリティよりも優先されるようになった、
より広範なメタの傾向も反映している。

「ユーティリティに全振りするよりもダメージを出した方がマシだった」という
バードやTFのようなチャンピオンに関するコメントや、
「今の最良の防御は攻撃だ、ダメージを出すルーンを取って相手を殴りつけろ」
という意見は、メタのシフトを示唆している。

もしゲームがバーストダメージや圧倒的な特定の強み
(例えばアフターショックを持つタンク)によって決定されるなら、
特にナーフされた場合、魔導書のようなユーティリティ重視のルーンは
競争に苦戦する。

レートの低い試合ほどムンドジャングルが強い。

C. 最近/今後の強化と再興の可能性
(仮パッチ25.10 - 2025年5月)

パッチ25.10でプレビューされた変更点:

基本リチャージクールダウン(初期交換クールダウン):

5分(300秒)から4分(240秒)に短縮。

最大交換時のリチャージクールダウン(最小クールダウン):


2.5分(150秒)から1.5分(90秒)に短縮。

ライアットのPhreak氏のノートによると、
これにより長時間のゲームで約6回だったサモナースペルの使用回数が
約10回になり、「より強く、より柔軟になり、
プロシーンに戻ってくる可能性が高い」とのことである。

使用回数交換回数25.09 交換可能になる試合時間25.09 交換CD25.10 交換可能になる試合時間25.10 交換CD
1回目1回目ユニーク6分00秒4分35秒6分00秒3分35秒
2回目2回目ユニーク10分35秒4分10秒9分35秒3分10秒
3回目3回目ユニーク14分45秒3分45秒12分45秒2分45秒
4回目4回目ユニーク18分30秒3分20秒15分30秒2分20秒
5回目5回目ユニーク21分50秒2分55秒17分50秒1分55秒
6回目6回目ユニーク24分45秒2分30秒19分45秒1分30秒
7回目(ユニーク不問)27分15秒2分30秒21分15秒1分30秒
8回目(ユニーク不問)29分45秒2分30秒22分45秒1分30秒
9回目(ユニーク不問)32分15秒2分30秒24分15秒1分30秒
10回目(ユニーク不問)34分45秒2分30秒25分45秒1分30秒

目玉コレクターが削除されてからの、覇道キーストーン並のバフである。

5. プロシーンにおける戦略的価値とチャンピオンシナジー

A. 「開放の魔導書」が提供する核となる戦略的利点

レーニングフェイズの安全性/攻撃性の強化:

標準的なセットアップ(例:フラッシュ + テレポート)でスタートし、
ガンクを生き残るために防御的なスペル(バリア、ヒール、イグゾースト)に、
あるいはキルプレッシャーのために攻撃的なスペル(イグナイト)に、
長期的なコミットメントなしに交換する能力。

特に不利なマッチアップで有用であった。

優れたマップ存在感とローテーション:

初期のレーニングフェイズのサモナースペルの後に
テレポートにアクセスできることで、

  • 予期せぬマップ移動
  • カウンターガンク
  • スプリットプッシュのプレッシャー

を可能にした。

テレポートを持つサポートは
他のレーンに影響を与えることができた。

開放の魔導書なしでフラッシュ+テレポートを持った場合、おそらく味方は許してくれないだろう。

オブジェクトコントロール:

重要なバロンやドラゴンファイトのために
2つ目のスマイトに交換できる能力は、
オブジェクト確保において大きなアドバンテージを提供した。

パッチ25.10でも、スマイトに交換できる。

終盤の適応性:

  • カイト/追撃のためのゴースト
  • CCの重いチームに対するクレンズ
  • 重要な集団戦のためのバリア/イグゾースト

といった
多様なサモナースペルへのアクセスは、
比類なき終盤の柔軟性を提供した。

サモナースペルクールダウン短縮(初期バージョン):

