考察記事

あなたの感情は、全てあなたの認知あるいは考えにより作られる【LOLと10の認知の歪み】

ブログのコメントへの返信記事。

少し前の記事の話になりますが

シルバー以下は自動思考が毎回不正解
上級者は自動思考が毎回正解

という記載がありました。

練習の目的と自動思考と認知行動療法【LOL歴3年でシルバーな友人の話】

自動思考が間違っている事に気付くためには、たぶんリプレイをたくさん見直すしかないのかなという気がしますが、
正しい自動思考を身につけるためにはどういう練習が効果的でしょうか

LOLGarenコメント欄より引用

LOLで正しい自動思考を身につけるのは、非常に志が高いというか、とんでもない難易度だ。

野心的な試みと言ってもいい。

孔子の言葉に次のようなものがある。

私は十五歳で学問を志した。そして三十歳で一本立ちした。四十歳であれこれと迷うことがなくなり、五十歳になると天が命じたこの世での役割と自らの限界を知った。そして六十歳になったときには、人の言葉を素直に聞けるようになった。七十歳になると、自分の思い通りにふるまっても道に外れることはなくなった。

孔子さまの言葉より引用

正しい自動思考を身につけるのは、70歳の時の孔子に近い状態になることに等しい。

私もLOL以外では、自分がまともな自動思考である自信はない。

質問のスケールがデカすぎるので、効果的な練習方法の前に、今回の記事では基本的な知識を書く。

事前情報といって、

「学習者の伸びを予測する最も正確な指標は、基本的な知識を知っているかどうかである」

なんだそうだ。

なので質問した人だけでなく、全LOLプレイヤーは今回の記事を読んだほうが良い。

こういった知識が全く欠けているために、全然上達しないのは珍しくないというか、私はそちらのケースのほうが多いと考えている。

今回の記事はパッチ11.11の時に執筆されました。

感情の処理は大事

次の3つは基本的なルールなので覚えておくこと。

認知療法3つの原理
  1. あなたの感情は、全てあなたの認知あるいは考えにより作られる。
  2. 憂鬱な時には、悪い方向ばかりでものごとを考える。
  3. 感情の混乱を引き起こすマイナスの考え方は、常に認知の歪みを含んでいる。

LOLをプレイしていない時、我々は感情の問題を軽視してしまいがち(普段は怒っていないから)。

しかし感情の処理が上手にできなければ、思考も上手にできないのは、全プレイヤーが何度も経験している。

LOLはダイヤでも9割の人が下手だ。

カードゲームは9割の人が上手で、反対に下手な人が目立つ。

※ 一応LOLのほうが、味方へのイラつき抜きにゲーム内容だけ見ても、複雑である。

1対1のゲームで本気で怒る人は滅多にいない、そしてそんな人がいたら、あなたも私も距離を置くだろう。

絶対親しくなろうとしないはずだ。

ところがLOLは毎試合本気で怒るのが当たり前、普通といっていい。

何事もなく試合が終わるなんてことは無く、毎試合10人中誰か1人以上チャットで不満を撒き散らしたり、AFKしたりする。

格闘ゲームやカードゲームで感情の処理は学ぶ必要がない。

最初から怒りが湧いてこないからだ、しかしソレは、学ぶチャンスも逃している。

私はLOLのほうが、1対1のゲームより知的だと思っている。

10の認知の歪み

コピーして壁に貼っておくことをオススメする。

10の認知の歪み
  1. 全か無か思考
  2. 一般化のしすぎ
  3. 心のフィルター
  4. マイナス化思考
  5. 結論の飛躍
    • a 心の読みすぎ
    • b 先読みの誤り
  6. 拡大解釈(破滅化)と過小評価
  7. 感情的決めつけ
  8. すべき思考
  9. レッテル貼り
  10. 個人化

いやな気分よ、さようなら コンパクト版 35Pより引用

1 全か無か思考

人間の認知バイアスにスプリッティング(なんでも2つに分ける)がある。

ソレと似ているのだけど、少し違う。

違いは全か無か思考は、完璧主義に根ざした考えだからだ。

例えば自分が特定のチャンピオンを使えるかどうかの判断、あなたはどこで境界線を引くだろう?

