LOLの近代的な話

LOL13のコツ【何も考えずに出来るまで反復練習すること】

物事の要点を把握することを、日本語ではコツ(骨)を掴むという。今回の記事では、LOL試合中のコツを書いていくことにする。

自転車に乗るような技術のことを、手続き記憶と呼ぶ。最初は必死に乗れるようにするのだが、慣れると何も考えずに乗れる。

LOLの試合は自転車の運転と同じだ。全く慣れないまま自転車で公道を走ったとしよう、車に跳ねられたり歩行者を引いてしまう可能性が高い。

理由は単純で、自転車のコントロールに意識の大半を割いているので、他のことに意識を割けないからだ。

注意を払うとは、そういうことである。

LOLは何度も反復練習をして、全く意識せずに出来るようになって初めて、次のステップに進む。

試合ごとにテーマを1つ選んで、集中して1つずつ覚えていくといい。飽きが来ないし、ずっと同じ項目だけ練習するより記憶に定着しやすい。

この記事はパッチ11.6の時に執筆されました。

1 ラストヒット

トップ・ミッド・ボトムならば、最低でも10分で80CSは取りたい。

レンジのメイジは特にAAダメージが低いので、相当の慣れが必要とされる。

しかし他のADチャンピオンならば、大きなトラブルが起きない限り、簡単に10分80CS取れるようになるだろう。

まずは10分で80CS取ることを目指そう。

トップ・ミッド・ボトムで10分80CS取れれば、3レーンの基本が出来ていることになるので、初心者はこの3レーンのどれかがオススメだ。

2 ダメージトレード

レーンでお互い大人しくラストヒットを取っているだけだと、当然ナサスが勝つ。なので妨害をするために、対面を殴ってヘルス(体力、HP)を減らしたいわけだ。

レーン戦で対面を削る行為をハラス(嫌がらせ)と呼ぶのだが、LOLは学校ではない。なので相手を削る時は、相手も殴り返してくる。自分が削られた時もまた同じ。

結局殴り合うことになる。

  • ガレンならAA>W+Q>E
  • レネクトンならAA>W>AA>Q
  • ジンならAA>Q

といった感じで短いスキルコンボを入れていく。

対面や自分のチャンピオンの組み合わせによって、短いスキルコンボは違うのだけど、1つ言えることはスキルがクールタイム中は戦えない。

ダメージトレードの概念がわからないと、相手の目の前でミニオンのラストヒットを取る時にスキルを使い、ボコられ続けることになる。

スキルの間にAAを挟むのが基本で、挟まないのは応用。

3 スキルコンボ

スキルコンボは前述した短いスキルコンボと、相手にトドメを刺す用の長いコンボがある。

フルコンボとか、オールインとか呼ばれることも多いのだけど、オールインはポーカー用語で手持ちのチップを全てかけることを言うらしい。

フルコンボを撃つ時のタイミングは2つしかない

  • 相手にトドメを刺す時
  • 自分が逃げられない時

このゲームにはヒーラーがいないので、集団戦時じゃなくとも、自分のスキルは全て出しきってから倒されたほうがいい(Rも基本的に撃つ。サモナースペルは温存の選択肢もある)。