当初は、全てのサモナーに対する一律のCDRが、
特にフラッシュ依存のチャンピオンにとって主要な魅力だった。

プロシーンにおける魔導書の戦略的価値は、
マクロプレイ、オブジェクトコントロール、
そして適応的な意思決定に長けたチームやプレイヤーによって
最大化された。

それは単に個々のチャンピオンシナジーだけでなく、
より広範なチーム戦略をどのように可能にするかという点にあった。

  • オブジェクトのためのダブルスマイト
  • マップローテーションのためのテレポート
  • 集団戦のための柔軟なサモナースペル

といった利点はすべて、
個々のメカニカルなアウトプレイよりも、
協調的なチームプレイと
戦略的先見性を報奨するルーンであることを示している。

ソロキューよりも組織化されたプロプレイでの人気が、
これを裏付けている。

ダブルスマイト(バロンなどへの同時スマイト)はボイスチャットを使わないとできない。

B. 特定のチャンピオンが「開放の魔導書」で活躍した理由

多彩なキットを持つが単一の「完璧な」キーストーンを持たないチャンピオン:

ツイステッド・フェイト、バード、
時にはライズやカサディンは、
常にキット全体を完璧に増幅する
単一のキーストーンを持っているわけではない。

魔導書は、彼らの固有の強みを補完するユーティリティを提供することで、
このギャップを埋めた。

ツイステッド・フェイト:


彼のキットはマップ存在感(R)と
ピックポテンシャル(ゴールドカード)を中心に展開する。

魔導書 + テレポートはこれを増幅し、
ゴースト/イグゾーストへの交換はガンク/逃走を助けた。

イグゾーストはイグナイトに比べて難しいサモナースペルだ。
しかしゴールドカードのスタンが終わった後にスローとして使うだけなら、本当に誰でも簡単に使える。

バード:

生まれながらのローマーであるバードは、
状況に応じて
ほとんどすべてのサモナースペルを効果的に使用できた。

サポートのほうがレーナーよりも、開放の魔導書のバフによる影響が大きい気がする。

レーンの安全性とスケーリングを必要とするタンク:

オーンやサイオンは、魔導書を使用して防御的なサモナースペルや
テレポートで困難な序盤のマッチアップを乗り切る。

レベル6でのイグナイトのオプションも予期せぬキルプレッシャーを与えた。

特にオーンは、ファームするだけで
味方もスケールするという恩恵を受ける。

柔軟性を必要とするメイジ:

ライズやブラッドミアは、
マッチアップやゲーム状況に基づいて
サモナースペルを適応させ、
スプリットプッシュのためのテレポートや、
集団戦のためのゴースト/イグゾーストを選択することができた。

2人ともパワーがあって、ソロキュー向けではあるものの、ゴーストがないと集団戦が辛いことが多い。

ユーティリティを強化するサポート:

サポートは、追加のイグゾースト、ヒール、あるいはロームのためのテレポート、
オブジェクトスティールのためのスマイトといった重要なユーティリティを
もたらすことができた。

サポートは基本ファームしないので、敵の赤や青バフをスティールする機会も多そうだ。

リーサルテンポや征服者チャンピオンは魔導書を採用しない(ほとんど)

チャンピオンにおける魔導書の有効性は、そのチャンピオンが機能するために
特定の戦闘キーストーンをどれだけ必要としているかと逆相関していることが多かった。

自己完結型のキットを持つチャンピオンや、
主な貢献が純粋なダメージ/耐久力ではないチャンピオンが最も恩恵を受けた。

オーン(ファームで十分にスケールする)、
ツイステッド・フェイト(ユーティリティ重視)、
またはサポート(ユーティリティロール)のようなチャンピオンは、
戦闘キーストーンを魔導書の柔軟性と交換する余裕があった。

逆に、リーサルテンポや征服者のような
ダメージキーストーンに大きく依存するチャンピオンは、
めったに魔導書を選択しなかった。

これが、それを利用した特定のチャンピオン群を説明している。

征服者などでも採用したのは、初期の開放の魔導書でスマイトのCDが下がったジャングラーくらいな気がする。
先程のガレンの例も、征服者ではなくフェイズラッシュの代わりとしての魔導書だ。

C. 比較分析:なぜ他のキーストーンではなく魔導書なのか?

ダメージキーストーン(例:電撃、秘儀の彗星)に対して:

ツイステッド・フェイトや
ユーティリティサポートのようなチャンピオンにとって、
戦略的な柔軟性は、特に主な役割が純粋なダメージ出力でない場合、
他のキーストーンからの生のダメージをしばしば上回った。

