考察記事

初心者の場合、フィードバックは遅いほうがいい

「即座にフィードバックを得ることで、上達の頻度は劇的に上がる」

練習方法の専門家、
アンダース・エリクソンの言葉だ。

あなたが何かの能力を上げたいと思った時、
知っていると得するポイントを3つ書く。

  • 自分の限界を少しだけ超える負荷をかけつづける
  • フィードバックの速度は速いほどいい
  • 練習時の集中力は大事

普段運動しない人が突然スクワット1000回すると、
冗談抜きで死ぬ可能性があるらしい。

だから1の理由は納得できる。

2も非常に納得できる。

LOLもアクションゲームみたいなもので、
自分が操作すると画面のチャンピオンも動く、
なのでゲームの仕組みがわかりやすい。

3は

  • 寝不足だとダメ、
  • 借金がたくさんあるとダメ、
  • 心理的安全性がないとダメ

全て集中力が失われることが原因である。

人からどう思われるか気にしすぎるのは不味い、
これも同じだ。

それではタイトルどおり

  • 初心者はフィードバック頻度が遅いほうが良い理由

を書く。

この記事はパッチ11.5の時に執筆されました。
パッチ13.5にリライト。

フィードバックループ

フィードバックループとは

  • 得意なことは、どんどん上達していく

といった意味だ。

あなたがミッドでアーリが得意だったとしよう。

アーリを使うと毎試合活躍して、
チームメイトから称賛される、
仲間内からもチヤホヤされる。

そうすると、
もっとアーリを使うようになるし、
LOL自体も「上達しよう」と思うだろう。

これがフィードバックループ。

フィードバックにより増幅していくという流れを呼ぶが、
文章を読んでわかるとおり、
良い意味で使われることは少ない。

アーリしか使わなくなるとか、
お酒をたくさん飲むようになるとか、
そういった悪い意味合いのほうが強い。

初心者が速いフィードバックを求めた場合1

  • 初心者はフィードバックを受け取っても改善するべき点がわからない

分かるのであれば、
初心者とは呼ばないだろう。

だからコレは誰でも納得するはずだ。

それでは非常に極端な例を挙げてみよう。

インターネット乗り換え回線業者

あなたはインターネット回線を乗り換えさせようとする、
電話業者の人だとする。

全力でぶん殴りたくなる、
あの迷惑な電話をかけてくるヤツのことだ。

電話をたくさんかけるのが仕事なんだけど、
相手もあなたもウンザリし続けるので、
普通の人は続かない。

断られるたびに、

「自分は何をしているんだろう」

こんな仕事、世の中にとって迷惑でしかないだろう」

などと自問自答することになる。

そもそも

「何故断られたのかわからない」

「何%取れると成功なのかわからない」

つまり先程書いた3の項目、
集中力が破壊される。

しかし完全に割り切って

  • ゲームか何かだと思った場合

どうなるか?

割り切る迷惑電話セールスマン

  • 具体的に、どこを改善するべきかわからない
  • しかし改善するべき点はあるはずだ
  • とりあえず100回かけてみよう
  • 100回ごとに記録を付けていこう

どんどん上達していきそうだ。

少なくとも続けているわけなのだから、
将来の上達は約束されている。

しかもちょっと楽しそう。

人間は、試したり実験するのは好き。

初心者が速いフィードバックを求めた場合2

  • 初心者がフィードバックを求めるのは上達を焦っているから

普通に考えて、
継続できる人、努力できる人が好ましい。

物事を投げ出さない人は、
いきなり人に殴りかかったりもしないので、
人格的に優れている保証もあるわけだ。

しかし実際の人間は、
天才タイプが好きなのである。

これはジャンプの漫画の主人公を見れば、
良くわかるだろう。

才能という言葉が好き。

初心者は才能ある人だと思われたいがため、
もしくは自分でそう思いたいのか、
早く結果を出したがる。

LOLなら

  • 開始1ヶ月でダイヤになる

とかである。

上手な人なら努力無しでダイヤに上がるのだけど、
1試合の勝敗は運によるものが大きい。

あなたも知っている通り、
ソロキューはその部屋の平均より、
大幅に下手なプレイヤーが1人いたら負ける。

早く結果を出したい人が、
自分の弱点を分析して、
少しずつ改善していくのは難しい。

あなたは痩せるためにダイエット食品を買う人が、ダイエットを成功させられると思うだろうか?

初心者はフィードバックで集中力を乱す

まず上級者の場合

  • 良いフィードバックを、そのまま良い意味で受け取れる
  • 悪いフィードバックも、補強するべき弱点として受け取れる

初心者の場合

  • 良いフィードバックを、悪い意味で受け取ってしまう時がある
  • 悪いフィードバックを、自分の欠点と考えショックを受ける

よくいるタイプだが、
考えた結果毎回正しいことの逆をするタイプがいる。

非常に不幸な話だけど、
人間関係で多く、
もちろんLOLでも珍しくない。

まず正確な判断基準が出来ていないうちから

  • 自分の行動した結果を1回ごとに振り返る

なんてことは、
しないほうが良いのだ。

終わりに

  • 上級者はフィードバック頻度が多いほうが良い
  • 初心者はフィードバック頻度が少ないほうが良い

何故ならば、
集中力を保つことができないからだ。

冒頭に書いた練習の基本の1つ

「自分の限界を少しだけ超える負荷をかけつづける」

だが、コレも良く考えると

  • 自分の能力を熟知していなければならない
  • 単純に大変なので集中力を保つのが難しい

対面をボコってる時に集中力を保つのは簡単である。

「対面を5回キルしてるけど集中できねえええええ」

と言っている人がいたら、
私達は彼に対して脳の病気を疑う。

反対にボコられている時に、
集中力を保つのは難しい。

少なくともLOLでボコられている時、
集中力を保てる人は、
かなりの上級者だけだ。

結局は負荷を上げても、
フィードバック頻度を上げても、
初心者は集中力が落ちやすい。

ならば楽しく快適なプレイが大切になる。

将棋

対戦ゲームで楽しく快適とは、
おかしな話なのだけど、
たしか将棋は

「初心者相手には負けてあげるのが良い」

と聞いたことがある。

そういえばDota(MOBAの元祖みたいなゲーム)で
初心者にとって大事なのは、

  • 自分が使って勝てるキャラを選ぶこと

なんだそうだ。

私もHON(DotaとDota2の間のゲーム)では初め色々使って、
妙に勝てるチャンピオンを発見してから、
面白くなったことを覚えている。

とりあえず初心者なら、
フィードバックは遅いほうが良い。

10分間のCS数を測るならば、
1試合ごとではなく、
1週間ごとくらいに抑えていこう。

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