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LoLの「ランクを回す」という呪い|グラインドカルチャーと消耗しない付き合い方

一般的な人間はLoLをプレイすることを、
「ランクを回す」みたいな表現をするそうだ。

プレイヤーらしくない、
作業感のある表現だ。

しかし、そういった感覚のほうが一般的で、
ゲーム・タスク・仕事というのは

  • 退屈だけど繰り返して量をこなすことが大事

という時期、あるいは事実がある。

なので、回すだの踏むだの連呼している人間のほうが、
社会では真っ当な人間なのだろう。

これがいわゆるグラインドカルチャーだ。

グラインド(反復)そのものは悪くない。

上達の土台になるし、
”ちょっと気分が乗らないけどやる”。

人間の鏡だ。

ただ、「試合数=上達」だと思い込んだ瞬間、色々と終わる。

この記事では、グラインドカルチャーの正体と、
消耗せずに付き合うコツを整理する。

  • グラインドカルチャーという言葉の意味
  • LoLがなぜ「とにかく回す」空気を生みやすいのか
  • 試合数を積むだけでは上達しない理由
  • 消耗せずにランクと付き合うコツ

記事を書こうと思った動機は、

「ジャングルの基本はフルクリアであり、ブログにもよく書いてるのだけど、俺はあんまりしないな」

「プレイ数が多いジャングラーは、一生同じルートでプレイする傾向がある」

「実際に薄めてLoLをプレイするヤツほど、長時間する傾向があるよな」

みたいなことを思ったからだ。

それでは始めよう。

この記事はパッチ26.14の時に執筆されました。

グラインドカルチャーとは何か

「グラインド」はもともとゲームの言葉だ。

RPGのレベル上げや、ハクスラのファーミングのように、
同じ作業を繰り返して報酬(経験値・アイテム・ランク)を積み上げること。

ここから転じて、
「とにかく努力を積み重ねること」
を美徳とする空気全般を指すようになった。

今は違うけれど、10~20年前くらいのネットゲームは、

  • プレイヤーをグラインドさせる

のが大基本戦略だった。

1時間ファームして、経験値1%上がるとか、
そういうゲームばかりだった。

LoLのプレイスタイルで言えば、
毎日10試合とかランクする、
精査せずに連戦を重ねる(ネット将棋界隈では「廃指し」と呼ぶらしい)、
ことを強制される感じである。

LoLは「グラインド」を生みやすいゲームだ

ランクには終わりがない

実はLoLはダイヤモンド以上になると、
プレイし続けないとLPが減っていってしまう。

LoLプレイヤーが「貯金」という言葉を使っているのを、
見たことがないだろうか?

あれは日数貯金のことだ。

試合をプレイすると日数貯金が溜まり、
プレイしない日は、それが1日ずつ減っていく。

ゼロになった瞬間から、LPが勝手に削られ始める。

つまり上位ティアでは、
現状維持にすらプレイが要求される。

貯金の上限や減衰量はティアによって異なり、シーズンごとに調整も入る。正確な数値は公式のランク解説を確認してほしい。

「何試合回した」か

世の中にはマスタリーポイントを自慢する人間がいるらしいが、
本気で言っているならば、恐ろしいことだと思う。

あの数字が示しているのは、
そのチャンピオンに費やした時間だけだ。

上手さは1ポイントも含まれていない。

しかし、

  • 少ない試合数で上達したほうが偉い

この価値観も、同じくらい恐ろしい。

多いほうが偉いのか、少ないほうが偉いのか。

どちらも試合数という一本の物差しで自分を測っている点では同じだ。

その勝負に乗った時点で、
上達とは関係のないゲームが始まっている。

ここに落とし穴がある

試合数と上達は、同じではない

量を積んでも、同じことの繰り返しなら、伸びは鈍い。

人が上手くなるのは、

  • 「まだできないこと」に手を伸ばして、失敗して、直したとき

だ。「もうできること」を1000回やっても、
それは"上手さの確認"であって、"上達"ではない。

フルクリアだけを回すジャングラーが、
試合数のわりに伸び悩むのは、これが理由だ。

ただし、フルクリア自体を否定しているわけではない。マスターまではハッキリ「ベスト」と言えるクリア方法だ。
もちろん、ちゃんとスカトルに間に合いつつ、ある程度のスケーリングを持つチャンピオンで行うこと。
問題は、それ以外のルートを一度も試さないことのほうにある。