つまりオールインとは、ただカッコつけているだけだ。フルコンボよりも響きがずっとカッコよく、オシャレ。

ガレンのフルコンボは使ったことがない人でもわかるが、ブラッドミアやブランドのフラッシュを絡めたフルコンボは非常に難しい。

ソレらのコンボは、格闘ゲームのように練習しておく必要がある。

4 マッチアップ

相手が一定以上のレベルならば、どう頑張っても勝てない組み合わせがある。

その場合は味方ジャングラーのガンクが対面に5回刺さるか、味方が強くない限り試合に勝てない。

それを避けるために、マッチアップには気を配る必要がある。

そこまで神経質になる必要はないが、統計サイトで相手のチャンピオンの性能を見ておく癖を付ける。

例えばピック画面で対面がマルファイトであるならば

https://jp.op.gg/champion/malphite/statistics/top

このページを開く。

この習慣があるかないかで、上達速度が全然違ってくる。あまり考えず癖を付けることをオススメしたい。

5 ミニマップを見る

MOBAを始めた人は最初は困惑する。画面上でキャラクターは戦っているが、左端のミニマップを延々と見続けるゲームであることに。

私はその事実に気づいた時「何このゲーム?」と思ってしまった。

今ではラストヒットを取るたびに見るどころか、集団戦の最中ですら見れるようになった。

ミニマップを見るコストが0に近いので、集団戦で余裕があればやはり、ミニマップも見てしまう。

逆に味方が戦っている場所に駆けつける時、メインマップで集団戦を見る人がいるのだが、アレは本当に辞めたほうがいい。

熟練プレイヤーはその癖を持っている人が多いと知っているので、走っている最中に一方的に殴られて倒される可能性が高いからだ。

つまりリコール中にアイテムショップ開いて倒されるのと、同じレベルのnoob行為。

6 アイテムビルド

アイテムビルドは試合前に考えておいたり、試合中でもわからなければ、ゲームのオススメビルドや外部サイトを見ればいい。

しかし試合中に何を買うのか考えると当然、他のことはできなくなる。

なのでアイテムビルドもまた、自転車に乗るような手続き記憶に近いのかもしれない。実際に買い物をするという手順があるのだから。

ソーシャルゲームにキャリア決済というものがあるが、アレは本当に恐ろしい。簡単にしてはいけない事を、簡単にできるようにしている。

初心者ほどベースで買い物をする時間が長い。普通は最速で買う。

ただしリコール中にショップを開くのは辞めたほうがいい。ソレは悪い癖だ。

7 ジャングル周回

レーナーは10分80CS取れて、初めてまともなレーナーになる。

同じようにジャングラーはジャングルモンスターを殴る時、注意力・認知力・エネルギーを全く使わないようになって、初めてまともなジャングラーになる。

実際はレーナーの場合はゴールド4、ジャングラーの場合はダイヤ3くらいが目安だ。

これはジャングラーが人気ないのと、CSを取るレーナーは3人いるが、ジャングラーは1人だからだ。

単純に人数が少ないので、LOL界隈ではレーンに比べてジャングルができる人が少ない。

ボトムが出来る人は、ミッド・トップの場合は活躍しないかもしれないが、10分80CSくらいは難なく取る。

それに対して、ジャングラーはラストヒットの応用がない。

慣れるまで味方のピンは全て無視して、ひたすらファームすること。

8 ジャングラー警戒

レーナーがジャングラーを警戒するためには

  • ラストヒットに意識を割かない
  • ダメージトレードに意識を割かない

ジャングラーの場合は

  • モンスターを狩るのに意識を割かない

こういった前提をまずクリアしている必要がある。

10分でCS50しか取れないレーナーが、相手のジャングラーを警戒するのは妙だと思わないだろうか?

