ERROR FREE 世界のトップ企業がこぞって採用した MIT博士のミスを減らす秘訣
の書評を書く。
タイトルは全然面白くなかった。
「間違いをしないようにするだなんて、神経症の人みたいだな」
というのが、
この本に対する第一印象である。
しかし読んでみたら面白く、
一週間くらいずっと読んでいた。
- 単一脆弱点といって、全部ダメにする失敗がある
- エラーには3つのタイプがある
- 知識型エラーで失敗すると、不幸せになる
あまりにも普段の生活で馴染みがある。
この記事はパッチ13.1bの時に執筆されました。
ソレがダメだと全部ダメになる【単一脆弱点】
ある種のエラーは計画全体や意思決定、さらには企業全体をも瞬時に崩壊される。
ERROR FREE 世界のトップ企業がこぞって採用したMIT博士のミスを減らす秘訣 (p.63)
それが「単一脆弱点」だ。
私は1000人以上プレイヤーを見てきたのだけど、
次に当てはまる人は、
上達の見込みはない(かなり薄い)。
- ゲームに慣れる前からネットのデッキをコピーして使う
- ゲームに慣れる前からネットで情報を集める
- ゲームに対して勉強とか頑張るとか言い出す
1 カードゲームの話。
特に説明の必要がないくらい、
典型的なダメパターン。
2 1と似ている。
基本的にやってもいないことを調べる場合とは、
やりたくないことをする時である。
それにゲームというのは、
失敗しても危険がないので、
本来は全く構える必要がない。
3 友人とケーキを食べる時、
友人が
「頑張って食べる」
と言った場合
「食べなくていいよ、俺がお前の分も食べるよ」
というはずだ。
友人がケーキを嫌いじゃないと、
出てこないセリフだからである。
プレイすること自体が目的じゃないのであれば、対戦ゲームをプレイしてもボコられ続けるだけ。
3つのエラーの種類
まず簡単に説明する。
- 知識型エラー
- 規則型エラー
- スキル型エラー
1 知識を要する仕事で発生するエラー。
求められる注意力が高く、
反復で習熟度が上がらない作業のこと。
2 規則に従って行う作業で発生するエラー。
規則や作業手順があるので、
エラー率は知識型エラーより低く。
作業難度も低い。
3 規則的な定型作業を1000回繰り返すと、
習熟度が上がってスキルに変わる。
3つの中だと、
最もエラー率が低い。
それではコレら3つを、
LOL風に説明していく。
エラーにはレベルがあるわけだ。
知識型エラー
LOLで言えば
- プロ選手になっていい成績を出す
- 配信者として人気が出るようにする
- Youtuberとして人気が出るようにする
- どうやってLOLが上達するか考える
こういうのは明らかに
「寝ても覚めても考えているなら、結構いい線行くかもね」
という話だ。
相当な熱意がなければ、
正直
- 何から手を付ければいいかわからないし、考えてもわからない
というのが当たり前だろう。
規則型エラー
実際のLOLの試合は、
知識型ではなく規則型だ。
つまり一般的なプレイヤーが下手なのは、
頭が悪いのではなく、
規則を理解していないからである。
例えばパッチ13.1b現在、
マークスマンで2手目コレクターを買うと、
味方から暴言が飛んでくる。
- インフィニティエッジとナヴォリクイックブレードが40%から効果が出る
- ブラッドサースターが200ゴールドも安くなった(何故かバフされた)
- エッセンスリーバーもバフされた
からだ。
LOLのビルドの仕組みは簡単で
- 序盤はファームするために武器を買うのが好ましい
- 全てのアイテムを把握している
- 防御計算式は知っている
こういった条件を満たしていればいい。
コレはハッキリ言って、
- プラクティスをやったことがあるかどうか
の違いでしかない。
スキル型エラー
次のことは毎日やると、
ほとんど失敗しなくなる。
- ドレイヴンの斧をキャッチする
- アリスターでW>Qコンボを決める
- ガングプランクで2連樽Q起爆を決める
2 アッシュのRは3回に1回当たれば文句無しだが、
アリスターのW>Qは1度でも失敗すれば、
それだけで試合を落とす可能性が高い。
失敗しなくなると書いたけれど、
私はするし、
あなたもするはずだ。
なのでもう少し一般的なことを書くと
- 全てのスキル硬直を移動でキャンセルして、AAを挟む
- リーシュは1:37秒くらいまでする
- リーシュ後レーンに向かう時は茂みに敵がいる可能性があるので、ポーションを飲む準備をする
1 コレはダイヤ以上のプレイヤーなら、
ほとんどの人ができる。
2 書いた後に思ったけど、
規則型エラーじゃないかなと思う。
3 ポーションを飲まずに負けたのであれば、
スキル型エラーになる。
不幸せ合計時間
2008年、カリフォルニア大学リバーサイド校が重要な調査を終えた。
ERROR FREE 世界のトップ企業がこぞって採用したMIT博士のミスを減らす秘訣 (p.124)
ビッグデータを活用して調査対象者の分析と追跡を行った結果、幸せな人はみな、最後に成功を収めていることが分かったのだ。
この結果は、成功の前にまず幸せがあることを意味している。
成功したから幸せなのではなく、
幸せだからこそ成功する。
ショーン・エイカーの、
幸福優位論みたいだ。
上に書いた見出しの、
- ソレがダメだと全部ダメになる【単一脆弱点】
では選択するゲーム、
あるいは時間の使い方が
