あなたが歌が得意かどうか知らないが、
私は歌を歌えない。
喉がやられているわけではなく、
単純に歌に関することが何もわからないので、
ヘタクソすぎるという意味だ。
なので私にとって歌が上手とは、
印象の話になってしまう。
どこが上手なのかわからないし、
具体的に語れないからだ。
いっぽう我々はLOLプレイヤーなので、
LOLが上手とはどういった状態を言うのか、
具体的に語れるはずではないだろうか?
LOLに限らず、
上達するために(上手になるために)練習するのだから、
上手な状態を知っておいたほうが
有利に決まっている。
この記事はパッチ11.9の時に執筆されました。
格闘ゲームとDota2が上手ってどういうことか知ってる?
LOLがシャドウバースだとすると、
Dota2はMTGで、
とりあえずDota2のほうが
上のような気がしないだろうか?
実際にLOLよりDota2のほうが難しいのだけど、
Dota2はLOLより格闘ゲームに近い。
実は格闘ゲームは、
全く頭を使わないゲームだ。
格闘ゲームはひたすらプレイ時間の多いほうが勝つ
Dota2は自軍のミニオンのラストヒットも
取れてしまうのである。
※ あなたが自軍ミニオンのラストヒットを取った場合、お金は入らないが、相手は当然ゴールドは獲得できないし、貰える経験値が少し減る。
するとどうなるか?
もうゲームの知識が全く関係なく、
ラストヒットが上手なほうがゲームに勝つのである。
格闘ゲームも一緒で、
格闘ゲームは操作精度が高いほうがゲームに勝つ。
格闘ゲームの難しいコンボのような技能を、
認知心理学では手続き記憶という。
ひたすら反復すれば覚えられる記憶のことだ。
裏を返せば、何度も反復しないと覚えられない、
覚えるのが難しい記憶とも言える。
とにかくコレらのゲームの上手さは、
そのままプレイ時間に比例する。
私は昔格闘ゲームをやり込んでいて、凄く強かったのだが、格闘ゲームの世界はフレームの有利不利をわかっているだけで知識勢と言われるくらい、野蛮人しかいない。
とにかく操作が上手ならソレだけで勝てるゲームは、乱暴なゲームだ。
LOLはプレイ時間に比例して上手にならない
1万時間の法則とは良く聞くが、
アレは嘘だ。
アンダース・エリクソンが提唱したことになっているが、
エリクソン本人が、
「アレは俺の本を引用したジャーナリストが大げさに書いただけで、そんなことないよ」
と言っている。
ジャンルによって身につけるまでの時間は違う。
プロのピアニストになるには1万時間では話にならないし、
ゴッドフィールドなら1時間もプレイすれば達人だ。
単純な反復練習の繰り返しでは上達しない
あなたはLOLでソロキューを入れて、
上手になると思うだろうか?
もちろん何もしないよりは上手になるはずだが、
練習の質としては最低で、
ほとんど上達に寄与しない。
なぜならLOLはラストヒットを相手と取り合わないので、
自分が一定のレベルであれば問題ないからだ。
ダークシールスタートのメイジ以外ならば、
ダイヤ3もあれば好きなだけラストヒットが取れる。
一週間に一回しか起動しなくとも、
ADCでラストヒットを取るだけならば、
全く問題ない。
※ 忘却曲線的に言うと、半年から1年は忘れないはず。
LOLで反復練習はほとんど必要ない。
ドレイヴンで斧を拾うとか、
オレリオン・ソルを使うとか、
ガングプランクでコンボを決めるとかを除くと、
反復練習が効果を発揮するテクニックが存在しない。
LOLで難しい=反復練習が必要なチャンピオンは、限られている。
もちろんそういったチャンピオンは避けたほうがいい。
いっぱい反復練習しただけのプレイヤーを上手と呼んで良いのだろうか?
