私はMOBA初心者だった時、負け試合が苦痛だった。
人間的には普通といっていいかもしれない、しかしLOLプレイヤー的には未熟か異常者になるだろう。
こういった能力は一般的に非認知能力と呼ばれる。
テストなどで測れない能力のことだ。
例えば粘り強さを測るのに
- あなたは粘り強いタイプですか?
と、本人に聞いて測れるわけがない。
「私より粘り強い人はいません。この間もLOLの試合で味方4人AFKしてても勝ちました」
と言えば、粘り強さをアピールできるからである。
今回の記事ではEQ(心の知能指数)的な話をしていこうと思う。
この記事はパッチ10.19の時に執筆されました。
LOLの2つの要素
LOLもしくはスポーツの要素を2つに分けると、次のようになる。
- 表向きの戦い(アウターゲーム)
- 内なる戦い(インナーゲーム)
LOLをプレイしていない動画勢の人は、LOLを2つに分ける時にミクロ・マクロと分ける特徴がある。
実際のLOLやスポーツは、そうなっていない。
競技者の心中で行われるインナーゲームにおいて、二人の自分がいると考え、それぞれセルフ1、セルフ2と命名してその性質を調べた。実際の勝負(アウターゲーム)の最中に多くの人は、心の中で自分自身のプレイに対して悪態をついている。ガルウェイは、これを「セルフ1がセルフ2を非難している」ととらえた。フロー体験またはゾーン体験、ピークエクスペリエンスなどと呼ばれるような、高度な集中力が発揮されている場面では、このようなセルフ1によるセルフ2への非難は沈静化し、セルフ2のもつ潜在的な学習能力と創造力がのびのびと機能する、というのがインナーゲームの考え方である。
Wikipedia インナーゲームより抜粋
インナーゲームの概念を聞いたことがない人でも、言っていることは実感できるだろう。
動画勢はプレイしないから、内なる自分がわからない。
だからミクロ・マクロで分けるしかない。
LOLは判断力を競うゲームではなく判断しないゲーム
格闘ゲームは操作技術、LOLや麻雀や将棋は判断力。
こう書くと、思わず納得してしまわないだろうか?
私も昔はそうだと思っていた。
しかしそれはダリウス見てからナサスを出す、トップレーナーくらいの浅さだった。
人間の認知バイアスの1つに、スプリッティングと呼ばれるものがある。
意味はスプリットプッシュのスプリット、ボーリングのスプリットと同じ。
スプリッティングとは、なんでもかんでも2つに分ける特性のことだ。
あなたは自分の脳(セルフ1)に、勝手に判断させてはいけない。
インナーゲームでは、「裁判グセをなくす」 と表現される方法だ。
我々はいつも勝手に自動的に判断している
LOLで悪いと思ったプレイが、結果的に良くなったことがないだろうか?
例を1つあげてみよう。
- 中盤自分1人が相手にキャッチされた
- しかし倒されたのは自分だけで何故かエースを取った
「やってしまったな」 と思ったけど、結果的に良かった。
こういったことはLOL以外でも全く珍しくなく、つまり自分の良い悪いの判断は当てにならない。
一般的に言えば、「マイナス思考は良くない」となるだろうか?
いつまでたってもプッシュの正解がわからない人
LOL初心者の特徴の1つに、プッシュするかどうかの判断が出来ないというものがある。
最低でもダイヤ4はないとわからない、判断できる人は簡単にダイヤに到達する、のほうが正しいだろうか。
例えばミッドやADCで、プッシュのタイミングが全くわからない人がいたとしよう。
何かしらの理由でジャングラーがプッシュを手伝った時、猛烈に怒る人がいる。
何故怒るのか? 理由は簡単で、勝手に判断して怒っている。
怒りのメカニズムは簡単だ。
- 自分の心が動揺する
- 何故自分の心が動揺したのか?
