他のゲームに比べるとLOLは難しい気がする。気がするというか、私の知り合いには他のゲームが上手だけれど、LOLは大変に下手である人は珍しくない。
よく知られていることだが、我々の思考は2種類ある。
システム1(低コストな思考)
- 直感的
- ヒューリスティック(経験則)
- セルフ2(インナーゲーム)
システム2(高コストな思考)
- 合理的
- 分析的
- セルフ1(インナーゲーム)
私達には意志力や行動ポイントみたいなものがあり、
0になると何もやる気が起きなくなって、
遊ぶか寝るかしかなくなる。
LOLを起動する時に
「今起動するとマッチングまでに5分かかって、
ピック時間と試合時間合わせて大体25分。
多分1試合で満足しないだろうから、
おそらく2時間くらいはプレイしてしまうかもしれない」
と考えて起動しない。
考えた場合、
おそらく起動しないだろう。
なので我々は、
直感的にLOLを起動してマッチングしているわけだ。
今回の記事では
- どれくらいの割合で思考したら良いのか?
といった話をする。
この記事はパッチ11.4の時に執筆されました。
パッチ13.13に書式を直しました。
100%直感的な場合
良い点
- LOLを起動するのにためらいがない
- 試合中もためらいがない
- 操作が上手
- たくさんのことを一度にできる
- 体力がある
システム1の原始的な思考は、
低コストかつ一度にたくさんのことができる。
なのでスポーツの世界では、
プレイ中は直感的な思考でプレイするのが良い。
LOLで言えば
- ジャックスでマルファイトのRを受ける時にEとRを同時に押す
- ガレンでマルファイトのRを受ける時にWとEを同時に押す
コレは直感的な思考じゃないと押せない。
悪い点
- 味方に不要なピンを鳴らす
- 一生マッチアップを覚えない
- 一生ジャングルを覚えない
- 新しいことを覚えるのが遅い
会話の最中に突然怒り出す人は、
インターネットでは珍しくない。
原因はハッキリしていて
- 運動不足
- 人と会話をする時に直感的すぎる
- 色々大変なことがあって意志力が残っていない
怒る人はいつも怒るので、
大体1と2の両方を備えている。
直感的な思考では新しい複雑なことは覚えられない。
直感的思考の悪い点は、
そのままLOLが下手なプレイヤーの特徴となる。
良く言えば健康的、悪く言えばバカ。
しかしダイヤモンドくらいまでは、とにかく直感的にプレイしてゲームに慣れていくのが、一般的な上達ルートだ。
100%合理的な場合
実際に100%合理的な人がいた場合、
LOL自体起動しないので無視。
一応起動することにする。
良い点
- 味方に不要なピンを鳴らさない
- マッチアップを理解している
- ジャングルを理解している
- 新しいことを覚えるのが速い
悪い点
- 疲れる
- 操作が下手というかイップス
- 多分LOL自体続かない
合理的・分析的思考はあまりにも燃費が悪い。
イップスを知らない人も多いと思うので説明すると、
止まっているボールに上手に力を加えることができなくなってしまう病気だ。
ゴルフで打てないとか、
ボールを投げれないことを、
イップスと呼ぶ。
LOLで言えばオーンのRは打ち返せるのだけど、
自分からコールをしたり、
イニシエートしたりすることができない。
完全に止まっているものに力を加えにくくなる。
人間誰しも少なからずそういう性質がある、不思議だ。
朝起きる時に起きる理由を考えてはいけない
- 寝不足
- 部屋が寒い
- 精神的な病
こういった時に人は、
朝起きる時に起きる理由を考えてしまうのだが、
良いことは1つもない。
この記事もLOLの起動と同じで
- 何故書くのか?
- 終わるまで何分かかるだろう?
とか考えたら、
その日はもう書けなくなる。
- LOL起動、ログイン、マッチング
- 布団から出る、トイレに行く
- 記事構成を決める、書き始める
こういった手順は、
直感的に出来るように手順を決めておく。
そしてよく考えれば、
朝起きる理由は昼や夜でも考えられるわけだ。
実際に我々は、
お風呂に入っている時は、
大体自分の好きなことを考えている。
必死にシャンプーの手順を考える人はいない。
あまり合理的・分析的に考えすぎると病気になるので、どちらかに偏らなければならない場合は、直感的なほうが良い。
LOLの思考比率はどれくらいがいいのか?
