「コミットメントレベル」という概念をご存知だろうか。
これはLeague of Legends(LoL)に限らず、あらゆる目標達成において極めて重要な要素である。
端的に言えば、コミットメントレベルとは「目標達成への心理的な関与の度合い」を指す。
すなわち、個々人が抱く目標に対し、どれだけ真剣に、そして強く達成を望んでいるか、その意志の強さを表す指標と言える。
ランク向上、新規ロールやチャンピオンの習熟、競技シーンでの勝利……目標の具体的内容は問わない。
重要なのは、その目標に対する「本気度」こそがコミットメントレベルであるという点だ。
普通の人はLOLに限らず練習をしないし、機会があればできるだけ怠けようとする。
コミットメントレベルが高ければ勤勉になるというか、コミットメントレベルが高くないと勤勉になれない。
本稿では、
- コミットメントレベルの定義とその重要性
- コミットメントレベルを高め、維持するための具体的な方策
- コミットメントレベルの低下がもたらす弊害
- LoLにおける勝利とコミットメントレベルの相関関係
について、詳細な分析と考察を行う。
特に、
- 目標達成の過程で挫折を経験しやすい
- 目標設定後、早期にモチベーションを喪失する
- 行動の継続が困難である
といった課題を抱えるプレイヤーにとって、本稿は有益な示唆を提供するものと確信する。
本稿を通じて、コミットメントレベルという概念への理解を深め、各々が掲げる目標達成への確かな道筋を見出す一助となれば幸いだ。
この記事はパッチ25.04の時に執筆されました。
コミットメントレベルとは
コミットメントレベルとは、目標への心理的な関与度合いである。
すなわち、目標を達成したいという気持ちの強さと言い換えることができる。
コミットメントレベルが高いほど、目標達成への意欲が高く、目標達成のために努力を惜しまない傾向がある。
コミットメントレベルの高低を左右する要素
コミットメントレベルの高低は、以下のような様々な要素によって左右される。
- 目標の重要性
- 達成可能性
- 緊急性
目標の重要性
目標が自分にとって重要なものであるほど、コミットメントレベルは高くなる。
例えば、健康維持という目的でハードな運動を継続できる人は、めったにいないだろう。
少なくとも私は見たことがない。
歩くぐらいなら出来るし、実行している人はいるけれど、身体付きが変わるほどのトレーニングはできない。
私の場合だと、
- インターネットで知り合った人と実際に会う時に、ガッカリさせないために鍛えている
という動機が、健康維持や異性にモテたいという動機よりはるかに強く作用した。
公衆の面前で胸を張って言える動機なんて、本当の動機じゃない上になんの役にも立たない。
目標の達成可能性
目標が達成可能であると感じるほど、コミットメントレベルは高くなる。
例えば、1日1万歩歩くという目標は、多くの人にとって達成可能な目標であるため、コミットメントレベルが高くなりやすい目標と言える。(7000歩歩けば良いらしく、それ以上は歩けば歩くほど良くなるそうだ。)
達成しやすいのであれば、そこまで重要じゃなくてもできる。
「内発的動機づけ」という言葉があって、それは「外発的動機づけ」よりも数段崇高な響きがある。
しかし達成しやすくフィードバックが速い物事ほど、「内発的動機づけ」が強化されやすいらしい。
私はこれを聞いた時に「えっ?」と思ったのだけど、思い当たる節はたくさんあった。
LOLのような対戦ゲームは、まさに即座にフィードバックが貰える代表である。
文章は最近になってようやく、「こうやって書くのがいいんだな」という方向性がわかってきた。
目標の緊急性
目標が緊急性の高いものであるほど、コミットメントレベルは高くなる。
例えば、締め切りが近い仕事は、緊急性の高い目標であるため、コミットメントレベルが高くなりやすい。
普通の人は夏休みの宿題を、最終日間際になるまで手を付けない。この経験は誰もがしているため、パーキンソンの法則を例に出すまでもないだろう。
また、第2領域という考え方がある。
- 重要度と緊急度で分ける
- 4つに分かれる
- 重要だけど緊急じゃないこと(第2領域)は人間手を付けない
- 重要だけど緊急じゃないこと(第2領域)に力を入れよう
しかしやはり、私を含めて大多数の人は第2領域をすることはない。
緊急性がないから。
最も緊急性があるのは、昔の格闘ゲームだと今でも思う。1作品の寿命が凄く短かったので、マイペースでやってたらコンボ出来る前に対戦相手がいなくなってしまう。
コミットメントレベルを高めるためには
コミットメントレベルを高めるためには、以下のような方法が有効である。
- 目標を具体的に設定すること
- 目標達成によるメリットを明確にすること
- 周囲に目標を宣言すること
- 締め切りを決めること
目標達成を促すには、目標に対するコミットメントレベルを高めることが重要である。
コミットメントレベルは、目標達成に大きな影響を与える
コミットメントレベルが高いほど、目標達成率は高くなる傾向がある。
これは、コミットメントレベルの高さが、以下のような目標達成に必要な要素に良い影響を与えるためだ。