間違っていたわけだ。
- 他のプレイヤーと楽しく会話しながら、軽々ダイヤになる人
- 味方に文句を言いながら、一生シルバーの人
この違いは、
2の人はどうやら
- 知識型エラー、LOLを選択したのが失敗
となっているらしい。
他の分野ならば、
1と2の人は逆だったかもしれない。
やはり仕組み的に、規則型エラーやスキル型エラーは少ないのだとわかる。
知識型エラーの7つの失敗
具体的に
- 次の7つで知識型エラーをすると、不幸せ合計時間が増える
そうだ。
- 配偶者やビジネスパートナーの選択を間違う
- 親戚や友人と良好な人間関係を築けない
- 職業の選択を間違う
- 人生の目標の選択を間違う
- 必要な知識を獲得できない
- 誘惑に屈する
- 大きな機会をつかみ損なう
どれも難度が高い。
知識型エラーを防ぐ5つのマインドセット
- 盲信
- うぬぼれ
- 自分の無知を自覚していない
- 過去への執着
- 二者択一の決定モデル
1 権威者が発信する
間違った情報を信じることで発生する。
ゲームに権威者っていないので、
私はゲームに限り、
このエラーをしたことはない。
しかしゲーム以外だと、
みんな立派に見えるので、
盲信しかしていないかもしれない。
2 自分に改善点が何もないと思っていれば、
他人に文句を言い続ける。
確かに少し考えてみれば、
仕組み的にそうなってしまうだろう。
3 無知の知って言葉があるが、
アレは
「そもそも書いてない」
カッコいいから
勝手に作った造語なんだそうだ。
※ 海外でもあるらしい。
自覚って書いてあるのは、
この本の著者も
そういうことを知っているのかなと感じた。
4 サンクコストバイアス。
5 スプリッティングと言って、
敵か味方か、
好きか嫌いかで分けると、
全然脳みそが疲れない。
なので世の中のコンテンツは、
こういうシンプルなものが基本だ。
初心者でもわかるようにするとか、
自分が何かを初めたばかりの時の手法である。
簡単な回避方法
- 盲信の回避
- うぬぼれの回避
- 無知の無自覚の回避
- 過去への執着の回避
- 二者択一の決定モデル
1 間違った情報を排除する。
私は他人のLOLの話を一切聞かない。
LOLに関しては、
かなり極端な方法を取っている。
2 エラー検証センターを設置する。
達人として1つあなたにアドバイスするが、
試合中に自分や他人のエラーを判断してはいけない。
そういうのは、
試合が終わった後にしよう。
3 知識探究システムの構築。
1人の知識や経験には限りがあるので、
その限界を超えるために、
ツールやパートナーを見つける必要がある。
4 環境の変化、
自社の戦略を定期的に検証する。
あなたがそれなりの経験者ならば、
パッチノートは見たほうがいいってわけだ。
5 意思決定の際には、
必ず5つの選択肢を用意して、
分析して比較できるようにする。
意思決定の時のエラー率が高いのは、
単純に選択肢が2つしかないから。
規則型エラーを防ぐ
- 優れた標準作業フローが必要
- 人間には注意力に限りがある
- 意図的な規則違反
- 意図しない規則違反
1 スキルは必ずショートカットで取る。
ポーションのボタンは決めておく。
味方がトロールしてるなら、
こちらも動画見ながらプレイする。
とかである。
2 能力に見合った作業フローにする。
あなたが名のあるジャングラーならば、
動画見ながらプレイしても(他のことを考えていても)、
毎試合軽々と活躍するだろう。
しかしそうじゃないなら、
ビルドや1周目のルート、
クリア方法など、
まず考えずにできるようにする必要がある。
人間は3~5個くらいの事柄にしか
注意できないからだ。
3 損得を計算して規則を破る行為。
誘惑を抑えれば減らせる。
4 規則に不備があるので違反が誘発されたもの。
システムを改善しないとダメ。
LOLを上手になりたいなら、自分に合った優れた標準作業フローを作成すること。
簡単なものでいい。
スキル型エラーを防ぐ
人間には注意力のビー玉があって、
疲れたり、悲しいことがあると激減する。
注意力を回復させるには
- 歩く
- 音楽を聞く
- 就寝時間を守る
誰でも知っていることだが、
何か問題を抱えている人は、
物事を考えられなくなる。
難しい作業にはビー玉が5個必要なのに、
身内に不幸があれば4個減るらしい。
1個しかないなら、
口を開けながらYoutube見る以外、
何かできるだろうか?
慣れたゲームをするのと、
新しく初めたゲームのルールを覚えるのでは、
どうみても後者のほうが大変だ。
終わりに
- まず単一脆弱点を改善する
- 知識型エラーが最もエラー率が高い
- 知識型をエラーを集中して改善するのが効率がいい
- その後に作業フローを作成する
- その後さらに規則型エラーに取り組む
- スキル型エラーは、危険がなければ無視して良さそう
- 知識型の作業は、なるべく規則型に変換する
エラー率は
- 知識(大半)>規則(10%未満)>スキル(1%未満)
となっているので、
知識型エラーに重点を置くと良いだろう。
本を読んで面白かったのは
- 単一脆弱点は知識型エラーなことが多い
- 作業フローは必要
- ドレイヴンの斧を落とすのは体調が悪いから
色々な点が、
よく実感できたところだ。
人間トラブルがあると、
怒ったり落ち込んだりするが、
エラーとして構造的に理解すれば
中々楽しめるようになりそうだ。