デイル ドーテンの
※ 原題はThe Max Strategyだ。
珍しく原題のほうが、ギラギラしたタイトルの本。
という本を数年ぶりに読んだ。
かなり有名な本なので、
読んだことがない人でも
タイトルくらいは知っているだろう。
30代の男に、70代の老人(マックス)が
アドバイスする形式で話が進む。
嫌われる勇気と同じ、
対話形式で書かれている。
内容はシンプルで、
- 試してみることに失敗はない
- 毎日違う自分になる
- コイン投げの達人になる
- ホーソン実験を自分にする
- 試すことによって新しい発見が出てくる
といった感じだ。
とりあえず、
- ホーソン実験とは何か?
から書いていく。
この記事はパッチ12.20の時に執筆されました。
ホーソン実験
照明実験
工場の照明と作業能率の相関関係を調べることが目的の実験だった。
しかし、照明を明るくした場合に従来より高い作業能率となっただけでなく、照明を暗くしても従来よりも作業能率が高くなることが計測された。
リレー組み立て実験ホーソン実験 Wikipediaより引用
賃金、休憩時間、軽食、部屋の温度・湿度など条件を変えながら、6名の女子工員が継電器を組み立てる作業能率がどのように変化するかを調べた。
しかし、どのように変更を行っても実験が進むにつれて作業能率は上昇した。途中でもとの労働条件に戻す形の条件の変更を行った場合にも、作業能率が上昇した。
簡単に言えば
- 何をやっても作業能率が高くなった
「作業員が注目されていたからではないか?」
と言われている。
条件を一気にたくさんに変える
われわれがゲームをする時に、
何か新しい試みをするとなった場合
- 一箇所ずつ変える
というのが一般的だと思う。
ところがホーソン実験では、
- 一度の実験で色々なことを変えた
一気に条件を変えるのは、
今の実験では考えられないらしい。
ただ著者によれば
「それが良かった」
という話だ。
- 一度にたくさん試す
- 一気に色々なことをする
と人間は元気になるので、
そのように行動しよう
と提唱するのが、
この本である。
コイン投げの達人
この本で急に難しくなる部分だ。
- 参加者は1000人
- 表が出れば勝ち、裏が出れば負け
- 7回投げ終わると、コインを投げる人は8人になる
次に起きることは
- 見物人はコイン投げの達人に注目するようになる
- コイン投げの天才だと褒め称えられる
- 生い立ちを書かれたり、アドバイスを求められるようになったりする
この説明をした後にマックスは
問題はね、きみが理屈っぽいってことだ。
仕事は楽しいかね?
きみの思考は、学生モードのままなんだよ。
この課題をすべてやっておきなさい、そうすればAがとれますよってね。
きみは、課題のリストを欲しがっているだけなんだ。
もっとコイン投げの達人
- 頭が切れなかったり、勤勉でなければ、10回中10回失敗する
- 適切なことをしっかりやったら、10回中9回失敗する
問題は、才能のあるなしでもなければ、勤勉かどうかってことでもない。
コイン投げの達人じゃないってことなんだ。
仕事は楽しいかね?
妙に難しい話だが、
これはLOLにそのまま当てはまる。
というか、
あまりにもLOLらしい。
成功するというのはね、右に倣えをしないっていうことなんだ。
とか
彼らはね、他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしているんだ。
といったセリフが出てくる。
RPGならば、他の人と同じことをして
一定の水準になればボスは倒せる。
しかし対人戦というのは、
必ず対戦相手を凌駕しないといけない。
課題を全てクリアしたくらいでは、10回中10回失敗するレベルのプレイヤーだ。
アイデアを生み出す方法
アイデアを生み出すために、
3つのリストを作るといいと、
軽く書いてある。
- 問題点を書き出す
- 仕事上でやったミスを全部書き出す
- 仕事に関してやっているすべてのことをリストアップする
この本で唯一のハウツーだ。
本当にサラッと書かれてある。
感想
私は既に試す人なので、
試している立場での感想を書く。
コミュニケーション能力
- 頭が切れなかったり、勤勉でなければ、10回中10回失敗する
この10回中10回失敗させる要因が、
ボトルネックというヤツだ。
LOLが下手なプレイヤーのボトルネックは、
コミュニケーション能力であることが多い。
少し考えてみれば当たり前で、
ドレイヴンのような特別なチャンピオンじゃなければ、
操作方法の弱点はすぐに改善できる。
実際の操作はともかく、
- どのような仕組みになっていて、どうやって操作すればいいか?
これは数十分で改善できる。
というのも、いつもコーチング時に、
簡単に改善できているからだ。
ところが
- コミュニケーション能力
はどうだろう?
本当に初歩から教えるのだとすれば、
100時間どころの話じゃない。
ドレイヴンで斧をまともに拾えるようになるには、プラクティス1日1戦ずつ練習して3ヶ月かかった。
1回20分×90日と考えると、大体30時間になる。
記憶力
私はLOLは、
必ずプレイするたびに試している。
だから上手なわけなんだけど、
これもボトルネックがある。
心理的安全性とか、
そういった難しいことじゃない。
- 記憶力の問題
LOLでの代表的なものは、
トップやミッドのマッチアップだ。
膨大なパターンがある。
メモを取らなければ
- マルファイト相手にはナサスとサイラスが強い
- ゼド相手にはマルファイトが強い
といった極端なパターンしか覚えられない。
これは上手に情報を整理するツールと手法がないとダメ。
やはり色々試してみて、自分にあった方法を見つけよう。
身体の丈夫さ、あるいは睡眠時間の長さ
- 好きなことならやり続けられる
これは実際にそう思うのだけど、
毎日16時間できるかと言えば、
そうならない。
性格の問題かもしれないが、
私は長時間働けないタイプだ。
西尾維新は1日3万文字書くらしいが、
私はかけて1万文字くらい。
初めてやったMMOは3日寝ないでプレイしたのに、
なんとも情けない話である。
睡眠時間も9時間くらいある。
2023/07/08時点では、ラベンダーを振って寝るようになったので、睡眠時間は7~8時間に減った。
終わりに
- ホーソン実験のように、条件を一気に変えて日々実験をする
- コイン投げの達人になる
マックスが壁に貼っておけという言葉は、
「試してみることに失敗はない」
である。
普段全くコインを投げない(挑戦や実験をしない)人は、
- 突然決心をする
- 実力や準備が全く整ってないのに挑戦する
- 失敗して落胆する
- しばらくコインを投げない
というパターンになる。
理由は簡単で、
- 挑戦することに慣れてないので、心理的コストが高いから
である。
- 毎日試すこと
- 人よりも高い能力を持っていること
両方持ってないといけないわけだ。
2に当てはまる人は、
意外と珍しくない。
あなたの周りにもいないだろうか?
高い能力を持っているのに、
活動的じゃない人だ。
「もっといろいろやってみれば良いのに」
と私はよく思う。
関連図書など
高い。
仕事は楽しいかね? は、
1~3巻と、漫画版がある。
1巻と漫画版は内容が同じで、
個人のことだ。
2巻はリーダーの立場で、
3巻は社長の立場。
ちょっとスケールがデカい。