物事を新しく始める時、
あるいはLoLで上達しようとする時、
アプローチは大きく2つに分かれる。
- 「毎日定量的にコツコツやる(段階的習得)」
- 「一気にやる(短期集中)」
世間一般のビジネス書やライフハック記事では、
例外なく前者の「コツコツやる」ことが推奨されている。
しかし、私の経験とLoL指導経験から言わせてもらえば、
- 「初心者は最初は一気にやらないと難しい(というか不可能)」
というのが真実だ。
今回は、なぜ
「毎日コツコツ」
が初心者にとって罠となるのか、
そしてなぜ最初は
「一気に挑み続ける」
必要があるのかを解説していく。
この記事はパッチ26.5の時に執筆されました。
夏休みの宿題と2つのアプローチ
誰もが経験したことのある
「夏休みの宿題」
の最適な解決方法は、次の2つしかない。
- 毎日決まった時間に決まった分量をする(定量的)
- 夏休み突入直後に一気に終わらせる(一気にやる)
言うまでもなく、1が理想的であり、
世の中の立派な大人たちが推奨する方法だ。
しかし、現実の我々はどうだっただろうか?
大半の凡人は
「夏休みが終わるギリギリになって一気にやる」
という最悪に近い第三の方法を取っていたはずだ。
憂鬱な気分を抱えたまま夏休みを過ごし、
最後に泣きながら終わらせる。
これはパーキンソンの法則というヤツで、意味は
- 与えられた時間をすべて満たすまで仕事は膨張する
というものだ。
大人になった我々は
「今度こそ毎日コツコツやろう」
と決意し、LoLの練習や筋力トレーニング、
資格の勉強などで「定量的」なアプローチを取ろうとする。
しかし、ここには初心者には越えられない
巨大な壁が存在する。
「定量的にやる(コツコツ)」の残酷な前提条件
物事を段階的に習得していく「コツコツタイプ」のアプローチには、
確実な進歩やモチベーションの維持といったメリットがある。
しかし、この方法には
- 「練習計画を自分で立てなければならない」
という致命的なデメリットが存在する。
例えば、あなたがLoLを始めたばかりの初心者だとする。
「毎日少しずつLoLを上達しよう」と思った時、
一体何を、どのように、
どれくらいの量に分けて練習すればいいか分かるだろうか?
- 「アタックムーブの練習を5分」
- 「ジャングルのフルクリアを3回」
- 「マッチアップを10分」
※ 上はただ書いただけなので、何の参考にもしないでください🙇
……このような緻密なスケジュールを組めるのは、
すでにゲームの全体像を把握しているプラチナ4どころか、
最低でもマスターないと厳しい。
右も左も分からない初心者が、
自分にとって適切な負荷(104%地点)を見つけ出し、
タスクを細分化して計画を立てるなど、
仕組み的に不可能に近い。
つまり、「定量的にコツコツやる」という方法は、
- 「すでにその分野のレディネス(準備状態・基礎知識)が整っている人間」にしか使えない
高度なテクニックなのだ。
初心者がこれをやろうとすると、
計画を立てる段階で認知力を使い果たし、
結局何もしないまま終わってしまう。
ブドウの冬剪定
夏休みの話でも良いのだが、
最近あった出来事を書く。
私は数年前から、
なぜか結構な量のブドウを育てている。
冬の間にする作業の1つに、
枝剪定があるのだが、
- 期間は12~3月に入るまでの間
が一般的である。
私はコツコツやろうと思ったのだが、
結局は本当にギリギリで終わらせることになった。
その時に学んだことは
- コツコツやったとしても、夏休みの宿題と同じで楽しく遊べない
- 見積もりが甘ければ結局ギリギリに終わらせることになる
1 不思議と「毎日これくらいやってれば大丈夫」という安心感がない。
2 人間はこういった能力が低いせいか、
不慣れなことは常に見積もりが甘い。
人生で一度も
「早く終わりすぎたな」
と思った記憶がない。
3. 初心者は「一気に挑み続ける」のが有効である
計画を立てられない初心者が取るべき、
そして実際に成果が出るアプローチは
「いきなり挑み続ける(短期集中タイプ)」
ことである。
自衛隊における「懸垂」の訓練が分かりやすい。
懸垂を1回できるようになるために
- 「斜め懸垂から段階的に習得する(定量的)」
- 「ラットプルダウンなどをする(定量的)」
方法もあるが、自衛隊では
「いきなり懸垂のフォームから始めて、懸垂に挑み続ける」
という方法を取るそうだ。
※ 友人の話です🦖
この短期集中型の最大のメリットは、
「タスク、指示、やること、がシンプルである」
ことだ。
LoLならば
- 「フルクリアして2:55スカトルに間に合わせる」
- 「できるようになるまでやる」
これなら、事前の複雑な計画やスケジューリングは一切必要ない。
※ シン・ジャオとかクリア難度の高いチャンピオンじゃなければ🤓
思考を放棄し、
ただひたすらに大きな負荷をかけてブチ当たる。
初心者のうちは、あれこれと分散させてコツコツやるよりも、
一つのシンプルな課題にエネルギーを集中させ、
一気にやり遂げる(覚える)方が理にかなっている。
特に
- 「1回できれば一生忘れないこと(自転車の乗り方や、ジャングルの基本的な回り方など)」
は、この手法で一気に身体に叩き込むのがいい。
初めてプレイしたMMORPGやハクスラを、
3日寝ないでプレイした経験がある人もいるだろう。
あの「ドーパミンが出ている初期衝動」を利用して、
