平成で1番売れた本、
バカの壁 (新潮新書) の書評を書きます。
過激なタイトルなので、
「頭の悪い人を殴りまくる本なのかな?」
と邪推してしまうけれど、
柔らかい内容の本です。
バカの壁とは?
結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない。
バカの壁 まえがき より引用
つまり学問が最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ。
まえがきを要約すると
- 著者は若い頃に、数学を教えたことがある
- 数学はわかるとわからないが、ハッキリしている
- わかる人でも進んでいくと、わからなくなる
- 時間には限りがあるので、数学は極められない
- ある時点で諦めることになる
- あるいは数学の専門家になっても、全てはわからない
- 誰にでも”バカの壁”がある
あなたがそれなりのプレイヤーなら、
数学をLOLに読み替えれば、
一瞬で理解ってしまう。
自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。
バカの壁 一章 より引用
ここに壁が存在しています。
これも一種のバカの壁です。
- 学生に妊娠から出産までのドキュメンタリー番組を見せた
- 女性は「新しい発見がたくさんあった」という感想
- 男性は「知ってることばかりだった」という感想
- 男は出産に関して実感を持ちたくない
- なので積極的に新しい発見をしようとしなかった
「実感を持ちたくないので、新しい発見をしようとしない」
人間生きていれば、
こういったことは珍しくない。
LOLでも私生活でも、
日常的にあります。
例えばゲームは所詮ゲームなので、
自分が劣っていたとして、
その事実を受け止めやすい。
※ 特に対戦ゲームは、相手がこちらの弱点を突いてくる。
「俺も薄々そう思ってたわ」
となりやすい。
他人から「ヘタクソ」と言われても、
「意見が あいますね」
となることが珍しくない。
脳の中の係数
- y=ax
- 入力をx
- 出力をy
- 現実の重みをa
本には書いてありませんが、
脳内係数ともいえます。
先程の出産ビデオは、
男子にとってaはゼロに近い。
なのでなんの感想もなかった。
いろいろ例を挙げてみましょう。
- a 1000 記事の見出しに”女子高生”と入っている
- a 50 LOLプレイヤーから見た、このブログの記事
- a マイナス50 嫌いな人の発言
- a 0 二重予定説
- a 0 フッサール
- a 100 心理学
- a 5 ニーチェ
- a 1500 美少女
マイナスでも意識するのだけど、
0だと無視してしまう。
0だと認識できないので学ぶきっかけがないと、
著者は言っています。
「個性を伸ばせ」という欺瞞
この見出しは、本当に第三章のタイトル。
欺瞞という単語は普段使いませんが、
LOLプレイヤーなら100%知っている単語です。
本来、意識というのは共通性を徹底的に追求するものなのです。
バカの壁 3章 より引用
その共通性を徹底的に確保するために、言語の論理と文化、伝統がある。
次の事柄は全て共通了解。
- ウンコはトイレでする
- 毎日、歯を磨く
- 人に会った時は挨拶をする
- 人に殴りかかってはいけない
- 外出する時は身だしなみを整える
- 葬式中に笑ってはいけない
- サポート以外は最初にファーム用アイテムを買う
今の若い人を見ていて、つくづく可哀想だなと思うのは、がんじがらめの共通了解を求められつつも、意味不明の個性を求められるという矛盾した境遇にあるところです。
バカの壁 3章 より引用
私の学生時代の話をしましょう。
私は女性に話しかける時に、
個性的な話しかけ方やキャラクターでいたかった。
しかし実際は普通に話して、
普通の話題を話すだけで良かった。
正統派がいい
手順としては
- 挨拶をする
- 世間話をする
- 話が終わる
コレでとても十分。
脳内係数は、とりあえず会話すれば
相手が好きな人じゃなくてもプラスになります。
よほど嫌いな相手とか、
話し方が壊滅的じゃない限り、
マイナスにはなりません。
とりあえず会話までいけばいい。
相手の女性が、
- 変わった男性以外とは一切会話しない
というコダワリがなければ、
身だしなみを整えて、
普通に話しかけるのがいいです。
LOLのワーウィックで言えば、
- リーサルテンポを持ち
- フラッシュかゴーストを入れて
- スマイトとジャングルアイテムを持って
- 初手ティアマットを買う
初手モビリティブーツを買って、
プレデターで走る必要はない。
ないというよりも、
しないほうがいいでしょう。
もちろん一度くらい、
試してみるべきではあります。
初心者のうちからWikiを見ながらプレイするのは良くない。
そういう人は結局、身につきません。
なので当時の経験はとても良かったと考えています。
バカの脳と脳みその遅さ
バカと天才は似たようなもので、
特定のプロセスを飛ばしている。
といった内容が語られます。
脳の神経は意外と遅い。
神経の伝達速度は、
ほぼ音速だそうです。
- 神経の伝達速度はヘルツホルムという人が調べた
- 彼は父親に手紙で報告した
- 父親の返事は「神経の伝達速度ってそんなに遅いのか」だった
シナプス自体も刺激を受け取って反応するまで、
ミリ秒ほどかかるらしい。
※ ミリ秒=0.001秒
シナプスはたくさんあるので、
われわれの脳みそは、
回転が遅いわけです。
素早く反応するにはシナプスをショートカットする
野球でバットを振る時も、
LOLをプレイする時も、
イチイチ考えては機能しない。
例えばジェイスをプレイしていて、
敵ジャングラーに襲われた時は
- キャノンモードならE(ゲート)>R(変身)>E (敵を弾く)
- ハンマーモードならE(敵を弾く)>R>E (ゲート)
コレは最低限の操作ですが、
何も考えずにできる必要があります。
- 敵に襲われる
- 今のモードは?