- 行動意欲
- 継続力
- 集中力
- 問題解決能力
コミットメントレベルが高いほど目標達成率が高い理由
- 行動意欲の向上: コミットメントレベルが高い人は、目標達成への意欲が高く、積極的に行動を起こそうとする。
- 継続力の向上: コミットメントレベルが高い人は、困難に直面しても諦めずに努力を継続できる。
- 集中力の向上: コミットメントレベルが高い人は、目標達成に集中し、気を散らすものに惑わされない。
- 問題解決能力の向上: コミットメントレベルが高い人は、目標達成を阻む問題に対して、積極的に解決策を見つけようとする。
コミットメントレベルが低い場合の課題
一方、コミットメントレベルが低い場合は、目標達成が困難になる。
- 挫折しやすさ: コミットメントレベルが低い人は、ちょっとした困難に直面すると、すぐに諦めてしまう傾向がある。
- 先延ばし癖: コミットメントレベルが低い人は、目標達成のための行動を先延ばしにしてしまう傾向がある。
- モチベーションの低下: コミットメントレベルが低い人は、目標達成へのモチベーションが低く、なかなか行動を起こせない。
コミットメントレベルを高めることは、目標達成を成功させるための重要な要素と言える。
目標を具体的に設定する
目標は、具体的であればあるほど、コミットメントレベルが高まる。
例えば、「健康になる」という抽象的な目標ではなく、「毎日30分歩く」という具体的な目標を設定する方が、コミットメントレベルは高くなる。
目標設定の際には、「SMART」の法則を意識すると良い。
- Specific(具体的):目標は具体的でなければならない。
- Measurable(測定可能):目標は測定可能でなければならない。
- Attainable(達成可能):目標は達成可能でなければならない。
- Relevant(関連性):目標は、自分の価値観や目標に関連している必要がある。
- Time-bound(期限付き):目標には期限を設定する必要がある。
「SMARTの法則なんて機能しないことのほうが多いだろう」
なんて思っていたのだけど、確かに有効かもしれないと思った。
特にAttainable(達成可能)っていう部分が素晴らしい。小物っぽい感じが。
目標達成によるメリットを明確にする
目標達成によって得られるメリットを明確にすることで、コミットメントレベルを高めることができる。
例えば、「毎日30分歩く」という目標を達成することで、「体重が減る」「体力がつく」「ストレスが解消される」といったメリットがあると明確に認識することで、コミットメントレベルを高めることができる。
周囲に目標を宣言する
周囲に目標を宣言することで、コミットメントレベルを高めることができる。
目標を宣言することで、自分自身にプレッシャーをかけることができ、また、周囲からのサポートを得ることもできる。
ゲートキーパーという手法だ。
進捗状況を可視化する
進捗状況を可視化することで、コミットメントレベルを維持することができる。
目標達成までの進捗状況をグラフや表などで可視化することで、モチベーションを維持しやすくなる。
自分にご褒美を与える
目標を達成したら、自分にご褒美を与えることも有効だ。
目標達成の喜びを味わうことで、さらにモチベーションを高めることができる。
先にご褒美を与えてはいけない。
コミットメントレベルと4つのパターン
- コミットメントレベルが高いか低いか
- 決意表明(空のコップ)か進捗表明(水が溜まっていってるコップ)か
1 コミットメントレベル(やる気)を高く見せたいということはあっても、
自分のコミットメントレベルがわからない人はいないはずだ。
2 2はちょっと難しい。
行動の決意表明を重視する人は、目標への決意が固く、その目標を達成する能力があることを証明したいと考えている。
空のコップに例えられる。
目標達成の進捗表明を重視する人は、目標を達成することに重きを置いており、まだ達成していないことに目を向ける。
水が溜まっていってるコップに例えられる。
LOLにおいてスケーリングの高さは、自己効力感と同じ意味だ。
4つのパターン
- コミットメントレベルが高い+決意表明(空のコップ)
- コミットメントレベルが高い+進捗表明(水が溜まっていってるコップ)
- コミットメントレベルが低い+決意表明(空のコップ)
- コミットメントレベルが低い+進捗表明(水が溜まっていってるコップ)
- 機能する。
- 機能する。
- 機能しにくい。
- 機能する。
高い人は何をしても機能しやすい。
コミットメントレベルが低いが決意表明してもダメな理由
コミットメントレベルが低い人は、目標達成への意欲が低い状態にある。そのため、決意表明だけでは、行動を促すには不十分だ。
空のコップは、目標達成への道のりの長さを示唆し、かえってモチベーションを低下させてしまう可能性もある。
私はLOLでブリッツクランクが試合の途中から、AFKやトロールをするシーンを50回以上は見た。初心者もそういったことをするが、ブリッツクランクとの共通点はなんだろう?