”疲れない”というのは、じつは危ない

疲労は、本来はブレーキだ。

初めてすることや、苦手なことをすると、
2分後くらいには

  • 「なんか頭が痛い」
  • 「眠くなってきた」

と感じるのが当たり前である。

逆にラクにこなせてしまうことは、
いくらやっても上達しない。

あとはゲームの場合、
長時間こなせてしまうこと自体が、
色々な問題を引き起こす。

意図的な練習は強い集中を要するため、そもそも長時間は継続できない——というのがアンダース・エリクソンの研究が示してきたところだ。
ダラダラ続けられている時点で、それは練習の強度に達していない。

消耗しない、グラインドとの付き合い方

量を少し削って、振り返りに回す

10試合を雑にプレイするより、
5試合を丁寧に振り返るほうが伸びることは多い。

昔チャレンジャーだった友人が、
こんなことを言っていた。

  • 1日プレイして、次の1日は考える日にする

これを交互にやる、と。

私は失礼ながら

「コイツがそんな上等なこと考えてるわけねえ」

と思いながら、
内心では感心していた記憶がある。

後になって、これは競技の世界では珍しくない発想だと知った。

羽生結弦選手は小学生の頃からノートをつける習慣があり、
練習で気づいた感覚やタイミングを書き残しているという。

ジャンプが成功したときの共通点は何だったのか。
足や腕の位置はどうだったのか。

実行と分析を、同じ時間の中でやろうとしない。

ここが共通している。

「オン」と「オフ」の日を分ける

前項の続きだが、
こちらは1試合単位ではなく、1日単位の話だ。

「今日はプレイする日」
「今日はプレイしない日」
を、その日が来る前に決めてしまう。

オフの日は完全にLoLから離れてもいいし、
やったことがないモードや、
舐めたピックをしてもいい。

普通に考えて、
何かあなたに”楽しみ”があったとしよう。

それを楽しむためには、
疲れすぎてないことが重要だ。

私はTFTを滅多にせず、
そしてヘタクソなのだが、

  • 起こる事実にすら関心なくTFTをプレイする姿勢

あれこそが”無我”というヤツじゃないかなと考えている。

勝利を目指してプレイするのは当然だが、長い視点でLoLを見ることのほうが大事だ。

「プレイし続けないと損」という感覚から距離を取る

効率を出さないとダメ、
報酬は全てもらわないとダメ。

真面目な人ほど、
そういう感覚はあるのではないだろうか?

ソシャゲのログインボーナスというものがある。

大昔のソシャゲのログインボーナスには、
1ヶ月毎日ログインさせて、
最後に貴重なアイテムをプレゼントすることがあった。

これが💩すぎるのは、
小学生でもわかることだ。

というわけで今のソシャゲは、
ログイン日数に遊びの期間を付けることが多い。

例えば31日中、
7日ログインすればいいとかだ。

設計する側は、
毎日を強制すると人が壊れることを、とっくに学習している。

プレイする側だけが、
いまだに毎日を自分に課している。

毎日更新する。これがベストだとは思うが、今週は3回しか更新してない。

終わりに

昔コーチングした人の中に

「最近学校に行ってないから行きづらい」

と言っている人がいた。

もちろん私は、あなたの予想した通り

「LoLやってる場合じゃないだろ」

と言った。

  • 休んで顔を出しにくい

人間なぜかこういう気持ちがある。

”気まずさ”があるのだ。

彼は意識高い習慣と同じアプローチで、
学校、あるいは普段の生活をこなしていたはずだ。

例えば筋力トレーニングなど、
意識高いと言われる習慣は、
1日でも休むと挫折すると知られている。

よほど変わった人間じゃない限り、
筋力トレーニングやダイエットは自分をすり減らす行為、
つまりグラインドそのものだ。

実は対処法はハッキリしている。

  • 2日連続で休まない

である。

もう一週間も休んでいる場合は、
なんとか頑張って1日行って、
次の日に休めばいい。

LoLでも

  • 最初少しやって辞めて、しばらくして再開したら本格的に楽しくなった

という話は、よく耳にする。

戦術の、その先へ

「LoLが上手くならないのは、操作技術以前に、このゲームへの“向き合い方”の問題ではないか?」一度でもそう疑ったことがあるなら。

その“向き合い方”を、社会学・心理学・行動経済学で解きほぐすのがこのニュースレター。週1の長文を、北川楓が書いている。

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