しかしソロキューでのツイステッド・フェイトは、火力が大事である。
特にマスター未満の試合では。
これはソロキューの鉄則なので覚えて欲しい(サポートで火力重視の鉄則を守られても味方は困るのだけど)。

防御キーストーン(例:非タンク/サポート用のアフターショック、ガーディアン)に対して:

タンクはアフターショックを選択するかもしれないが、
魔導書は彼らに異なる種類の安全性を提供した 。

ダメージを軽減するだけでなく、
テレポートで悪い状況を回避したり、
イグナイトで戦況を好転させたりする能力である。

「良いキーストーンがない」という議論:

一部のチャンピオンにとって、
他のキーストーンが彼らのキットとのシナジーが悪いため、
魔導書は純粋に最良の選択だった(例:ナサスで議論されているように)。

例えばジャングルフィドルスティックスのキーストーンは、
パッチ25.09では次のようになっている。

LOLALYTICS 25.09

例えばメイン秘儀の彗星だ。

ジャングラーで秘儀の彗星なんて、
擁護できないクソキーストーンである。

※ アクシオムアルカニストのために選択されているだけ

スケーリングが重要なソロキューでは、
電撃ですら入れたくないからだ。

しかしフィドルスティックスはビッグウルト持ちなのだけど、
キャリーではない。

魂の収穫やファーストストライクが最高かと言われれば、
それはそれで怪しいところだ。

上の統計では18しかないが、
フィドルスティックスの開放の魔導書は全盛期には良く使われていたし、
半年ぐらい前もプロの大会で使われていた記憶がある。

ミシックアイテムが削除されたのは、アーゴットなどのように、どうしても合わないチャンピオンがいたからだとされている。
チャンピオン数が多いので、キーストーンにも似たような問題がある。

ストラテジー要素

魔導書が実行可能な選択肢である場合、
それはリーグ・オブ・レジェンドの「チェスの試合」の側面を増大させ、
対戦相手に主要チャンピオンからのより広範な潜在的なサモナースペルの使用を
常に考慮させることを強いた。

敵のオーンがオールインのためにイグナイトを持っている可能性、
敵のサポートがテレポートで現れるかもしれないこと、
または敵のミッドレーナーがガンク試行の前にクレンズに交換するかもしれないことを知ることは、
戦略計画と実行に複雑さの層を追加した。

この「未知の」要因は、
「それを使用するために積極的な精神的努力を必要とする」こと、
そしてそれに対してプレイすることの必要性によって強調されるように、
その力の一部だった。

6. 結論:「開放の魔導書」の軌跡と未来

A. 「開放の魔導書」の進化する役割の概要

魔導書は、当初のクールダウン短縮に焦点を当てたルーンから、
非常に柔軟なスペル交換ツールへと進化し、
プロシーン(特に2018年)で頂点を極めた。

その後、ナーフやメタの変動により衰退したが、
最近の/今後の強化により再興の可能性を秘めている。

少なくともパッチ25.10では、征服者などのように、火力が重視されるソロキューでも使えるレベルだ。
ただしマスター未満のプレイヤーならば、他に覚えることがある(2回目)。

B. 設計思想とバランスの課題

魔導書は、極端な戦略的柔軟性を提供するという実験として議論できる。

このようなルーンのバランスを取ることの難しさは明らかである。

選択されるほどの影響力を持ちつつ、他のキーストーンの選択を抑制したり、
必須になったりしないようにする必要がある。

絶え間ない調整は、この綱渡りを浮き彫りにしている。

魔導書の全歴史は、ユニークで戦略を変えるツールを提供したいという
ライアットの願望と、コミュニティ(特にプロプレイヤー)が
それらのツールを最適化する能力との間の緊張関係の証である。

これはしばしば再調整を必要とする。

初期のCDRの乱用から、
パッチ8.9のリワーク後に可能になった非常に柔軟なメタ、
そしてその支配を抑制するためのその後のナーフまで、
魔導書の物語は行動と反応の一つである。

今後の強化は、このようなユニークで強力なコンセプトに対して
完璧で安定したバランスを達成することが非常に困難であることを示唆する、
この進行中のサイクルのもう一つのステップである。