- ログインからマッチまでは直感的
- マッチ後から試合開始までは合理的
- 試合中は直感的
2について補足をすると、
これはランク戦のみで、
ノーマルやARAMでは考える必要というかタイミングがない。
対面どころか対戦相手が見えないので、
何も考えることがないからだ。
せいぜいALLADやAPを避けるくらい。
ランク戦でドッジ(dodge)はしないほうがいい
朝起きる時に起きる理由を考えているのと同じ、
単純に認知力の無駄だからだ。
なので考える必要が全くない。
試合中は直感的なほうが良いがLOLにはラグがある
2分前からドラゴンが沸く時間を30秒起きに鳴らしているのに、
テレポートで飛ぼうとしてくるクソトップ or クソミッド。
サモナーズリフトでは、
よくある光景だ。
ドラゴンは体力が低いので、
1匹目とエルダー以外は、
沸く時にその場にいないといけない。
すなわち
- 2~4匹目のドラゴンは弱いので、テレポートの演出中に倒されてしまう可能性が高い
ちなみにドラゴンと呼ぶけど、
エルダー以外はドレイクなので弱いのは当たり前だったりする。
ドラゴンの格(上ほど強い)
- ヘルカイト
- ドラゴン
- ワイバーン
- ドレイク
話を戻すと、
- 100%直感的プレイではラグがある
例えば格闘ゲームでは、
よほど特殊な技じゃない限りは、
その場その場で上手に対処できればいいわけだ。
10秒後に突然上から何か振ってきて、
食らったら一撃でKOされるみたいな技があったら、
相当なストレスになる。
しかしLOLのドラゴンは、
まさにそんな技と同じだ。
敵チームが4つ目のドラゴンを狙っている時に、
味方5人が集合していなければ、
ジャングラーがスティールできない限り試合が終わる。
もちろん上級者は何も考えずとも、
ドラゴンのタイミングに合わせてリコールして現地に行くし、
相手がヘラルドを取った時にはガンクをくらわないようにする。
とりあえずタイムラグがあるので、
計画を立てないと、
いつまで経ってもドラゴンに間に合わない人のままだ。
LOLではゲームを合理的・分析的に考える時間が必要で、プレイ時間とは別に取らないといけない。
私の格闘ゲームの思い出
LOLのトップレーナーはダリウスを捌けないと、
味方に一生暴言をはかれながら、
レポートされ続けるゲームになる。
なので高レートのトップレーナーは、
ほぼ全員ダリウスを捌くのも使うのも上手だ。
格闘ゲームにも当然キャラ対策という言葉があるのだけど、
語れるほど対策が取れているケースを見たことがない。
私は物凄く上手だったのだけど、
私自身も他の上位勢も、
せいぜい反撃の仕方や技相性を知っているくらいだった。
というのも明確な理由があって、
格闘ゲームは操作が上手な人が勝つ乱暴なゲームだからだ。
とにかく精密にプレイするのが大事で、
ソレにはプレイ時間が必要だった。
今でも周りに続けている人は多いけれど、
私は辞めてしまった。
LOLは反対で
「ダリウスに勝つには操作が上手じゃないとダメだよ」
なんて言っている人がいたら
「ああこの人シルバー以下なんだろうな」
と感じるだろう。
格闘ゲームに落ち着いて考える時間は必要ない。
とにかくプレイし続けるゲームだ。
考えているうちに次のタイトルが出る。
終わりに
- システム1は疲れにくい
- システム2は疲れやすい
- まずはシステム1でプレイできるようにする
- その後システム2を使う
LOLでは直感的にゲームができるようになったら、
他のことも考えていくのが良い。
直感的にゲームができるとは
- 別なことを考えていても試合終了まで支障なくプレイできるレベル
のことだ。
- ジャングラーは何も考えずにジャングルモンスターを狩れるようになってからが始まり
このブログで良く書いているフレーズである。
ただLOLはゲームなので、
あまり合理的に考えて消耗しすぎるのは考えもの。
ちなみにDota2のほうがLOLより難しいが、
Dota2のほうが操作が上手なだけで勝ちやすい。
なのでLOLのほうが遅い思考(システム2)が求められる。
合理的・分析的な比重が大きいゲームは、
他にはカードゲームだろうか?
確かにカードゲームを長くプレイしているのに下手な人は滅多にいない。
というか見たことも聞いたこともない。
システム1、つまり直感的な思考で
デッキを組んだりプレイしたりしないからだろう。