- 相手にそういった意図(悪意)があるから
- その結果怒る
- 舐められるのは良くないから怒る
人間舐められるのは良くないので、必要な時に怒ったほうがいいが、LOLは社会じゃない。
だからチームメイトがあなたにどんな態度を取っても、怒る必要はないし舐めているわけじゃない。
※ 正確にはLOLのチームメイトはドラクエのAIみたいなものだと思っている。むしろ人間だと思わないほうがいい。
人間怒るのは構わないし、怒りを我慢し続ける人より、怒りっぱなしの人のほうが好ましい。
しかしLOLで怒りやすい人は、いつまでたってもプッシュの正解がわからない。
味方がプッシュをするべきタイミングの時は、遠く離れた場所からでもピンを出そう。
すると凄く試合に勝ちやすくなる。
負けている試合は自分にとって悪い状態だと思い込んでいる
世の中には、LOLのランクが下がると周りに格好が付かないから、それに動揺する人もいるかもしれない。
しかし私はLOLを1人でプレイするし、周りにそんなに質の低い人間がいた記憶がない。
※ レートが高いほど偉いと本気で思っている人がいたら、離れたほうがいい。
にも関わらず、負け試合は苦痛だった。
人間は上昇し続けていたほうがいい、荒木飛呂彦も言っている。
今は順調であると判断した場合、あらゆることへのモチベーションが上がる。つまり元気になる。
逆にどんどん悪くなっていると判断すると、元気がなくなる。
危険がせまった時は大人しくする、これが人間の習性なのだ。
実際に人間は悪いことは一生続くと思い込んでしまう。
これは認知バイアス的な話、つまり本能なのだが、抵抗する必要がある。
人生やLOLでは本能に抵抗しなければいけない状況が多い、中々困ったものだ。
負け試合が苦痛なメカニズムは
- 状況が悪いと勝手に判断する
- 人間にとって状況が悪いのは非常に苦痛
- なぜなら一生続くと思い込んでしまうから
- なので元気がなくなる
LOLで負けると何が悪くなるのか?
短期的な悪い状態が、一生続くと思ってしまう。
だから苦痛なのである。
ならば理性的に考えてみればいい。
LOLで負けると悪くなること
- レートが下がる
- 時間を無駄に感じる
2つとも、めちゃくちゃどうでもいい。
レートが大事な人を考えてみよう。
- プロのトライアウトを受ける人(ダイヤ3以上じゃないとダメ)
- シーズン報酬が欲しい人(ゴールド4以上じゃないとダメ)
ダイヤ3になるかどうかの瀬戸際は、私より1000倍下手くそなので話にならない。
なので実質的にシルバー1の人以外は、レートはどうでも良い。
「チャレンジャーのランキングはどうなの?」 と思ったかもしれないが、日本鯖だとマッチしないので、機能していない。
※ 日本鯖だとプラチナ1くらいから、マッチングに時間がかかるようになる。
時間を無駄に感じることへの解決方法は簡単で、部屋の掃除をすればいい。
サブアカウントだとレートが下がったほうが嬉しい。というのも、すぐにレートが上がってマッチしなくなってしまうからだ。
真面目にこんなことを考えているので、あなたが試合に勝ちたいなら他プレイヤーに舐めたピンを鳴らしてはいけない。
相手がサブアカウントだったら、2秒でAFKされる。
終わりに
負け試合の苦痛を緩和する方法は
- 勝手に良い悪いを判断しない
- 悪いことがいつまでも続くと思わない
- チームメイトを同じ人間だと思わない
- LOLに負けても何も悪くならないこと知る
別な言い方だと
- スプリッティングを避ける
- マイナス思考を避ける
- メンツ(フェイス)を意識しない
- 理性的に考える
以前の私は、3番以外は出来ていなかった。
私生活でも勝手に良い悪いを判断して、うろたえる、余計なストレスをためる。
現実でいうと、EQ(心の知能指数)が低い人間だった。
LOLだとEQが低いプレイヤーより、黙ってファームだけしてるAPシヴァーナのほうがマシだろう。
こういったEQスキルは自然に身についている人もいれば、私のように意識しないとできない人がいる。
参考図書
自分の声が、自分自身を苦しめている。
社会学的にはメンツを気にする行為(フェイス)になる。
あなたはTFT中に自分の心の声に苦しめられる人を見たら、病気だと思うだろう?
しかしLOL、スポーツ、学校や職場、好きな人に話しかける、自分の過去を思い出す、こういった時は苦しめられるのが自然だ。
居心地の悪さは、自分自身(セルフ1)が作り出している。