格闘ゲームは本当にコンボや起き攻めが上手なだけで勝てる。
何故ならほとんどのプレイヤーは、
正確に入力を打ち込むことができないからだ。
毎日何時間もゲーム起動しているオタク同士であっても、
単純に入力が正確(操作が上手)なほうが勝つ。
※ きちんと状況に応じて正確に入力するのは、本当に難しい。
私が当時思ったのは
「格闘ゲームの奥が深かったとしても、プレイヤーは浅くない?」
自分自身を見て人間的な成長が、
あまりになかった。
人間的に成長したいから格闘ゲームしていたわけではないが、
MMOで数時間狩りしてるのと同じレベルだと思ったら、
流石に傷付いてしまったのである。
手続き記憶的な話は一旦やめて、
次は言葉で表現できる記憶の話をしよう。
意味記憶は大事
言葉で表現できる記憶=陳述記憶
陳述記憶には
- エピソード記憶(イベントの記憶)
- 意味記憶(言葉の意味についての記憶)
の2つがある。
ドレイヴンの斧を拾う動作や、
自転車に乗る動作、
格闘ゲームのコンボを出す時の感覚は言葉で表現できない。
LOLに限らず、
- この人は上手になるなとか
- いつまで立っても下手なままだろうな
と予測できる指標を知っているだろうか?
それはその分野について、
たくさん言葉を知っているかどうかである。
意味記憶は大事というわけだ。
冒頭で私は歌がわからないと書いたが、腹式呼吸の意味すらわからない。
ヨガは少しわかるのだけど。
プレイヤーの伸びを予測する事前情報
昔LOLの初心者配信を見ていて、
- スプリットプッシュとバックドアを同じ意味
と考えていたのを見た。
コレはかなりまずい。
私はその時
「コイツLOLのルールだけでなく、スプリットという単語すら知らないんだな。
英語わからないのは当たり前だけど、ボーリング一回もやったことない人は珍しいかもしれない」
腹式呼吸を知らないという私の発言を見て、
あなたが
「コイツ絶対カラオケ嫌いだろ」
と思ったのと似ているかもしれない。
検索すれば一発でわかる言葉の意味を知らないのは
- 単純に興味が薄い
- 言葉の意味を知らないと考えを扱うことができない
- 苦手意識があるかもしれない
とりあえず、
あなたが何か上達しようとするのであれば、
専門用語をたくさん覚えようとするのは
正しい行動となる。
本格的に学ぶのではなく、
表面的な言葉の意味を知っているだけでいい。
例えばLOLでメイジというと、
APチャンピオンのことを言うし、
デマーシアで迫害されている人達のことを指したり、
ラックスやサイラスなどを意味する。
だが基本的に
「APチャンピオンのことなんだな」
くらいの意味でいい。
オタク知識は無理に学ぶ必要はない。
余計なことを努力して記憶しようとしないこと
上の記事には
「意識的に記憶するならば、長く役に立つことを記憶したほうがいいよね」
といったことが書かれてある。
たくさん言葉を知っているほど、
実力は伸びるのだけど、
余計なことまで記憶しようとしないこと。
勤勉で熱心な人ほど陥りがちだ。
LOLのビルドも記憶しないように
LOLのビルドは
- 統計サイトにあったものを固定的に覚えている人
- 論理的に自然なアイテムを購入する人
- みんなが買ってるから自分も真似しなければならないと考える人
2が理想で、1はダメ。
何故なら1の場合
「見ながらやればいいじゃん? 覚える必要なくない?」
となるからだ。
3は人間ならば仕方がないどころか自然かもしれないが、
LOLプレイヤー的に全く話にならない。
基本的なルールを知っていないと、自分で自然なビルドが組めない。
終わりに
- 上手さには2つの要素がある
- 入力が正確=手続き記憶
- たくさん言葉を知っている=意味記憶
- 言葉を知っているほど上達する可能性が高い
- 余計なことを努力して記憶しようとしないこと
- LOLのビルドも記憶しないほうがいい
カードゲームプレイヤーは、
ほとんど全ての人がLOLでいう
ダイヤ以上の実力がある。
カード=意味と言えるので、
カードゲームは、
意味を並べて整理して遊ぶゲームと言えるだろう。
そんな学者みたいなこと(KJ法と似てる。KJとは、文化人類学者の川喜田二郎のこと)をしてるんだから、
下手なままであるはずがない。
デジタルカードゲームの世界では、
下手な人も多いらしいので、
やはり実際にカードを手にとって並べ替える作業こそが、
プレイヤーをダイヤにしている。
余計なカード、
つまり余計な知識はデッキから抜くし。
やはり我々も、
知識をカードにして並べてみるべきだろうか?
色々書いたが、
今回の記事の結論は、
- 入力が正確であること
- たくさん言葉を知っていること
が上手なプレイヤーの条件となる。
実質がないこと、それでいてパワフルなこと、自分が乗ってくる風と同じだ。
As insubstantial, and as powerful, as the wind that carries it.
大気の精霊/Air Elemental フレーバーテキストより引用
このセリフを思い出した。