心理的にはわかるものの、ゲーム的には全く意味がない。我々は彼を見て次のように思うだろう「まずCSを取れるようになって欲しい」と。

実際は相当レベルの高いプレイヤーじゃない限り、敵ジャングルは警戒できない。

なので基本的には、ジャングラーが予測してレーナーに危険ピンを鳴らす。

9 スキルを避ける

初心者は他のことに認知力を取られているのか、あるいは単純に相手のスキルを避ける気がないのか、とにかくニダリーの槍に当たりまくる。

LOL初心者は

  • 相手にスキルを当てる=上手
  • スキルを外す=下手

と考えるが、実際のLOLではスキルが当たるかどうかは、クソほどどうでもいい要素だ。

何も考えずに、相手のスキルを避ける動きができるかどうか、のほうが100倍くらい大事である。

ニダリーの槍に対して、全く意識せずS(ストップボタン)を押したり、反対方向に歩いたりできないのであれば、ARAMをすることをオススメする。

ARAMするだけで解決。

10 次の目標オブジェクトを知る

チームが次に狙うのが、どのタワーかドレイク(ドラゴンと呼ばれる)かバロンかわからないのは、初心者だけである。

中級者以上は、何も考えずとも味方チームが次にどこを狙ってくるのか予想が付く。

そのレベルになれば当然、相手チームが次にどこを狙ってくるのかも予想が付く。

コレに関してはリプレイを見て予測すれば、すぐにわかるようになるはずだ。

リプレイを見れば解決。

11 集団戦

私が初めてMOBAで集団戦をした時、ジャングラーでマスター・イーのようなハードキャリーチャンピオンを使って30分ファームした後、味方を追いかけていた。

集団戦で緊張してパニック以前に、30分もゲームしていたのに誰が味方のチャンピオンかわからなかったのである。

今では全く興奮することなく集団戦をするようになり、退屈なのでスキルコンボ中にエモートを挟むようになった。

サモナーズリフトだと集団戦の機会がどうしても少ないので、手っ取り早く慣れるには、やはりARAMをするのが1番良い。

レーンにミニオンがたどり着く前に5対5が始まる。

これもARAMするだけで解決。

どうしても緊張する人は、私生活で運動をすると緊張しなくなる。

12 味方への報告

  • 対面のフラッシュが落ちたら、Tabを押して対面のフラッシュを2回クリック
  • 敵が見えなくなったらミアピン(ハテナマークのこと)
  • レベル6になる前には味方に経験値を伝える
  • 支援して欲しい時は支援ピン
  • 向かう先には進行ピン

こういったことを、何も考えずに打てるようにならないといけない。

初心者はミアピンを煽りピンだと思って使うし、ジャングラーは進行ピンを鳴らした後に忘れて向かわないことが多い。

味方にミアピンは打つ必要がないので打たなければ良い。

レーンへの進行ピンを取り消すピンは、他の場所への進行ピンである。結局ジャングラーは進行ピンを鳴らし続けることになるだろう。

ジャングラー、ボトム、サポートは特に意思疎通が重要なので、ここらへんの報告の仕方やタイミングは詰めておいたほうがいい。

13 EQスキル

心の知能指数のことをEQという。

生まれ持ってEQが高い人もいるが、私を含め大半の人は高くないので、賢明さが全く無い。生まれながらに味方にミアピンを連打するし、機嫌が悪くなれば敵のタワーにも突っ込んでいく。

なので予めどう動くのが賢明なのか決めておき、試合中はなるべく実践していくことになる。

  • 味方にトロールが現れた時はペナルティを受けないようにAFKする
  • 劣勢時は勝敗(目先の成果)を気にせずにプレイする

などだ。

私の場合はアーヴィング・ゴッフマンの社会学を知ることでEQスキルが身についたのだけど、何を知れば賢明さ(あるいは懸命さ)が身につくかは人にそれぞれだろう。

終わりに

LOLはEスポーツ、スポーツは戦いの代用品。すなわちLOLは戦いの代用品というわけだ。

我々は武闘家の気構えを身に着ける必要がある。

図のGtGとは、Greasing the Groove という筋トレ手法のことで、少ない負荷で何度もやるだけで筋力がアップする。

LOL上級者になりたいのであれば、この記事の項目を、とにかく気軽に反復練習をすることだ。

10分でCS100や110取るのは非常に高い集中力が必要とされるが、80ならばボーッとしながらでも取れるようになる。

特別に上手な必要はなく、ある程度まんべん無くできるだけで、確実にトップ数%だ。

難関試験だと毎日8時間とか努力しなければならないが、ゲームの場合は努力が苦じゃない。なので方法が重要になってくるのかもしれない。

一応物事は継続するのが最も大変で、継続さえすれば大丈夫なのだが、ゲームの場合は話が違ってくるのだろう。

関連記事など

GtG、タイムマネジメントについて書いた記事。

著:シェリー・ケーガン, 翻訳:柴田裕之
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LOLプレイヤーがこの本を読むと、とりあえずティルトしにくくなる。読めばEQスキルがアップするだろう。

アーヴィング・ゴッフマンの社会学の視点で書かれた非常に面白い本なのだけど、こういった本は大体高いし、kindle Unlimitedで読めない。なのでシェリー・ケーガンのDEATHが読み放題に登録されるのは、ソレだけ珍しい。

LOLでもタワーに突っ込んでいくプレイヤーは珍しくないので、タイトル自体は我々にとって馴染み深い。

著:デュルケーム, 翻訳:宮島喬
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