内言とは、我々の脳内に展開される
内なる声のこと。
スポーツの世界では、
セルフトークが重要視される。
認知行動療法、古く言えばストア派でも、
同じように重要視される。
※ ストア派=自らに降りかかる苦難・運命をいかに克服してゆくかを説く哲学
あなたがLOLをしている時、
「自分に語りかける自分」
という存在を知っているはずだ。
今回は4000円近くする、分厚い本。
の書評を書く。
この記事はパッチ12.19の時に執筆されました。
セルフトーク
スポーツのコーチング界では、セルフトークがきわめて重要だと思われているため、口に出形態も無音の形態も、非常に詳しく研究されてきた。
チャールズ・ファニーハフ. おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考
バドミントン、スキー、レスリングといった多岐にわたるスポーツでの個人的な発破を、心理学者が調査したのである。
しかし、セルフトークの効果的使用と関係するのは、ポジティブ心理学や、自身に向けた決まり文句だけではない。
コーチングと言えば、
ティモシー・ガルウェイは常識のレベル。
※ The Inner Game of Tennisは、歴史的な名著。私はインナーゲームしか読んだことはないが……。
新インナーゲーム (インナーシリーズ)は、
頻繁にこのブログでも取り上げているので、
知っている人も多いだろう。
当然この本でも、
インナーゲームは取り上げられている。
飛び込み競技は例外
パンアメリカン大会に向け、飛び込みのカナダ代表チーム入りを目指して努力していた選手の場合、自賛などの肯定的なセルフトークを多く行っていると報告した人は、選出されにくい傾向が見られた。少なくとも飛び込み競技では、自分に与える愛が過剰になることがありうるようで ある。
おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考
普通の競技では、
肯定的なセルフトークが一般的に良い。
しかしなぜか、
飛び込み競技では逆効果らしい。
本には理由が書かれていなかったが、
私はなんとなくわかる。
- プレイ時間が短いから
だろう。
2秒ぐらいしかない。
そこまでプレイ時間が短いスポーツは、
中々ない。
Eスポーツ(ネットゲーム)で2秒しかプレイ時間がなかったら、ゲームとして成り立たない気がする。
自分に語りかける時は、一人称を使ってはいけない
「女性の一人称は、僕、あたし、船長が望ましい」
と私は思っているが、
とりあえず自分に語りかける時に、
一人称を使ってはいけないそうだ。
※ 一人称とは、私、俺、僕、などのことだ。船長は少し違う。
ミシガン大学アナーバー校のイーサン・クロスが主導した一連の研究で、これが実験によって検証された。
おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考
特定の課題に向けて準備し、それを実行するとき、自身を一人称で呼ぶことが生む影響を調べたのである。
課題は対人不安を起こすために設計されたもので、そのひとつが、人前でスピーチをする準備を、限られた時間(五分間) のみで参加者に行わせるものだった。
具体的にいうと、参加者が「専門家」の一団(実際には実験者側のサクラ) に対して、自分はある理想の仕事に適任だと説得することである。
課題の準備を、「私」(I) がすべきことと呼びながら行うように求められた人に比べ、自分を一人称で呼べとは言われなかった研究ボランティアのほうが、スピーチをうまくこなし、出来栄えにポジティブな感情を覚え、後でスピーチについて 反芻 することが少なかった。
一人称の呼び方を避けることで、参加者は自己と距離をとり、それによって行動をより効果的に調節することと、特に対人不安などの感情に対処することができたようだった。
※ 反芻(はんすう)とは、嫌なことを思い出すみたいなニュアンスで使われる言葉。
宝鐘マリン
宝鐘マリンは配信中、
基本的に自分のことを「船長」と呼ぶ。
それ以外では、
「あたし」というらしい。
意図的に一人称の呼び方を避けている。
つまり自己と距離を置いているわけだ。
売れてるVtuberは、脳みそが丈夫な人が多い。
ギロチンカッター
「いいえ。僕は神です」
「僕は神、つまり僕に誓って――あなた方の存在を許しません」
「神、つまり僕はこう仰っています。そろそろ始めましょう」
アニヲタWiki(仮) ギロチンカッター(傷物語)のページより引用
ギロチンカッターとは、
キャラクター名である。
いつも自分を神神言ってるわけではなく、
重要っぽいことを言う時に
神という言葉を使う。
「一人称の呼び方を避けることで、参加者は自己と距離をとり、それによって行動をより効果的に調節することと、特に対人不安などの感情に対処することができたようだった」