それは
- 試合の見通しが立たないこと
である。
初心者にとって、後半も味方のケイルと敵のエイトロックスの強さは同じだ。
少なくとも、そのように見える。
理想的な試合の展開もわからない。
ブリッツクランクは序盤は強いけれど、後半はワードを置くか壊すかしかやることがない。
これでは見通し的には初心者とかわらない。
- 初心者はやるべきことがわからない
- ブリッツクランクはやることがほとんどない
「コレとコレをして、あとはこのままいけば勝てる」人間そういう状態が最も力を発揮するわけだ。
コミットメントレベルが低い人、およびブリッツクランクでもモチベーションを高めるには?
進捗状況を目に見える形で確認することで、モチベーションを高めることができる。
水が溜まっていくコップは、たとえ小さな進歩であっても、それを視覚的に認識することで、達成感を感じ、継続する意欲を高める効果がある。
このように、コミットメントレベルが低い場合は、進捗表明を重視する方が、モチベーションを高く保つことができる。
進捗状況を可視化し、達成感を感じやすくすることで、目標達成への意欲を高めることができる。目標達成までの道のりを細かく区切り、それぞれの区切りで進捗状況を確認できるようにするとよい。
また、目標達成シートを作成し、進捗状況を記録していくことも有効だ。
さらに、進捗状況を周囲に報告することで、モチベーションを維持することもできる。
このように、さまざまな方法で進捗状況を可視化し、達成感を感じやすくすることで、目標達成を促進することができる。
ドラゴンの数、自分と味方チャンピオンのスケーリング、味方のキャリーが上手かどうか。LOLの試合ならば、ここらへんかなーと思う。
100分の1プランニング
独学大全に書いていた方法だ。しかし難点が1つ。
- 「初心者が100ステップもプランを組めるだろうか?」
やるべきことがわからないから初心者なわけだ。
ところが今は比較的簡単に解決できる。AIである。
AIを課金して使っていない人でも、Grok 3が期間限定で無料なのでソレを使えばいい。
プランを立てるぐらいなら、それ以外の無料のAIでも行けると思う。
終わりに
- コミットメントレベルとは、目標への心理的な関与度合いであり、目標達成意欲の強さを表す。
- コミットメントレベルは、目標の重要性、達成可能性、緊急性によって左右される。
- 目標が具体的であればあるほど、コミットメントレベルは高まる。
- 目標達成によるメリットを明確にすることで、コミットメントレベルを高めることができる。
- 周囲に目標を宣言することで、コミットメントレベルを高めることができる。
- 進捗状況を可視化することで、コミットメントレベルを維持することができる。
- 目標を達成したら、自分にご褒美を与えることも有効である。
- コミットメントレベルが高いほど、目標達成に必要な行動意欲、継続力、集中力、問題解決能力に良い影響を与える。
- コミットメントレベルが低い場合は、挫折しやすさ、先延ばし癖、モチベーションの低下などの課題がある。
- 進捗状況を目に見える形で確認することで、モチベーションを高めることができる。
コミットメントレベルが高い場合は、コミットメントレベルを高める工夫をする必要がない。
なので問題は、コミットメントレベルが低い時にどうするかだ。
- 行動をスモールステップに分ける(AIを使うと簡単)
- 簡単なことから終わらせていく
- 終わったものにチェックを付けていく(記録する)
- そのうちコミットメントレベルが高まっていく
まさに100分の1プランニングの手法は、コミットメントレベルが低い状況を想定したものである。
しかし、実際にこのような緻密な計画を実行に移すのは、往々にしてコミットメントレベルの高い人々であろう。
自動車の発進時と同様に、物事を始動させる初期段階こそ、最も大きなエネルギーを要するからである。
結局のところ、人生における物事の成否は、気合や根性といった精神力に左右されるのかもしれない。
まずは最初の一歩を踏み出し、初日だけでも全力を尽くせるかどうかが鍵となる。
LoLで言うなら、序盤のレーン戦でどれだけ気合を入れてファームし、有利を築けるか。それがスノーボールに繋がるかどうかの分かれ道になる。
結局、
「最初の数分を頑張る」
何事もコレが最も大事らしい。



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