新しいチャンピオンを使おうとしない人

新しいチャンピオンを使おうとしない人は、全くやる気がないか、こだわりが強い(ADHD的)か、完璧主義者である。

LOLの試合に勝利するのに大事なのは、ゲームを理解しているかどうかであって、チャンピオンが使えるかどうかは要素として小さい。

※ シルバーが300回使ったチャンピオンより、プロが3回使ったチャンピオンのほうが強いことを考えれば、すぐにわかる。

完璧主義者は人から良く思われたいとか、欠乏欲求であるとか、そういった話は今は置いておく。

とりあえず完璧にLOLができる人は存在しないので、全か無か思考の人は、常に居心地の悪さを感じることになる。

2 一般化のしすぎ

一度しか起こったことがないことを、何度も起こることだと学習してしまうこと。

例を挙げると、思春期の男性が女性と親しくなりたいので話しかけたとする。

その男性は女性から、0/7/2を叩き出したヤスオのような扱いを受けた。

「自分はこれから一生、全ての女性から同じような態度を取られ続けるだろう」

と、彼は学習してしまうことが、一般化のしすぎ。

人からの拒絶、特定のチャンピオン、特定の味方、酷く恐れるようになってしまう。

3 心のフィルター

基本原理の2と同じ。

憂鬱な時には、悪い方向ばかりでものごとを考える。

これは実際にそうなった時は厄介だが、覚えやすい。

4 マイナス化思考

最も致命的な認知の歪み。

良い出来事もマイナス化してしまう。

LOLプレイヤーで言うならば、

レーンに負けた時

「やっぱり負けた」

レーンに勝った時

「運が良かった」

と考えることである。

謙虚で良いじゃないかと、あなたは思ったかもしれないが、マイナス化は良い点を見過ごしてしまう。

同じ負けたにしても、後出しで有利なチャンピオンを出して負けるのと、何も対策せずに負けるのは、意味が随分違うわけだ。

※ 前者のほうが、ずっと勝利に近い。

LOLでの良い出来事とは、現状の自分が出来ている事と同じ意味。

良い出来事をマイナス化したり、無視してしまっては、成長が望めないどころか憂鬱になってしまう。

5 結論の飛躍

事実と違った結論を、飛躍して出してしまうこと。

2種類ある。

a 心の読みすぎ

他人があなたを、見下していると思ったり、嫌われていると思ったりすると、ソレを実際に確かめようともしなくなる。

実際に聞いて確かめるような人ならば、仕組み的に相手の心を悪く読みすぎたりしない。

社会学の話になるが、相手が自分を嫌っていると思えば対面が傷付く。

対面が傷付いて居心地の悪さを感じると、普段の生活が出来なくなるので、中々重たい歪みだ。

b 先読みの誤り

味方のヤスオがトロールするかもしれない。

LOLプレイヤーならば、この予測は現実的かと思われるが、よく考えるとそうでもない。

  • 活躍したり、劣勢でも真面目にプレイするヤスオが存在する
  • ヤスオじゃなくてもトロールは珍しくない

とりあえず味方のヤスオがトロールするかどうかの心配は、先読みの誤りであると、あなたも100%納得したはずだ。

ヤスオ以外の他の3人のことも心配する必要があるので、やはりトロールが出現した時には部屋の掃除をするなど、対策を考えておくべき。

6 拡大解釈(破滅化)と過小評価

  • 自分の短所や失敗を大げさに解釈すること=拡大解釈(破滅化)
  • 自分の長所や成功を取るに足らないものと解釈すること=過小評価

単純に面白くないし、惨めな気持ちになる。

7 感情的決めつけ

  1. 「自分が面倒くさいと思ったのだから、面倒くさいことなんだ」
  2. 「自分はダイヤになれないと思う、だからダイヤに上がることができないだろう」

1は我々の日常。

2はゲームの下手なタイプが言うセリフだ。

2は明らかに、論理的に破綻している。

「よくわからないんで、もう少し具体的に説明していただけないでしょうか?」

と、私だったらお願いするだろう。

1も同じはずなのだが、我々は日常的に、こうやって先延ばしをしている。

人間は見積もり時間と、実際にタスクが終わる時間は全然違うことが多い。

5時間かかりそうと思ったことも、実際は30分で出来たりするし、その反対も珍しくない。

8すべき思考

何かをするとき、

  • これをすべきだ
  • これをしなければならない

と、自分で考えると、かえってやる気をなくしてしまう。

当然すべき思考を他人に向けると、イライラするのが普通。

LOLプレイヤーは一般的な人よりも、すべき思考を知っているし、大半の人が克服できているはずだ。

チームメイトにすべき思考を向けた場合、全くプレイできないからである。

特にADCがこんな考えを持っていたら、レーン戦1分後にAFKしてしまう。

9 レッテル貼り

認知が間違っているために、ネガティブなレッテルを貼ってしまうこと。

方向指定のスキルを外した場合、一般的なプレイヤーは

「スキルを外した」あるいは「なんとも思わない」

特別に下手なプレイヤーは、なんて思うかというと

「スキルを外したからLOLが下手」

と思うそうだ。

そういった人は、他人がスキルを撃つたびに

「アイツはスキルを外したからLOLが下手」

と思ったりする。

私はエズリアルが得意なのだが、自分がエズリアルのQを撃っている瞬間すら意識しない。

他人が方向指定スキルを外しても、何も思わない。

単純に自分や他人に対してレッテル貼りは、する必要がない。

居心地が悪くなるだけだからだ。

10 個人化

良くない出来事が起こった時に、自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまうこと。

全然ピンと来ないが、他人に対しての「影響」と「操作」を一緒にして考えていると、個人化が起こるそうだ。

LOLで例えるとわかりやすい。

味方の構成を見て、急にドッジしたくなった人が、サモナースペルをメチャクチャなものにするのは見たことがないだろうか?。

彼は味方に対して「影響」を与えようとしているわけだ。

他人を操作することは出来ないし、彼もそんな控えめな方法で操作できると思っていない。

私もブログの記事名は、ある程度興味を持って貰えるように付けているが、それも「影響」を与えようとしているだけに留まる。

終わりに

書いたこと
  • 正しい自動思考を身につけるのは難しいが、目標地点である。
  • 何かを学ぶには基礎知識が大事
  • 認知療法3つの原理
  • 10の認知の歪み

認知療法はうつ病者に対する方法なので、健康的な人がする場合、かなり簡単に覚えられるはずだ。

  • 心の病の予防
  • 先延ばし克服
  • LOLの上達

といった動機で練習できるので、かなり楽だと思う。

関連図書

世界一有名なセルフヘルプ本なので、今回の表は疑いなく暗記して欲しい。

色々練習方法の本を読んでいるのだけど、やはりこの本がいい。

内容が認知行動療法の本と似ているが、やり方が簡単で実用的。

ゲームのレートを上げたい人は、この本を読むのが簡単。

しかしLOLは心理的というか感情的というか、そっちの問題のほうが問題として大きいので、両方解決しないと良いプレイヤーにはなれない。

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