考察記事

LOLは反復するタイプのゲーム、過去の知識が無駄にならない。

学問には「直進するタイプ」と「反復するタイプ(螺旋状に反復しながら進むタイプ)」があるような気がします。

大澤真幸著 社会学史 6Pより引用

例えば哲学は、基本的には哲学=哲学史。

ソクラテスについて論じる、みたいなかたちで自分の説を語る。

LOLも同じで

  • ブロンズプレイヤーと一緒にプレイした感想
  • この間のプロの大会を見て特定のシーンを語る
  • グレイブスのビルド

こういったことは全て、どうしても過去と比較しながら語ることになる。

大会の戦術の話は仕組み的に過去になるし、チャンピオンのビルドについても過去を知っていないといけない。

過去を知らないと、LOLでは良いプレイヤーになれない。

知らなくてもダイヤやチャレンジャーには慣れるけれど、あまりLOLを語れない。

その証拠に低レートの人はパッチノートに関心がなく、ヤバい弱体化を食らったチャンピオンも、抵抗なく使い続ける。

一方で格闘ゲームなどは全く関係がない。

私は東方非想天則で非常に名のあるプレイヤーだったのだけど、格闘ゲームは以前のバージョンの性能を知っていても全く意味がなかった。

「この霊夢ってキャラは、初期のパッチだと非常に強かったんですよ」

という知識は、なんの意味もなかった。

むしろ忘れたほうが良かった。

グラブルVSなら

「このフェリってキャラは以前のバージョンでは最強で、賞金100万の大会で優勝した人もフェリを使ってました」

だから? という感想しかない。

必死に身に着けたフレーム表が、不幸な思い出と同じ扱いになる。

「早く忘れたほうがいいよ」という扱いは悲しい。

  • 格闘ゲームは直進するタイプのゲーム
  • LOLは反復するタイプのゲーム

私が格闘ゲームをしなくなったのは、知識が積み上がっていかないから。

TFTも1年置きに大幅に仕様変更されるので、本格的にプレイする気になれない。

LOLには好意的だが、TFTはチョット……というのが私の立場である。

それではもう少し、反復するゲームについて、語らせていただきたい。

この記事はパッチ10.20の時に執筆されました。

初心者が考えたことは我々も考える

  • 味方が弱いから負ける

人によってどれくらい本気で考えるかわからないが、大なり小なりこういったことは考える。

他に原因があるのはわかるのだが、「試合に負けるのは味方が弱いせいだ」と、直感的にそう思ってしまう。

これは個人化というバイアスで、何も思索しない場合、悪いことがあれば誰か特定の人物のせいだと考える思考のクセ。

  • ノーマルゲームで対面のダイヤに勝った

初心者は「腕で勝った!」みたいに思うかもしれませんが、不慣れなチャンピオン、対面との相性、ノーマルゲームなんでMRが入っていない、など色々ある。

逆に上手な人はローディング画面から勝敗がある程度わかるので、勝っても負けても特になんとも思わない。

  • ジャングラーはガンクが重要

友人や知り合い同士でLOLをした場合に、こういったことを人に言う人がいる。

順序としては、まずジャングルの狩り方がわからないと、ガンクはできない。

ガンクは最初に教えることではない。

つまり言う側は相当適当なことを言っている、そして言われている人はコミュニティーでは存在に扱われている。

  • 初心者にサポートをさせる

身内でやる時、下手な人にサポートをさせる人がいる。

サポートが難しいという認識は歪んでいるので、ゴールド未満の人にサポートをやらせるのは理に適っているかもしれない。

しかし、やらされるというのは、他の4人のために犠牲になっている。

そのサポートをやらされている人は、搾取されている。

いま挙げたことを体感している人は多い。

そしてLOLをプレイし続けるなら頻繁に見聞きする光景だ。

そういった問題を、何度も何度も考えるのがLOL。

LOLはあんまり直進しない

これはLOLに限らず、DOTA2などでも昔から言われている。

LOLの新戦法とは大体2つに分けられる。

  1. 再生数稼ぎや目立ちたいだけの戦法
  2. 本当に強い戦法だが速攻修正される

1はLOLに限らずどの分野でもあって、よっぽどアカデミックな分野じゃない限り、現在はそういったものが多い。

面白い動画や珍しい動画を挙げて再生数を稼ぐ、悪いことじゃない。

見るほうもよっぽどの初心者じゃなければ、ただのおもしろ動画なんだなとわかる。

例えばLOLでいうと、オラフで体力を減らしながらジャングルをフルクリアすると速いとか、そういった動画のことだ。

ある程度LOLを知っている人は、「オラフスケーリングよええんだから、フルクリアすんなよ、やんなら別なチャンピオン使え」と、考える。

でも見る側は上達したいから見るわけじゃなく、楽しみたいから動画を見るわけで、別に悪くない。

2はLOLが競技性の高いゲームなのか、本当に強い戦法はすぐに修正される。

少し前だと、ファンネリングという戦法が修正され続けた。

ファンネリングというのは、ミッドとジャングルが一緒に動き続けて、片方にゴールドを集め続ける戦法。

マスター・イー+タリックとか、レンガー+アイバーンとか、カーサス+ヌヌとか、色々組み合わせがあった。

ナーフよりの調整は上手くいっている。

ソーシャルゲームじゃないので、昔のほうが強かった、くらいのほうがちょうど良いのだろう。

本格的に新しいロールを覚えるならパッチ10.21から

LOLには進撃の巨人の序盤みたいに、文明を進歩させないような力が働いている。

単純にゲーム自体の敷居が高いので、基本的な流れが頻繁に変わると、プレイヤーが大変だからだと思う。

私の記憶だとここ数年で大きく変わった変更は、ジャングルの湧き時間が短くなったくらいだ。

ジャングルは覚えるまで難しいせいで、ダントツ不人気のレーンだと公式で問題になっている。

湧き時間が短くなったので、より難しくなったような気がしてならない。

ジャングルが人気ロールになった話は聞いたことがないので、少なくとも簡単にはなってなさそうだ。

パッチ10.21からアイテムが変わるので、本格的にジャングルを覚えてみようとか、ミッドに挑戦してみようとかなら、10.21から始めるのをオススメしたい。

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