C. 戦略的多様性への永続的な影響

弱体化された状態であっても、魔導書は創造的なプレイスタイルと
適応を可能にするユニークな戦略的選択肢を代表している。

その歴史は、プレイヤーベースの一部(特にプロレベル)から、
生のステータスよりも適応性と戦略的思考を報奨するツールに対する
一貫した欲求を示している。

魔導書の道のりは、単一のルーンがいかにメタのダイナミクス、
特定のロールのチャンピオンの実行可能性、
さらにはゲームのペース(2018年初頭のより長いゲーム時間で見られるように)に
大きく影響を与えることができるかのケーススタディとして機能する。

その影響は、それを使用したチャンピオンだけでなく、
他のチャンピオンが
それに対してどのようにプレイしなければならなかったかにも及んだ。

  • サポートテレポートの脅威
  • ミッドレーナーがイグゾーストに交換すること
  • オブジェクトでのダブルスマイト

は、ゲーム内のすべてのプレイヤーから
異なるレベルの戦略的認識と適応を強いた。


これは、キーストーンデザインが持つことができる
広範囲にわたる波及効果を浮き彫りにしている。

一般的なプレイヤーには難しすぎる。
という点を除けば、デザイン的に成功したキーストーンだと思う。

D. その未来に関する最終的な考察

(パッチ25.10の)強化がより頻繁な交換を目指していることから、
魔導書は、特にメタが適応性を好む場合や、
特定のサモナースペルが非常に影響力を持つ場合に、
プロプレイにおいて再びより顕著な、おそらく依然としてニッチな役割を
見つけるかもしれない。

パッチ25.10のような強化による魔導書の潜在的な再興は、
特定のロールにおいてより多くのユーティリティと適応性を重視する方向への
回帰を示唆する可能性があり、
生のダメージや単一の最適化されたチャンピオンビルドに過度に依存する
メタに対抗する可能性がある。

魔導書が再び強力な競争相手になれば、
その柔軟性を活用できるより多様なチャンピオンピックや
プレイスタイルを奨励するかもしれない。

例えば、バーストダメージが蔓延している場合、
複数の防御的サモナースペルに交換する能力は非常に価値のあるものになる可能性がある。

これは、特定のメタトレンドに対する自然なカウンターバランスとして機能し、
より多様で戦略的に豊かな競争環境を促進する可能性がある。

その成功は、自身のメカニズム、個々のサモナースペルの強さ、
そしてリーグ・オブ・レジェンドの全体的な戦略的状況との間の
デリケートな相互作用に引き続き依存するだろう。

終わりに

  • 解放の魔導書は、サモナースペルを交換できるユニークな機能により、他のキーストーンとは異なる戦略的柔軟性を提供しています。
  • このルーンのゲーム内での影響力は、その時々のサモナースペルのバランスや価値に大きく左右されます。
  • 解放の魔導書のバランス調整は、その独特なメカニズムゆえに開発者にとって常に大きな課題となってきました。
  • ルーンリフォージド導入当初、解放の魔導書はサモナースペルのクールダウンを一律で短縮する強力なパッシブ効果を持っていました。
  • パッチ8.9での大規模なリワークにより、解放の魔導書は一時的なスペル交換を戦闘外であればどこでも行えるツールへと変化し、その実用性が飛躍的に向上しました。
  • パッチ8.9以降、特にプロシーンにおいて解放の魔導書は適応性の高さが評価され、様々なチャンピオンで使用される主要なキーストーンとなりました。
  • ツイステッド・フェイトやオーン、特定のサポートチャンピオンなどは、解放の魔導書が提供するレーンでの安全性やマップへの影響力を効果的に活用しました。
  • パッチ10.15での大幅なナーフは、交換クールダウンを増加させ、解放の魔導書の使用頻度と魅力を著しく低下させました。
  • パッチ25.10の大幅なバフにより、解放の魔導書が再び競技シーンなどで採用される可能性が高いです。
  • 解放の魔導書の歴史は、一つのルーンがいかにメタやチャンピオンの戦術、さらにはゲーム全体の進行に大きな影響を与えうるかを示しています。

さて、解放の魔導書について、ずいぶんと長い道のりをたどってきたわけだが、これを書き終えてみると、なんだか古い井戸の底を覗き込んでいたような、そんな奇妙な感覚にとらわれる。暗くて、じめじめしていて、でも注意深く目を凝らせば、底の方でかすかに光る何かが見えるかもしれない、といった類いの井戸だ。