やはりさっき書いたことが、
当てはまっているように思える。
3番目のセリフ凄くカッコいい。
マルクス・アウレリウス
自省録で有名な、
マルクス・アウレリウス・アントニヌスも、
自分のことを
- 君
と書いて、
他者に話しかけるように書いていた。
歴史に残るような偉人は、優れた方法を取っていることが多い。
内言は内なる他者との会話
ミードにいわせると、他者が果たせる社会的役割についてわかってくると、このような内なる対話者が作られる。
おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考
つまり、スポーツ選手はたとえばコーチの役割を内在化して、自身の行動を調節するのに使うことができるわけである。
内なる対話は、パフォーマンスの向上や感情制御を助けてくれるだけでなく、際立って創造的な思考法をもたらすこともできる。
他者の批判的で建設的な視点をとることにより、自分がしていることについて考えられるからである。
脳が自分自身と話すとき、心の理論のネットワークが用いられるという研究結果は、私たちが対話を内在化するとき、他者を内在化するのだという考え方と見事に合致する。
私たちの脳は、心と同じく、声に満ちているのである。
内言は、仮想の他者との会話である。
という説だ。
この本で最も興味深いと思った内容でもある。
私の感想を書いていこう。
他人の言葉を無視できない人
脳にはスパムフィルターがあって、
自分の興味がないこととか、
関係ないと思ったことは無視する。
- 他人の言葉を無視できるかどうかは現代では重要
無視できないと、
現代社会は情報量が多すぎて
脳みそが上手に働かなくなる。
われわれは美少女ではないので、
他人から興味を持って話しかけられない。
「なら無視もクソもないじゃん」
と思うのだけど、実際には
- 脳内の声
- ネットニュースなど
無視しなければいけない事柄が多い。
心の声=脳内の他人との会話
ARAMでカイ=サやエズリアルを引いた人は、
一生懸命プレイする。
面白いからだ。
ARAMで真後ろや真横の誰もいない場所に、
APカイ=サでWを撃ち続ける人を、
私は1人も見たことがない。
現代では虚空に向かってネガティブな発言をすると、
すぐにミュートされてしまう。
そういう人は、
私もあなたもたくさん見てきたけれど、
なぜそうなるのだろうか?
24時間脳内で自分を責めるヤツがいたら、
面白いわけがない。
冷静に考えて、賢明じゃない。
自分の脳内に他者を作るのは生得的な能力なので、
何も考えなければ、
- 脳内の他者に行動を操られる
というのは、別におかしな話ではないだろう。
LOLは意識しないと覚えられない。
しかし脳内に他者を作るのは、誰でも自然にできてしまう。
脳内のnoob
ジャック・デリダでいうエクリチュール。
エクリチュールを一言で言うと
- 「お嬢様言葉を使えば、お嬢様になる」
という意味だ。
LOLの大会のせいか、
シーズン締め切りが近いせいか、
最近コーチングの依頼が数件来た。
- どうして彼らは私がアダマンタイトだと思ったのか?
コレは脳内の他者とエクリチュールで、
簡単に説明できる。
- お嬢様は、脳内にお嬢様がいる
- noobは、脳内にnoobがいる
- アダマンタイトは、脳内にアダマンタイト級冒険者がいる
酒場の酔っ払いMOBとアダマンタイト級冒険者は、
言葉づかいが違う。
私はゲーム中しかLOLプレイヤーの言葉を見ないので、他のプレイヤーとは違う言葉を話しているはずだ。
終わりに
- 自分に話しかける時は一人称を避ける
- 脳内にnoobを飼ってはいけない
このブログでは何故か、
レベル30すら怪しい初心者が質問してくる時がある。
- レベル30未満でゲーム外の情報集めようとしてる人は、LOL辞めたほうがいい
やり始めのゲームは、
外部サイトを見る時間すら惜しいほど楽しくなければ、
プレイする価値がないからだ。
「一度辞めて、また始めたら、結構楽しくって上手になった」
みたいなケースはLOLに限らず耳にするので、
最初やってつまらなければ、
すぐに辞めたほうが良いと考えている。
やりたい時にやって、飽きたら辞める。
これが物事を続けるコツというか、人間楽しいことしか続かない。
ミューズの囁き
世界的名著、夜と霧を書いた
ヴィクトール・E・フランクルは、
強制収容所(アウシュヴィッツ)で
まともな精神状態を保っていたそうだ。
その方法は、
脳内の妻と会話すること。
言葉から、あなたの将来のメンタルヘルスが予測できるとしたら?
大昔の人は、
自分の内言を神の声とか、
ミューズの囁きだと思っていたらしい。
マイミューズは、
森カリオペが
- Vsingar枠
- 英語
- 死をテーマにしている
ので良いかなと考えているが、
ワトソン・アメリアも魅力的である。
仕組み的に当たり前なのだけど、人気Vtuberは魅力的だ。