- キャノンだ
- まず逃げる時に使うスキルを考える
- どうやらEが使えそうだ
- Eを撃つ
- 次のスキルは?
- Rで加速できそうだ
- Rで加速する
- 次にすることは
- Eで敵を弾こう
- Eを使う
初めて襲われた時はこうなりますが、
何もできずに倒されるでしょう。
よくてフラッシュを落としながら
逃げるくらいです。
素早く反応するには
- 敵に襲われる
- 逃げる時のコンボ
こうなってる必要がある。
この回路を作るのが、コンボ練習。
バカも天才も、一般人には考えられないショートカットをする。
その点で共通しているそうです。
怒りのショートカット
ゲーム中に怒ったり、動揺したりしてはいけません。
2つ以上のことは同時に考えられないからです。
会話している最中に突然怒る人は
- 相手と会話をする
- 心が動揺する
- なぜ動揺したのか?
- 相手に動揺させようとした意図(悪意)があったからだ
- 怒る
3と4が飛ばされていることに、
気づかない。
話す技術・聞く技術―交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話」
ブチ切れる人の脳みそ
異常に怒り出す人は、
前頭葉という脳の司令塔が、
働いていないそうです。
前頭葉を鍛えれば、
強い怒りを感じなくなる。
どうすれば良いかというと、
イライラすることを我慢する。
つまり
- LOLをする
「Dota2ではダメなの?」
と思った人もいるでしょう。
「Dota2ではダメ」
アレはLOLよりもずっと、
実力があれば勝ててしまえるゲーム。
- Dota2はコントロール感が高い
- LOLはコントロール感が低い
こう書くとLOLはクソゲーですね。
しかし2のほうが、
EQや前頭葉は鍛えられる。
隣のクソアムムが敵に3回突っ込んで倒された。
しかしチームではなぜか、自分が悪いことになっている。
ボットの日常なのですが、こういったことが人間と前頭葉を鍛えます。
LOLプレイヤーの前頭葉は鍛えられている
いつもこのブログでは
「あまりLOLをしないほうがいい」
とは言っていますが、
ソレはLOLプレイヤーのプレイ時間が
長いからです。
なのでいつも、そう言っているだけ。
適度にプレイすること自体は、
良いことだと思っています。
学べることが他のゲームに比べて多い。
LOL哲学
LOLをしていない人に向けて書きます。
プレイヤーは攻撃衝動を発散するために
ゲームを起動します。
なので
「みんなで仲良く楽しくプレイしたい」
とは思っていません。
敵でも味方でも、
機会が訪れれば ぶん殴ります。
外では違いますが、ゲーム内では
そういう哲学を持っています。
終わりに
- 誰にでもバカの壁がある
- y=ax
- 個性を伸ばせは欺瞞
- 脳みそは遅い
- バカも天才もショートカットしている
- 前頭葉を鍛える
私が読んでいて1番関心したのは、
脳内係数(y=ax)の部分ですね。
最初に少しチャンピオンを触っておくだけで、
aの0が1や10くらいになります。
今回は書評なので、
わかりやすい部分のみ書きましたが、
実際の本には難しい部分も多いです。
Kindle Unlimited で読めるので、
是非 手にとってみてください。
その他
読むタイミングのオススメは、
味方にトロールが湧いたら。
以前から知っていた本なのですが、
アンリミテッドになったので読みました。
超のほうはまだ読んでいません。