パッチノートだとか、プロシーンのデータだとか、そういうものを一つずつ紐解いていく作業は、浜辺に打ち上げられた様々な形の石ころを拾い集めることに似ている。どれもこれも少しずつ違っていて、太陽の光を浴びて乾いているものもあれば、まだ海の匂いをかすかに漂わせているものもある。それらをただ並べて眺めていると、いつの間にか時間が過ぎていく。

解放の魔導書というのは、考えてみれば不思議なルーンだ。他のキーストーンが、もっとこう、筋肉だとか、硬い盾だとか、あるいは鋭利な刃物だとか、そういう即物的なものに例えられるのに対して、こいつはまるで、ポケットに何枚かのコインを入れておくことに似ている。いざという時に、どのコインを取り出して使うか、あるいは使わないままポケットに入れておくか。それによって、その後の展開がほんの少し、あるいは大きく変わってくる。その選択の瞬間に、ささやかな、しかし確かな重みが宿る。

かつて、誰もがそのクールダウン短縮という名の静かな恩恵にあやかろうとした時代があった。井戸の底から湧き出る清水のように、何もせずとも喉を潤してくれる。だが、世界はそれを許さなかった。システムは変更され、魔導書は自らの手で井戸を掘り、必要な時に必要な水を汲み上げなければならないルーンになった。多くの者はその手間を嫌った。もっと手っ取り早く、太陽の光を浴びて暖まったコーラを飲みたいと思った。それはそれで、一つの正しいあり方だろう。

しかし、一部のプレイヤーたちは、その新しい仕組みに適応していった。彼らは井戸の掘り方を覚え、いつ、どこで、どの深さまで掘れば、望むサモナースペルという名の水が得られるかを知っていた。彼らはそれを駆使して、ゲームという名の広大な砂漠を渡っていった。その姿には、ある種の孤独と、そして静かな誇りのようなものが感じられた。

ナーフによってその輝きが失われた時期もあった。井戸はさらに深くなり、水を汲み上げるのは骨の折れる作業になった。多くのチャンピオンがそこから離れていった。彼らには、もっと楽に得られる別の水源があったからだ。それは仕方のないことだ。世界は常に変化し、我々はそれに合わせて生きていくしかない。

そして今、また新しい変化が訪れようとしている。井戸は少し浅くなり、水も以前より冷たく澄んでいるかもしれない。かつて魔導書と共に砂漠を渡った旅人たちが、再びその手に鶴嘴(つるはし)を取るかもしれない。あるいは、全く新しい旅人が、その井戸の存在に気づき、静かに足を踏み入れるかもしれない。

結局のところ、このルーンが何であり、そして今後どうなっていくのか、正確なところは誰にもわからない。それはただ、ゲームという名の大きな流れの中に浮かぶ、一つの小さな、しかし奇妙な存在であり続けるのだろう。我々ができるのは、その存在に気づき、もし興味を惹かれたなら、ほんの少しだけ、その歴史やメカニズムについて考えてみることだけだ。それだけでも、いつかどこかで、何かの役に立つことがあるかもしれないし、そうでないかもしれない。人生というのは、えてしてそういうものなのだ。

  • マスター未満のプレイヤーは、開放の魔導書ではなく他のことを覚えたほうが効率がいい
  • リーサルテンポ or 征服者メインのチャンピオンは、開放の魔導書は考えなくていい
  • アタックムーブをバインド設定にしている人は、シフトを押しながらじゃないとサモナースペルを交換できない

1 昔は征服者のオムニヴァンプが12%とかあり、
とりあえず2年くらい前までは、
長い間欠陥キーストーンだった。

メレーでプレスアタックや電撃を入れる理由が、
見当たらないくらいだった。

今はだいぶ性能が落ち着いたので、
もしかしたら開放の魔導書も行けるかもしれない。

開放の魔導書の長い話【ミッドでフラッシュ+テレポートの時に魔導書にする】

多少古い記事になるが、
上の記事で詳しく説明している。

使い方は難しいのであるが、
また現実的な選択肢どころか、
強力な選択肢として浮上してきたので、
貼っておくとする。

-考察記事
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