一気に基礎知識や操作を詰め込んでしまうのだ。
4. 「一気に」から「定量的」へのシフト
しかし、この「一気に挑み続ける」短期集中型にも限界がある。
基礎が不安定になりやすく、
何より
- 飽きた時に苦痛すぎて挫折しやすい(というか普通そのまま辞める)
のだ。
最初の100回は面白くても、
複雑な要素が絡み合う中盤以降の学習において、
初期と同じことをしていてもボコボコにされ続けるのは、
LoLをしている人なら誰でもわかる。
だからこそ、順番が重要になる。
- 最初は「一気にやる」:ゲームを始めた初期のドーパミンが出ている時期に、シンプルな課題に一気に挑み、基本的な操作やルール(レディネス)を身体に叩き込む。
- 基礎ができたら「定量的にやる」:ある程度の全体像が分かり、自分で課題を細分化できるレベル(最低プラチナ4)になったら、そこから初めて定量的なコツコツ型の練習にシフトする。
上手なプレイヤーは、無意識のうちにこのプロセスを辿っている。
最初はゲーム中毒のように一気に熱中し、
自分がコミュニティの中で上位にいると自覚し始めると、
堅実性が身につき、
計画的な練習(定量的アプローチ)へと移行していくのだ。
サバイバルモード
「今すぐ3000円もらうか、1年後に1万円もらうか」と問われた時、
貯金が1億円ある人なら迷わず後者を選ぶだろう。
しかし、所持金が200円しかない人にとっては、
1年後の1万円よりも
目の前の3000円の方が圧倒的に魅力的に映るはずだ。
これは短期的な目線というわけだが、
もう1つ理由がある。
- 1年後の1万円は、貰えるかどうかわからないから
一般的な感覚として、
今すぐ3000円は貰える可能性が高いが、
1年後の1万円は貰える可能性は低い。
人との約束というのは、
普通そういうものだ。
むしろ1年後に1万円もらおうとする人は、
- 貰えなくても構わないから
という可能性が高い。
- 「相手が50%の確率で忘れるとしても、期待値は5000円だから得なはずだ」
くらいに認識しているはずだ。
自分が詳しくないことも、
このサバイバルモードに近い可能性が高い。
終わりに
- 物事の上達アプローチには毎日定量的に行う方法と、短期集中で一気に実行する方法の2種類が存在します。
- 一般的に推奨されるのは定量的な手法ですが、知識のない初心者が最初に取り組むべきなのは短期集中型の手法です。
- 初心者が定量的なアプローチで失敗する根本的な理由は、自分にとって適切な負荷を見極め、練習計画を細分化するための基礎知識がまだ備わっていないからです。
- 人間は不慣れな分野において作業時間の見積もりが甘くなる傾向があるため、初心者にとって最初から完璧な学習スケジュールをこなすことは困難と言えます。
- 短期集中型のアプローチの最大の利点は、複雑な計画を立てる思考を省き、できるようになるまでやるというシンプルな課題に全エネルギーを注げることです。
- ジャングルの基本的な回り方など、一度成功すれば身体が一生覚えているような技術は、この手法を用いて一気に叩き込むのが最も理にかなっています。
- また、新しいゲームを始めた直後に分泌されるドーパミンや初期衝動を利用することで、基礎知識の詰め込みを効率よく進めることができます。
- しかし、複雑な要素が絡み合う中盤以降も短期集中型のアプローチを続けると、基礎が不安定になり、苦痛を感じて挫折しやすくなるという明確な限界があります。
- したがって、初期段階では短期集中でゲームのルールや基本操作に挑み続け、まずはゲームの全体像を把握して基礎を固めることが重要となります。
- 自分自身の課題を細分化して計画を立てられる実力がついてから、初めて定量的なコツコツ型の練習へと移行していくのが、最も成果の出る理想的な手順です。
「毎日コツコツ続けられない自分はダメなんじゃないか」と落ち込んでしまうことがあるかもしれませんが、どうか安心してください。
世間でよく言われる「正しい継続方法」は、すでにその分野の土台ができている人のためのものです。右も左も分からない初心者の段階で、完璧な計画なんて立てられなくて当然なのです。
だから今は、計画通りにできない自分を責める必要はありません。
「楽しい!」「もっとやりたい!」という心の赴くままに、一気にゲーム(あるいは新しい挑戦)に熱中してみてください。時間を忘れるほど没頭するその純粋なエネルギーこそが、あなたを一番成長させてくれます。いつか必ず壁にぶつかり、「ここから先はどうすればいいんだろう」と本気で悩む時期が来ます。
コツコツとした緻密な練習を始めるのは、その時になってからでも決して遅くありません。どうか焦らず、最初は思い切り楽しむことから始めてみてくださいね。
ゲームで考えるとわかりやすい。
過去あなたが寝る間も惜しんでプレイしたゲームは、
- 毎日1時間ずつしていたが、ある日突然面白さがわかり、急に5時間プレイするようになった
というケースは、
おそらく皆無だと思われる。
少なくとも私の人生では1回もない。
面白くないゲームをしてる暇はないのが、
我々の人生だからだ。
GTDという有名なタスク管理手法に、
2分ルールというものがある。
とりあえず1回だけやれば終わるタスクは、
20時間くらいなら数日で一気に終わらせたほうが良いなと、
ブドウの剪定をしてて思った。
20時間は長すぎるかもしれないが、
2時間ならどうだろう?
これから使っていきたい。